これから転職活動を始めたいと考えるときに一番不安・心配になるのは「希望する条件の転職先が見つかるのだろうか?」という”転職先探しの悩み”ではないでしょうか。
売り手市場とはいえ、自分のいる業界や転職したい業界で上手く転職先を見つけることができるかどうかは、大きな不安の種ですよね。
しかし、転職活動では転職先探しだけではなく、ほかにも大切なことがあります。
それは、具体的な転職活動の方法や、必要書類などの基礎知識です。転職先が見つけられるとしても、必要な書類や転職活動の進め方を知らないと、準備不足で転職に失敗してしまう可能性があるのです。
そこで今回は、転職活動のやり方や必要な期間、そして面接や退職・転職に必要な書類の準備方法まで、転職活動にまつわる基礎知識をすべてご紹介していきます。
この記事を読むだけで、すぐに転職活動を始めることができるでしょう。これから転職を検討している方は、ぜひ参考にして頂き、転職活動を成功させてください。
転職活動にはいろいろやることがあるが、いちばん大切なのはなんじゃと思う??
そういうのいいから…はやく教えてくれよ!!!
はじめに|転職活動は「必要なことをすべておさえること」がカギ
転職を始めるというと、真っ先に気になるのは「どうやったらうまくいくか?」ということじゃろ。
じゃが、偶然うまくいくことはない!
事前準備と転職の知識を身につけることがイチバンの成功方法なんじゃよ。
「面接で上手く話せる」とかではなくて、もっと深い知識が必要なんだね。。。
転職活動を成功させるためには、何が必要なのでしょうか?
一般的に、転職に成功するための方法としては、下記のようなポイントをイメージするはずです。
- 偶然良い条件の求人が見つかった
- やる気・モチベーションがあった
- 能力が高かった
- 面接が上手くいった
- 時期が良かった
確かに、転職を成功させる確率を少しでも上げようとするのであれば、面接を上手く切り抜けたり、適切な時期の転職を目指したりすることも大切です。
しかし、本当に必要なのは、能力でもモチベーションでも、時期でもなく「準備と知識」なのです。
逆に言えば、事前準備と転職の基礎知識を知っておけば、余計なことに悩むことなく、スムーズに転職活動を進めることができます。
今回の記事では、事前準備から転職計画の立て方、企業選び、面接対策、さらには必要書類まで1記事でご紹介しています。
「何から調べれば良いかわからない人」は、まずこの記事をゆっくり読んでみてくださいね。
必ず、転職活動の流れをつかむことができるでしょう。
転職活動を始める前の準備|動き出すより先にやるべきことは?
転職活動は、突然「やるぞ!」と始めるものではなく、事前にやるべき準備があるんじゃ。
もちろん、転職先候補が決まっていようとなかろうと、最初に取りかかることじゃ。
うーん、そうか。
早く転職先探して応募することが大事だと思ってたよ。
転職活動をいざ始めるにあたっては、まず最初に必ずおさえておくべきことや準備があります。
「何となく転職したい!」という人はいないと思いますが、きちんと準備することを踏まえられているかどうかあやふやなまま、転職先を探してしまう人も多いです。
具体的な転職方法や必要書類についてみていく前に、転職活動の準備をしていきましょう。
1 転職活動を在職中にやるか退職後にやるかを決める
転職活動を始める前に最初に決めるべきことは、在職中に転職活動をするのか、退職後に転職活動をするのかということです。
それぞれの方法のメリット・デメリットを整理してみましょう。
在職中に転職活動をするメリット・デメリット
■メリット
- 安定した収入があること
- 精神的な余裕があるため、慎重に転職活動ができる
- 離職期間がない(すぐ転職するため空白期間ができない)
■デメリット
- 仕事が忙しく、転職活動に専念しづらい
- 一人で転職活動をするのが大変
- 職場の同僚や上司に説明できないことが多い
退職後に転職活動をするメリット・デメリット
■メリット
- ゆっくりする時間を取ることができる
- 面接で「すでに退職している」と伝えることができる
- 焦りがあるため、転職活動のモチベーションが上がる
■デメリット
- 退職しているため貯蓄がないとやりづらい
- 精神的にストレスが溜まったり、焦ることがある
- 妥協して転職先を選んでしまう危険性がある
在職中に転職活動をおこなうことのメリットは、経済的にも社会的にも空白期間がなくなり、安定して次の仕事を始めることができる点にあります。
一方、離職してからの転職活動のメリットは、心身ともにリフレッシュしたり、一度意図的に空白期間を作ったりすることで、ゆとりを持った転職活動をすることができる点にあります。
どちらの場合も、転職活動でやるべきことは変わりませんが、自分に合った方法で転職活動のやり方を決めておくことが最初に必要です。
2 退社・入社の手続きを知っておく
