日常生活のみならず、仕事においても人間関係のリセットが癖になってしまっている方も多いでしょう。できることなら治したいと考えていると思いますが、なかなか改善するのは難しいですよね。
まずは、なぜ自分は人間関係にストレスを感じたり、めんどくさくなってしまったりするのか…を客観的に分析することが大切です。
そこで今回は、人間関係リセット症候群に陥る人の特徴や改善策について解説していきます。仕事・職場の人間関係の問題を解消するためにも役立ちますので、困っている人はぜひ参考にしてくださいね。
INDEX
人間関係リセット症候群とは?
「人間関係リセット症候群」という言葉をご存じでしょうか?
症候群と言う名称が付けられているものの、医学的な意味合いでの症候群ではありません。
ただし、この人間関係リセット症候群は、人間関係の悩みを回避するひとつの性向として多くの人に知られているようです。
大学や学校、職場など様々なコミュニティに属して生活を続ける現代人は、たくさんの人とリアル、ネットを問わず様々な人間関係を構築することができます。
一方、人間関係を結ぶことが一昔前よりも簡単になった結果、その関係性を短い時間でリセットしてしまう人も増えてきています。
誰しもがある人間関係のリセットですが、その頻度や方法の取り方によっては、他人から見て「病的」であることから、「症候群」と呼ばれているのでしょう。
では、この「人間関係リセット症候群」とは、どのような特徴を持つのでしょうか? また、仕事や職場における人間関係とどのような関係性があるのでしょうか?
人間関係リセット症候群の特徴
人間関係リセット症候群には、明確な定義がわるわけではありません。また、共通の病的な特徴が公開されているわけでもありません。
しかし、様々な情報源・体験談に触れてみると、その共通点が浮き彫りになります。
具体的な特徴や、陥る人の心理状態、原因や「なりやすい人」まで、人間関係リセット症候群の全体像をここで見ていきます。
人間関係リセット症候群の特徴・心理状態
人間関係リセット症候群の特徴や心理状態には、大まかに下記のような特徴があります。
自分では気づかない場合もありますが、多かれ少なかれ周囲の人にも当てはまる部分があるかもしれません。
人間関係リセット症候群の特徴
- 連絡先を変えたまま誰にも変えたことを伝えない
- 返信が突如途絶え、そのまま応答がない
- 突然相手のSNSアカウントをブロックしたり、疎遠になったりする
- SNS自体を突然退会してしまう
- 転職した後、周囲の人にその旨をまったく連絡しない
- 引っ越しや住所変更をしたまま、誰にもそのことを伝えない
- 昔からの友人との集まりには一切行かない
- 仲良いメンバーと突如付き合うのを辞める
上記のうち、すべてが一人の人に当てはまるわけではありません。しかし、上記のような特徴の多くが当てはまったり、した経験のある人も多いのではないでしょうか?
人間関係リセット症候群の心理状態
- 気を使いすぎて関係性を保つのが面倒になる
- 周りからの期待や声がけに嫌気がさした
- 嫌われたくないという心理が強く、いっそのことを付き合いをやめてしまった
- 素の自分を見せることができず、嫌になった
- メンバーの中の自分自体が好きではなくなった
周囲からの期待や、それに応じる自分自体に嫌気がさしてしまい、人間関係をリセットする傾向にある人はとても多いです。
様々なコミュニティでそれぞれの自分を演じることに疲れてしまう心理状態は、現代人が悩みがちな人間関係を端的に表していると言えるのではないでしょうか。
人間関係リセット症候群になる原因
人間関係リセット症候群のハッキリとした原因が分析されているわけではありませんが、悩みや経験談、そして共通点である特徴を紐解いていくと、人間関係リセット症候群に陥ってしまう原因が見えてきます。
- インターネット、ゲーム、SNSなどが発展し使いやすくなったため
- 1人の個人が属するコミュニティが多様化しているため
- 人間関係を構築するために必要な手間が少なくなったため
- 「気を遣い素の自分が出せない」という悩みを抱えている人がいるため
今現在、友人・知人と簡単につながることのできるサービスが増えていますし、リアルなコミュニティがなくても知り合いを作ることができます。また、連絡手段も電話、メール以外にたくさん増え便利な世の中になりました。
そのため、「人間関係をリセットすること」に抵抗感がない人が増えたのではないかと考えられます。
