「今の仕事を辞めたい」と考えていても、実際に上司や先輩、会社などに辞める理由を伝えることに苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか?
辞める理由を伝えることに慣れている人はほとんどいないでしょうから、実際に円満退職ができるための知識をつけることが何より大切です。
理由に悩んでいる人も、伝え方に悩んでいる人もいると思いますが、まずは「辞める理由を伝える前に知っておくべきこと」を学んでおきましょう。
今回は、仕事を辞める理由に悩んでいる方に向けて、仕事を辞める人の中でも多い転職・退職理由ランキングや、辞めることを伝えるときに知っておきたい注意ポイント、そして辞める理由の内容・参考例についてご紹介しています。
今回の記事を参考にすることで、仕事を辞めるためのイメージが鮮明になります。これから仕事を辞めて転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
退職理由の具体的な伝え方は、下記記事でもご紹介しています。詳しい「伝え方」だけ知りたい方は、下記記事を参考にすることで円満退職することができます。
おすすめ記事:転職を上司に納得させるための退職理由の伝え方とは?
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仕事を辞める理由はどうやって決めるべき?|目指すのは円満退職です
仕事を辞める理由(退職理由・転職理由)に悩んでいる方は、下記のような状況に当てはまる人でしょう。
- 辞めたい根拠はないがとにかく今の職場から離れたい。
- 転職すべき理由が見つかったが、この理由で転職して良いのかが分からない。
- そもそも転職する勇気がない。
仕事を辞める理由について悩んでいるパターンでは、「辞める理由の伝え方」「伝える理由の内容」に注意すれば悩みを解決することが可能です。
一方、退職する理由について悩んでいると思い込んでいるだけで、実は「転職する勇気がない」「辞めると言ってしまったら後戻りができない」と違うジャンルの悩みを抱えている人もいるでしょう。
転職する勇気が出ないのは当然のこと。不安なことやリスクがつきまとうため、不安になる気持ちもわかります。
しかし、具体的な転職活動の流れを知れば、余計な悩みを持つことが少なくなるのではないでしょうか。
下記記事では、転職活動の流れややるべきことについて解説しているので、転職理由ではなく「転職活動」について悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!
さて、ここでは仕事を辞めたいが理由に悩んでいる人向けに円満退職のための方法を解説していきます。
あなたが目指すべきなのは、退職する会社や同僚、先輩と円満なまま、次の職場にポジティブに転職できる「円満退職」です。
辞める前に自己分析!あなたはなぜ会社を辞めるべきかを考えるコツ
辞める理由に悩んでいる方の中には、「本当に今の仕事を辞めるべきかどうか?」と考えている人もいるでしょう。
そんなときは、最初に「辞めたいと思う理由」を整理して、自己分析してみることをおすすめします。
辞める理由に悩んでいるだけで、辞めたいかどうかについて悩んでいない人は飛ばして構いません。
ここでは、辞めたい理由ごとに自分を分析するためのヒントをご紹介しているので、あなたが当てはまる理由ごとに自己分析を始めてみましょう。
1 人間関係で辞めたいと思うとき
人間関係で退職を決意する人はそれほど多くありませんが、実際の仕事の悩みのほとんどは人間関係が原因であることがほとんどです。
人間関係で辞めるかどうかを考えるためには、「あなたが解決することのできる問題」と「あなただけでは解決できない問題」の2つを区別する必要があります。
どうにもならない状態に陥っているかどうかを考えることで、転職すべきなのかどうかを決めることができます。
人間関係で辞めたいと思うキッカケ
はじめに、人間関係で辞めたいと感じるキッカケを整理します。あなたに当てはまる部分がひとつでもあるなら、あなたは人間関係を理由に仕事を辞めたいと思っているはずです。
- 上司や同僚に嫌な人がいる
- 上司から要求される仕事のレベルが高すぎる/低すぎる
- 部下や上司と上手く関係を築けていない
- 人間関係のせいで仕事が手につかない