退職し、次の会社に入社するにあたっては、雇用契約や社会保険、仕事で使っていた備品の返却以外にも様々な提出書類があります。
よって、転職活動前にどのような退社・入社の手続きが必要なのかは必ずおさえておきましょう。
退職手続きから入社手続きまでの流れは、大きく分けて下記の通りです。
■退職手続き/入社手続きに必要なもの・流れ
- 退職した企業から入社する企業へ発行する書類・証明書類
- 個人で手続き・届け出が必要な税金、生命保険、クレジットカードなどの情報管理
- その他、会社で使っていた備品・制服などの返却
ほとんどの場合、前職や次の転職先企業、そして転職エージェントなど、手続きをサポートしてくれる窓口はたくさんありますので、分からないことは現場で直接質問できる窓口や担当者に聞くことを心がけましょう。
入社直前のトラブルは印象としても良くないので、スムーズに転職できるよう準備しておきましょう。
3 自己分析(キャリアの棚卸し)をおこなう
自己分析(キャリアの棚卸し)を就職活動でやった人も多いと思いますが、転職活動でも自己分析が大切になってきます。
一度業界・企業内で働くことを経験しているあなたが、どのような強みやスキル、職務経験を持っているのかを整理することで、面接官に伝わる自己PRや志望動機に繋げることができます。
自己分析は、大きく分けて4つの軸からおこなえます。
それぞれの軸に照らし合わせて、自己分析をしてみましょう。
自己分析の4つの軸
- キャリアの振り返り
→前職までの仕事内容・やる気が高かった時期と低かった時期・身につけたスキルを書き出す - 「Will(したいこと)」の自己分析
→これからやりたい仕事や就きたい役職などの「自分の希望」を書き出す - 「Can(できること)」の自己分析
→「自分ができること」「得意なこと」「身についていること」を書き出す - 「Must(やるべきこと・企業が求めること)」の自己分析
→「あなたが転職先でやるべきこと」「これから努力していきたいこと」を書き出す
ただし、これらの方法は自己分析のひとつの手法でしかなく、もっと分かりやすく自己分析ができるのであれば、決して4つの軸にとらわれるべきではありません。
もし上記の手法でうまく書き出せない場合は、下記記事もぜひ参考にしてみましょう。より分かりやすく自己分析(キャリアの棚卸し)ができるような内容になっています。
おすすめ記事:転職活動に必須の「キャリアの棚卸し」とは?
4 転職する業界・企業の情報収集をおこなう
転職先として選ぶ業界や企業の情報収集をおこなうことは、実際に転職活動を行う際の良い判断材料になります。
たとえば、「この業界はブラック企業が多い」ということがわかれば、給与条件や労働環境などを細かく調べた上で転職活動を進めることができます。
業界・企業の情報収集をおこなう方法は下記の通りです。
業界・企業の情報収集の方法
- 志望する業界の企業が掲載されているビジネス雑誌やビジネスニュースを読む
- 「会社四季報」で公に出ている企業情報を調べる
- 業界の動向や裏事情、会社の事情は「転職エージェント」で調べる
- 求人情報の「募集要項」「求める人材像」を調べる
- 志望する企業のWebページや事業HPをくまなく読み込む
- 企業口コミサービスで働いている人の評判をみる
業界研究・企業研究は、ほとんどの場合ひとつひとつできるものではなく、一緒にやったほうが効果があります。
たとえば、面接で志望先企業の事業の将来性を語ったり、魅力を伝えたりするとき、業界情報を少しでも話せたほうが、アピールに繋がるでしょう。
特に、転職エージェントから業界動向や企業の特徴を教えてもらうことは、現場に即した生情報を知ることができるため、おすすめです。
5 転職活動自体の流れを知っておく
転職活動を始める前に「転職活動の流れ」を知ることが最も大切です。一度、全体を通して観ることは、仕事に限らず様々なことで重要ですよね。
後ほどひとつひとつ説明していきますが、ざっと眺めるだけでも転職活動には下記のような流れがあります。
転職活動のおおよその流れ
- 転職準備をおこなう(今この段階)
- 転職活動の計画・目標を決める
- 活用する転職サイト・エージェントを決める
- 転職先を探す
- 選考書類の準備と提出
- 面接対策
- 面接(複数社に応募することも多い)
- 内定の合否
- 内定後、退職手続きと入社日決定
- 今の会社で退職手続きを開始する
- 入社日に必要書類を提出し転職完了
特に、青文字で書かれているポイントに関しては、転職者にとって大きな不安を抱くポイントなので、具体的な準備と対策が必要です。
とりあえず、今の段階ではこの流れがあることをおさえておきましょう。また、順番は人によって異なるケースも多いですので、必ずこの順番で転職活動が進むわけではないことに注意です。
6 活用する転職サイト・転職エージェントを選ぶ
今この記事を読んでいる人は、何らかの転職サイト・転職エージェントを使って転職先を探そうとしている方が多いのではないでしょうか?