一昔前と単純な比較はできませんが、「この関係性がなくても自分の居場所がある」と考えることができるからこそ、人間関係をリセットする人が増えているのかもしれません。
人間関係リセット症候群になりやすい人
人間関係をリセットしがちな人には、ある共通点があります。すべての人に当てはまるかどうかは別として、共通点を知ることができれば、対処法や解決策を導くヒントになります。
- 周りの空気を読んで発言したり、行動したりすることが多い人
- 相手の気持ちや行動に配慮しすぎる人
- 自分の意見を押し通すことが苦手な人
- 表面的な付き合いや知人関係が多い人
- 自分にあまり自信がない人(能力・性格などに対して)
上記の共通点で見えてくるのは、「自分に自信がない」かつ「人に対して譲歩することが多い」性格の持ち主が、人間関係リセット症候群に陥りやすいということなのです。
よくある話題のひとつに、「人間関係リセット症候群は発達障害のひとつだ」というものがあります。明確な定義があるわけではありませんが、そのような障がいを抱えている人にとって当てはまる部分も確かにあるはずです。
しかし、一方で発達障害であると決めつけるには段階が早い場合があります。
自分自身で対処することが難しい場合には専門家への相談が不可欠ですが、性格的な問題である場合もありますので、慎重に判断することが大切です。
人間関係リセット症候群は仕事や職場でどんな影響があるのか?
人間関係リセット症候群に関する基本的な特徴などについて、まとめて解説してきました。しかし、この人間関係リセット症候群は、仕事や職場の人間関係とどのような関係性があるのでしょうか?
仕事や職場での人間関係も、日常生活に欠かせない人付き合いが多いはずです。
しかし、仕事や職場の人間関係は、個人的な知人・友人との関係とは異なり、仕事の都合上自分の判断でリセットすることは難しいです。
この場合、完全にリセットするのではなく、「相手へ興味を失う」という形でリセット症候群の特徴が出てしまう場合があります。
具体例を下記で見ていきましょう。
- 少しずつ関係を作っていた同僚と突如最低限の関わり合いしかしなくなる
- 連絡・報告・相談の回数が少なくなる
- 上司と連絡を取りたがらない
- 仕事・職場の雰囲気に無頓着になる
つまり、できるだけ自分が仕事・職場において人と関わることを避けようとしてしまいます。
「面倒だから最低限の付き合いしかしない」という考え方もときには重要です。
しかし、どんな仕事でも同僚・上司との密なコミュニケーションは求められますため、結果としてあなたが孤立してしまったり、働きにくい環境を自ら作ってしまったりしてしまう原因になります。
人間関係リセット症候群の対処法
仕事・職場における「人間関係リセット症候群」の特徴は、仕事に対するモチベーションの低下や、職場環境の悪さによって誰もが陥りがちなことです。
そのため、人間関係リセット症候群辞退の対処法を知ることで、職場・仕事であなたが不利益を被らないように行動を改善していくことをおすすめします。
下記からは、人間関係リセット症候群の対処法をご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
1 少しだけ距離を置いて人付き合いをすること
人間関係に悩んでいる場合には、他人と自分との距離感のうち、自分に合った距離感を探すことが大切です。
たとえば、職場では仲良くするけど仕事終わりの飲み会には参加しないなど、自分にとって精神的な負担にならない程度に人付き合いをすることを意識してみましょう。
もちろん、「人付き合いが悪いな」とレッテルを貼られるのはあなたも嫌なはず。その場合は、2〜3回に一度は適度に飲み会に付き合うなど、細かな調整をすることが大切です。
2 自分自身の失敗・ミスに寛容になること
人からの期待やプレッシャーを上手く制御できないことで、人間関係にめんどくささを感じる人は多いです。めんどくさいと思う心理は、あなた自身が「こうしなければならない」という思いを強く持っているからこそ起きます。
そのため、まずは自分が引き起こすミスや失敗に寛容になることから始めてみましょう。
たとえば、「〇〇さんにああ言えばよかったな」「こんな言い方して嫌われないだろうか?」と気にしすぎることを辞めるなどです。
普段やってしまっている人間関係のミス・失敗を気にしすぎないことにも効果があるでしょう。
3 他人からの目を意識しすぎないこと
他人は、あなたが思っているほどあなたのことを気にしていません。これは、今のあなたにとっては気が楽になる事実なのではないでしょうか?