- 社内イジメ・いやがらせを受けている
- パワハラ・セクハラを受けている
人間関係で辞めることのメリット
人間関係で仕事を辞めることのメリットは、あなたが本来するべき仕事に集中することができる点にあります。
本来、社内にいる社員どうしは、お互いに協力し合うことが前提です。しかし、それが上手くできていないからこそ、あなたは本来の能力を発揮できていない可能性があります。
人間関係によるストレスから解消されるだけで仕事の辛さ・大変さはかなり軽くなります。また、自分のしたい仕事に集中できる大きな効果があります。
人間関係で辞めることのデメリット
人間関係が原因で辞めることのデメリットは、「次の職場でも同じような人間関係に巻き込まれる」という可能性です。
あなたの性格や仕事のやり方によって人間関係が悪化している場合、次の職場でも上司や同僚から同じような扱いを受けてしまうかもしれません。あなた自身が、自分の改善点を見つめ直すことが先決です。
一方で、特定の上司に理不尽な扱いを受けている場合など、「あなただけではどうしようもない人間関係の悩み」の場合には、迷わずに転職するべきでしょう。
2 給料が安いとき
給料が安いことも、転職する大きなキッカケになります。
今後を見通して人生の計画を立てていく場合や、ローンを組んで車や家を買う場合など、「今の給料では生活が心配」と不安になることもあります。
そんなときも、まずは給料の安さを理由に転職するべきかどうかを自分自身で振り返ることが必要になります。
給料アップ転職は、転職者の中にも大勢いるため、特に珍しいことではありません。それよりも、本当に年収や給料アップのために仕事を変えるべきなのかを振り返ることが大切です。
給料の安さで辞めたいと思うキッカケ
- 生活費が足りない。
- 出産、子育てなどで養育費が不足しがち。
- 働いている時間の割に給料が少ないと感じる。
- 残業代が出ない。少ない。
- 結婚を機にお金がかかるので、仕事を変えたい。
給料の安さで辞めることのメリット
給料が安いことを理由に仕事を辞めるのはあまり良い選択肢だと感じる人が少ないかもしれません。
しかし、給料を理由に仕事をやめ、ほかの仕事へ転職する人は一定以上います。
希望する条件を決めて転職活動をおこなえば、今の水準以上の手取り額をもらえる求人を探すことができる場合があります。
給料の安さは、仕事をする上で大きなストレス要因になります。働いているのに満足できるお金を稼ぐことができないのであれば、転職するべきです。
給料の安さで辞めることのデメリット
給料の安さで辞めること自体にはデメリットはありませんが、給料が増えたは良いものの、以前よりも忙しい職場に転職してしまった場合には「給料よりも休みがほしい」という状況になってしまう場合もあります。
そのため、「給料が高いけど今以上に忙しい仕事は嫌だ」と考えている方は、転職エージェントに登録して、応募しようとしている企業の情報をしっかり調べてから転職することをおすすめします。
求人情報誌やハローワークでは、そのようなことを教えてくれないため、「転職前に転職先の情報を知りたい」という方は、転職エージェントを活用しましょう。
3 仕事内容がつまらないとき
仕事内容がつまらないと感じるのは、長く働き続ける職場ではないとあなたが無意識に思っている証拠でもあります。
部署異動や転勤であっても、あなたが今関わっている仕事に魅力をまったく感じることがないのであれば同じことです。
つまらないという不満は、最初は気持ちをおさえて「お金のためだ」と割り切ることができますが、何年も働き続けていくと、その不満が蓄積して大きなストレスになります。
仕事内容がつまらないと感じるキッカケ
- 部署異動や転勤を機に「他の仕事がしたい」と考えるようになった。
- 仕事内容にストレスしかなく「楽しい」と思えることが少ない。
- 給料は良いが「やりがい」のある仕事だとはまったく思わない。
- 自分にとって得るものがない仕事だと感じている。
仕事内容がつまらないことを理由に辞めることのメリット
仕事内容がつまらないことを理由に仕事を辞めると、次の「やりたい仕事」をやるための行動に移そうというやる気が生まれます。
仕事にマンネリを覚えている人は、これを機に転職活動を初めてみることで、これまでの仕事では感じることのなかった楽しさやワクワク感を感じることができるかもしれません。