転職サイトは、業界・地域ごとに豊富な求人が掲載されており、地域や年代、業界別に特化したサイトも多いです。
一方、転職エージェントでは非公開求人と呼ばれる良質な求人を豊富に持っているほか、転職相談や面接対策をサポートしてくれます。
どちらの場合も、求人情報誌やハローワークを利用するよりも豊富な求人数がありますし、大手転職サイトや評判の良い転職サービスを使えば、良質で希望条件に合う転職先を見つけられる確率が大幅にアップします。
しかし、転職サイト・エージェントにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
転職サイトのメリット・デメリット
■メリット
- 業界別・地域別・年代別で様々な転職サイトがある
- 自分のペースで求人を探すことができる
- 転職エージェントよりも掲載している求人が豊富
■デメリット
- 転職サイトは転職者をサポートするシステムがない
- ピンからキリまで求人の質に差がある
- 条件に合った求人を見つけるまでに時間がかかる
転職エージェントのメリット・デメリット
■メリット
- 業界に詳しいアドバイザー(エージェント)が転職相談にのってくれる
- 自分に合った求人や希望条件求人を見つけて紹介してくれる(業界に特化したものもある)
- 面接対策や給与交渉などを代行してくれる
■デメリット
- 自分のペースで求人を探すことができない
- 担当してくれるエージェントの対応の質に差がある
- 連絡がこまめにくるため、本気で転職したくない人に合わない
転職サイトは、自分のペースで大量の求人を探すことができることが最大の魅力ですが、すべて自分一人で転職活動を進める必要があります。
一方、転職エージェントでは、求人は紹介してもらうしかないものの、自分に合った条件の求人を紹介してくれる点が魅力です。また、面接の日程調整なども代わりにおこなってくれます。
転職サイトとエージェントどちらも登録することや、転職エージェントを複数活用することは、転職成功の確率の大幅アップに繋がるデータがあります。
「自分に合いそう」と思った転職サービスには登録だけでもしておくことをおすすめします。
転職活動にかかる期間を知ろう|期間・計画・予定の立て方
転職活動は、スピードが命じゃ!
…とはいうものの、半年ほど慎重に転職先を選ぶ人もおるから、あまり焦る必要はない。
自分のペースで妥協せず転職先を探せるかは「期間」「計画」にかかっているんじゃ。
「とにかく急いで転職する!」ではなくて
細かく計画を立てることが大事なんだね。
転職活動を始める前に考えておくべきことや決めておくことを準備段階とするなら、ここからは実際に転職活動を始める最初のステップになります。
転職活動を始めるには、準備をした後に「具体的な計画」を立てていくことが大切。
ここでは、転職活動の期間や転職のタイミングを知り、転職活動のスタートダッシュをスムーズにおこなえるようにしていきましょう。
1 転職活動期間の目安は「3ヶ月〜6ヶ月」
在職中の転職では、転職先を選び内定をもらうまでに経済的・精神的余裕が出るため、理由がない限りは「在職中の転職活動」がイチバン良い方法です。
また、転職活動期間の目安は「3ヶ月〜6ヶ月」が一般的ですが、中には3ヶ月〜4ヶ月とされている場合もあります。
なぜ期間が短い場合があるのかというと、転職活動は「長引けば長引くほどよくない」と言われているからなのです。
確かに、長引いて転職のモチベーションが下がってしまうことは避けるべきですが、一方で「妥協して転職先を選ぶ」ことも絶対に避けなければいけません。
転職成功者の事例をうのみにせず、自分で立てた計画に沿って転職活動を進めることを強くおすすめします。
2 「入社からの逆算スケジュール」で計画を立てる
転職し入社したい時期から逆算して予定を立てることで、予想以上に転職活動が長引いたときや、しなければいけないことが数多く出てきたときにすぐ修正することができます。
逆算スケジュールを立てずに転職を成功させる人も多いため、必須条件ではありませんが、転職するまでの時期や期間、そして計画を綿密に立てるためには、ゴールから逆算して考えることがベスト。
逆算スケジュールを立てる方法は、下記のとおりです。
逆算スケジュールを立てる方法
1 転職予定日を決める
最初に決めることは、転職活動の最後である「転職予定日(転職先への入社日)」です。