他人からの目を意識して、程よいプレッシャーや責任感を感じることは、ときに良い作用を及ぼすこともあります。
しかし、日常的に意識しすぎてしまうと、身体も精神も休ませることができず、人間関係辞退にプレッシャーを多く感じるようになってしまいます。
まずは、「自分が思うほど、相手は自分のことを注意してみているわけではない」ということを言い聞かせることが大切です。
4 他人の見方をリフレーミングしてみること
「リフレーミング」とは、これまでの考え方の視点をずらすことで、新たな観点を見出す思考方法のことをさします。
人間関係に悩んでいる場合のほとんどは、「嫌いな同僚や苦手な上司との関係性」に原因があるはずです。
しかし、「なぜ相手のことを苦手/嫌いと感じているのか?」をきちんと整理して考えたことはないのではないでしょうか?
たとえば、あなたの嫌いな上司に対して、「嫌いな要素」を上に書き出してみます。
- 責任を部下に押し付けがち
- 余計な叱責が多い
- 嫌味を頻繁に言う
これをポジティブな観点でリフレーミングしてみると、このようになります。
- 責任感がないが、仕事の進行具合を細かく見ることができる上司だ
- 部下に対して感情的に叱ることのできる上司だ
- 部下に対する指摘を細かくできる上司だ
どちらにせよ嫌な上司であることには変わりありません。しかし、整理してリフレーミングしてみることで、以前よりも上司に対する理解ができそうな気がしてきます。
このように、他人を見る目を変えることで、あなた自身の気が楽になることもあるのです。
5 素直な感情表現を心がけること
喜怒哀楽の感情を押し殺し、できるだけ穏便に人間関係を築こうとしている人は多いと思います。
いちいち感情的になってしまっては話が進みませんし、相手に対して感情をむき出しにすることには抵抗があるはずです。
しかし、だからといってあなたが感情をずっと内側にしまい続けると、あなたの精神的なストレスが積み重なっていきます。
そのため、「YES/NO」をハッキリ伝えることや、自分の思いや考えをできるだけ相手に伝えてみることから始めてみましょう。
6 仕事の手を抜くこと(責任感を感じすぎない)
仕事に対するプレッシャーや責任感は、その原因を紐解いていくと「関係者からの期待・プレッシャー」であることが分かります。
たとえば、「○日までにこの資料を作成する」という期限付きの業務があるとします。
この場合、遅れたときに迷惑をかける相手や、評価をする上司からの期待やプレッシャーが、あなたにストレスを感じさせてしまうのです。
つまり、仕事内容のストレスもほとんどの場合は人間関係と関連するストレスであるといえます。
そんなときは、責任感を感じすぎずに「仕事の手を抜くこと」を考えてみてはどうでしょうか?
プレッシャーがなくても、普段こなす仕事であれば問題なくおこなうことができるでしょう。
7 複数のコミュニティを大切にすること
「会社以外に居場所がない」「ここで働けなくなったら終わりだ」と感じてしまうことも、人間関係にプレッシャーを感じてしまう原因になります。
生活のために仕方なく働いているという思いが強い人も多いと思います。そのモチベーションはとても大切なものです。
しかし一方で、「この場所しかない」と思いつめることは間違いであるといえます。転職することはどんな業種・職種の人であれ可能ですし、仕事以外にもあなたの居場所はたくさんあります。
思い詰めすぎずに、仕事は仕事、プラベートはプライベートと割り切ることも、ときには必要です。
8 専門家の意見を聞くこと
心理的な悩みや精神的なストレスを大きく感じている場合には、医師やカウンセラーなどの専門家に相談することもひとつの方法です。
気軽に相談できる窓口はたくさんありますし、あなたが思っているよりも人間関係の悩みは深刻である場合も多いです。
下記では、代表的な相談コーナーをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
おすすめWebサイト:総合労働相談コーナー – 厚生労働省
おすすめWebサイト:こころの耳 – 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
9 苦手な人と上手に関係構築すること
仕事・職場の人間関係では、「苦手な人」と直接接しなければいけない機会も多いでしょう。それにめんどくささを感じるようであれば、まずは人間関係を上手に構築する方法を試してみることをおすすめします。
下記記事では、様々な観点から人間関係野悩みに対する解決策をご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
おすすめ記事:職場の人間関係に疲れ、会社を辞めたいと思ったときの解決策とは?