仕事への楽しさは、長く同じ職場で働くために重要な要素のひとつです。転職活動は30代の4人に1人が行っているデータもあるので、転職自体は決して珍しいことではありません。
仕事内容がつまらないことを理由に辞めることのデメリット
仕事内容がつまらないと感じ転職したものの、次の職場の仕事もつまらなかった…と転職したことをムダだと感じてしまう人も一定数いるようです。
仕事内容がつまらないと感じる原因は、もしかすると仕事内容自体への不満ではない可能性もあります。
たとえば、ほかの理由…給料の額や上司との人間関係などを理由に「仕事がつまらない」と感じているのかもしれません。
自分が仕事に対して不満に思っていることを整理しないと、転職先で仕事を始めても同じような悩みに悩まされる可能性があります。
転職前に「なんで仕事をつまらないと感じているんだろう?」と自問自答してみることをおすすめします。
4 会社の将来性が危ういとき
会社の将来性が危ういと感じる理由は様々なものがあります。
会社を取り巻く業界全体が落ち目であることを指す場合もありますが、従業員への手取り額が少なかったり、昇給額が少なかったり…といった悩みからも「会社には将来性がないのではないか?」と思うことがあります。
どちらの場合でも、あなたにとって「将来性がない」と感じる場合には、少し様子を見ていても状況が変わることは少ないです。
特に若手の社会人であれば、今のうちに傾き始めている業界から手を引いて、ほかの業界・業種・職種への転職を考えることも正しい選択です。
会社の将来性が危ういと感じるキッカケ
- 業界の流れからみて、会社の将来がないと感じる。
- 企業の売上や利益が年々減ってきている。
- リストラや派遣切りなどの状況が社内で続いている。
- 昇進の機会がほとんどない職場である。
- 昇給額が少なかったり、ボーナスがなくなったりする。
- 働いている同僚が大きなストレスを溜め込んでいる。
会社の将来性が危ういと感じ辞めるメリット
会社の将来性が危ういと感じる理由は様々なものがありますが、あなた自身が「危うい」と感じているのであれば、その会社に残って働くことにあまり意味はありません。
もしあなたが会社に貢献したいと思っていても、現状を変えることは難しいでしょう。特に、業界の流れが落ち目であるときには、あなた自身でできることはほとんどありません。
転職すること自体は、今後時代の流れ的に当たり前のことになっていきます。そのため、将来性のある事業や業界の企業に転職し、経験・スキルを身につけるべきではないでしょうか。
会社の将来性が危ういと感じ辞めるデメリット
会社の将来性を危ういと感じることには、主観が入る場合があります。たとえば、あなたの同僚や上司がいつもつらそうな思いをしていたり、職場の雰囲気が悪かったり…といったことが原因になります。
そういった会社は業績不振であることも多いですが、もし仮にあなたが「職場の雰囲気や空気」で危うさを感じているのであれば、転職先でも同じような空気を感じるかもしれません。
結局転職したことに後悔することになりがちです。
転職前に、業界研究や企業研究をしっかりおこなえば、転職先を探すときに「将来性があるかどうか?」を見極めることができますので、おすすめです。
5 評価制度が割に合わないとき
評価制度とは、昇給・昇進のために全社員に向けて業績や成績を評価するための仕組みのことです。
あなた自身が頑張っている、成果を出しているのにもかかわらず、それに報いるような昇給額ではないと感じる場合も、「転職をしたい」「仕事を辞めたい」と思う原因になります。
評価制度が割に合わないと感じるキッカケ
- 同僚・上司に明らかにサボっている人がいる。
- 真面目な努力が報われない職場の雰囲気である。
- 成果を出しているのに給料に反映されない。
- 将来的に昇進できる可能性が少ない。
評価制度が割に合わないことを理由に辞めるメリット
評価制度が割に合わないと感じているということは、あなたの能力やスキルを最大限活かしても、それが報酬(給料)に反映されていないと感じる事実があるのではないでしょうか。
特に、すでに管理職級のポストについている人で、このような悩みを抱く方は多いです。
管理職など役職についている人は、ほかの企業ではもっと優遇されるチャンスがあります。そのため、年収アップ転職をおこなうことには大きなメリットがあるでしょう。
評価制度が割に合わないことを理由に辞めるデメリット