「○月○日まで」と明確にする必要はありません。
「半年後に入社」「新年度から」などの区切りで決めても良いですし、「○歳までに転職」というゴール設定でも良いでしょう。
内定が出てから入社までには1ヶ月〜2ヶ月ほど待ってもらうことができます。
よって、たとえば半年後に転職したいのであれば、4ヶ月後までに内定をもらう必要があることが分かります。(その間に退職手続きをする必要があります。)
入社という最終ゴールを定めることで、2〜4以降のスケジュールを立てることができるので、まずは最終目標である転職予定日を決めましょう。
2 退職予定日を決める
次におこなうのが、「退職予定日」を決めること。つまり、今の会社を退職するタイミングを決めるということになります。
退職のタイミングは「円満に退職する」ことができるかどうかに密接に関わってきますので注意が必要です。
たとえば、半年後に転職するなら、内定をもらうのは4ヶ月後。ということは、内定をもらってから入社までの「2ヶ月」で退職の手続きをする必要があります。
退職時にあなたがやらなければいけないのは、下記のポイントです。
■退職時にやるべきこと
- ボーナスを貰える時期はいつか?
→時期が近いならボーナス受け取り後の転職が良い - 有給休暇はどのくらいあるか?
→転職活動で休暇を利用すると効率的。 - 今の会社の繁忙期を避けて転職活動をする
→迷惑をかけずに退職するため - 就業規則で決まっている退職希望時期(通常は1ヶ月前)を調べる
→転職希望を伝えるべき時期は会社によって決まっているから - 業務の引き継ぎを同僚や上司と相談する(内定出た後でも可だが早めに!)
→円滑に自分の仕事を後任者に受け継ぐ準備をしておくこと
退職予定日を決めるためには、通常1ヶ月前に会社側に退職意思を伝える必要があります。退職希望を伝えるスケジュールは、内定をもらう直後の勤務日に設定し、できるだけ早く伝えましょう。
3 求人応募を始めるタイミングを決める
退職予定日まで決めたら、次におこなうべきは「求人に応募するタイミング」です。
求人応募してから、実際に内定が出るまでには、おおよそ次のような時間が必要になります。
■求人応募から内定が出るまでの時間
- 求人応募(内定が欲しい時期から最低1ヶ月前までに)
- 一次選考(書類選考)は1週間以内に行われる
- 二次選考(面接)は応募から1週間〜2週間
- 内定
企業により対応やスピードが異なるものの、ほとんどの場合応募から約1ヶ月で内定の合否が決まります。
たとえば、半年後に転職したい人が内定をもらうべきなのは4ヶ月後。その間に退職手続きをして残り2ヶ月の間に転職し入社しますので、求人の応募は3ヶ月後までにする必要がありますね。
4 転職活動を始める前の準備をおこなうタイミングを決める
転職活動を始める前の準備は、前の項目でご紹介した準備のこと。実際に求人へ応募する3ヶ月後より前に、転職準備に時間を確保する必要があるでしょう。
もちろん、準備期間は人それぞれ。必ず2ヶ月間自己分析をしなければいけないわけではないのですが、準備として解説した内容のものはすべて実践しましょう。
また、面接日程が決まってから志望動機や自己PRを考えるのでは遅い場合があります。準備期間では、面接対策もやっておくことをおすすめします。
3 急な面接・日程調整の対策
予定を組んでいても、突然日程が変わることはけっこうあります。特に、在職しながら転職活動をしていく際には、スケジュールがきついことも多くなります。
特に多いのが、下記のようなスケジュールの悩みです。
- 一次選考を通過した企業から急に日程を告げられた。
- WEB応募した企業から紙の履歴書を送るように告げられた。
- 証明写真が必要なときにない。
- 面接時に着用するスーツの準備をまだしていなかった。
- 面接対策をしていない。
面接対策は、前々から準備をしておけば問題がありませんが、「いつでもできるから」と後回しにしてしまいがちなのが、当日持参する書類や写真、着用するスーツなどのアイテム。
転職活動で余裕がある時期は、転職活動の最初の2ヶ月ほど。
情報収集をしながら、面接などで必要なものを早めにそろえておきましょう。
転職したいんだけど、新卒入社だから転職なんてしたことなかったし…
転職活動って何から始めればいいか、全然わかんないんだけど…💧