職場の人間関係に疲れたと感じている人向けの記事です。特に、「仕事を辞めるべきかどうか?」について思い悩んでいる人は、まず辞める前に考えておくべきことや、辞める前に準備しておくことなどを知っておくと良いでしょう。
おすすめ記事:職場や仕事の人間関係がめんどくさい?気持ちを楽にする対処法とは
職場の人間関係に対して「めんどくさい」と感じる瞬間はたくさんあります。しかし、自分の考え方や行動を見直すことで解決することもたくさんあります。気持ちを楽にするだけでも、日々の仕事に前向きになれるかもしれません。少しでも精神的な不可を減らしたい方におすすめの記事です。
おすすめ記事:職場の人間関係ストレス度チェック!あなたはいくつ当てはまる?
職場の人間関係に対するストレスレベルをチェックすることで、自分がどの程度人間関係に悩まされやすい性格なのかを知ることができます。客観的に働き方を見つめ直したり、自分にかかっている精神的な疲れをチェックするときに活用すべき記事になっています。
おすすめ記事:【厳選】職場の人間関係に悩んだときに読みたい名言・格言まとめ
人間関係の悩みは、今も昔も根本的な原因は共通しています。そのため、今のあなたが悩んでいる人間関係の課題に関しても、過去の偉人の格言・名言を知ることで冷静に対処することができるようになります。
10 適度な運動を心がけること
適度な運動をすることも、人間関係に対するストレスを解消するために重要なポイントになります。
精神の安定に効果があると言われている脳内物質のひとつには「セロトニン」と呼ばれる物質があります。
このセロトニンは、運動によって分泌が促進されることが分かっています。
運動を習慣として取り入れることも大切です。
- ジョギング・ウォーキング
- サイクリング
- スイミング
- 朝・晩のストレッチ
また、軽めの運動を継続しておこなうことが大切です。通勤途中の遠回りや意識的なジョギングなど、スキマ時間を活用してこまめに運動を取り入れてみましょう。
11 「人間関係がめんどくさい気持ち」を紙に書き出すこと
人間関係に対して、自分がなぜストレスを感じているのかを上に書き出してみることも、心の中のもやもやを解消するために効果があります。
自分自身で、「めんどくさい」と感じていることでも、実際に言葉で整理できていない場合が多いです。
あなたがなぜストレスを感じているのか、そして、それを解決するためにはどんな行動をするべきかを箇条書きで書き出しておきましょう。
12 転職する(職場を変える)
仕事の人間関係を根本的に解消するためには、「転職」することが一番効果的です。人間関係に関する悩みは、あなた1人の問題ではなく、職場環境などに起因することがほとんどです。
転職することで、余計な人間関係のストレスを感じる事自体を無くすことができる可能性が高いです。
もちろん、ほかの方法を試して見て、人間関係のめんどくささやストレスがほとんど解消しないことが分かってからでも良いでしょう。
最悪の場合でも、仕事・職場を変えることが解決に繋がるということをおさえておきましょう。
おわりに|人間関係に悩んでも…解決策はたくさんあります
今回は、人間関係リセット症候群に陥る人の特徴や改善策について解説してきました。
人間関係に関する悩みや課題が原因となり、突然その関係性をリセットしてしまいたくなる感情は誰にでもあります。
仕事や職場の人間関係を適切に保つことが難しくなったら、いつでもこの記事内容を参考にしてください。
転職したい人だけ見よう!「転職エージェントランキング」
人間関係の問題は大きく下記の2つの種類に分けることができます。
- あなた1人で状況を改善できる問題
- あなた1人では解決・対処できない問題
1人で改善できる問題は、ストレスを解消したり、自分の人間関係の築き方を見直すことが必要です。
一方で、1人で解決・対処できない問題は「職場環境」「会社風土」「仕事内容」などに原因があるため、あなた1人で努力しても意味のないことがほとんどです。
職場環境など、自分ではどうしようもないと感じる問題にぶつかった場合には、「転職」によって職場環境を変えることが最も効果的です。
今では、30代の4人に1人が「転職経験アリ」という事実もあります。転職は決して珍しいことではないのです。
転職活動では「転職エージェント」を活用するとスムーズです。
下記記事では転職エージェントに関する基礎知識や選び方をご紹介しているので、転職を検討している人はぜひ参考にしてください。
おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