評価制度が割に合わないと感じる場合でも、「本当に割に合わないのか?」が冷静に分析できてないと、転職に失敗する可能性があります。
具体的には、「自分では努力しているつもりだけど、売上の増加にはつながっていない」のような「自分は努力しているつもりだけど…」という感覚を持っていると、転職に失敗することがあります。
そういう人は、自身の能力以上に自分を過大評価してしまうことが多いです。そのため、自分の市場価値(企業にとって即戦力となる人材かどうか)を客観的に見ることが大切です。
自分の市場価値を測るのは簡単なことではありませんが、一度転職サイトの同業種の求人を10社〜20社ほど探してみて、給料の平均額を計算してみると良いでしょう。
そうすることで、「希望する条件の求人が見つからない」というケースを防ぐことができます。
6 社風や職場の雰囲気が自分に合わないとき
社風や職場の雰囲気が自分に合わないと感じているときも、仕事を辞めたいと思う原因になります。
入社したての頃は、初めてのことばかりで人間関係や職場の雰囲気に対して慎重になりますから、「自分に合わない」と感じることはあまりありません。
しかし、ある程度働いてみると、自分とは性格が合わない上司や同僚、会社の社風や雰囲気などに悩むことが多いです。
雰囲気は感情的な話ですが、一方で長くはたらくためには欠かせない要素です。
社風や職場の雰囲気が自分に合わないと感じるキッカケ
- 同僚・上司の仕事の仕方が気に食わない。
- 接待やご機嫌取りばかりの仕事内容である。
- ブラック企業のような精神論が多い。
- 働いている人はまともだが、全体的な雰囲気にストレスを感じる。
- ビジョンや経営理念に違和感がある。
社風や職場の雰囲気が自分に合わないと感じて辞めるメリット
社風や職場の雰囲気が自分に合わないと感じるのは、世の中の多くの社会人が感じている悩みであるといえます。しかし、それを理由にして転職する人はあまりいません。
ほとんどの場合は、「自分が悪いんだ」「自分に責任がある」と考えてしまい、精神的なストレスを抱えてしまいます。
そうなってからでは回復することに時間がかかりますし、場合によってはうつ病などの精神的な病にかかってしまう可能性もあります。
社風や職場の雰囲気は、長くはたらくために重要な要素。
気持ちよく働きたいと考えている方が社風や雰囲気を理由に仕事を辞めることには大きなメリットがあるでしょう。
社風や職場の雰囲気が自分に合わないと感じて辞めるデメリット
社風や職場の雰囲気を理由にして仕事を辞めること自体にデメリットはありません。
しかし、転職先でも同じような悩みを持ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、「自分に合わないと感じる原因がどんな部分にあるのか?」を、今働いている職場の状況を見て調べてみることです。
たとえば、下記のように箇条書きで書き出してみましょう。
- 課長の〇〇さんの仕事の指示があいまいである。
- 目標数値に届かない場合、社内がピリピリしている。
- 社是や社訓が精神論で、月末にみんなが焦っている。
- 「残業は当たり前」という空気になっている。
このように、あなたが感じている職場の雰囲気の悪い部分を明らかにすることで、次の職場を探すためのヒントを見つけることができます。
上記のような雰囲気を持つ会社に入らないようにするためには、転職エージェントを活用したり、企業クチコミサイトで働いている人の評判を見る…といったやり方があります。
ただ、匿名掲示板ではいわれのないことを書き込む人もいるため、うのみにするのはNGです。あくまでも参考程度にして、実際の情報はエージェントを活用することをおすすめします。
ここまで、あなたがなぜ職場をやめるべきなのか、その自己分析のための内容をご紹介してきました。
どんな理由であっても、あなた自身が「辞めたい」と思うのであればそれは性格の選択肢です。なかには、「そんな理由で辞めてもどうせ後悔するよ」と言ってくる人もいるかと思います。
しかし、転職活動自体に成功することができれば、後悔することはありません。
転職活動をスムーズに進めるための知識を学べば良いのです。
具体的な転職活動方法についてはこの記事でも解説していきますが、その前に、世の中の転職者がどのような理由で退職を決めているのかをざっくり見ていきましょう。