部下との関係が悪化しているのは分かっているけど、どうやって改善したら良いのか分からない…そういう悩みを抱えている管理職クラスの方は多いのではないでしょうか?
特に、年齢が離れている若手社員を教育する立場にある管理職の方は、業務の中でそのような課題にぶつかることがとても多いです。
ただ、部下のことを考えるあまり、どうしても自分自身のパフォーマンスや、外部環境による部下と上司の関係性の悪化に気づくことができていない場合があります。
部下と上司(自分)の関係性が悪いのであれば、自分で改善できることとそうでないことを明確にわけて考えることが大切です。
そこで今回は、若手社員のマネジメントに悩む管理職の方向けに、部下と上司の関係性が悪くなってしまう原因や、部下から観て評価の低い上司の特徴、そして部下との関係性を良くするための方法を解説していきます。
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部下との関係が悪くなる一方…原因はどこにあるのか?
部下との関係が悪いと感じると悩む管理職はとても多いです。また、コーチング分野の調査によると、各国に比べて日本は上司と部下の関係の良好度が著しく悪いことが知られています。
そこでここでは、「なぜ部下と上司の関係性が悪くなるのか?」その根本的な原因を、多くの管理職の悩みから抽出して解説していきます。
1 若い世代との価値観にギャップがある
団塊世代、団塊ジュニア世代、ゆとり世代…などなど、それぞれの世代の価値観とその違いを表す言葉は世の中に溢れています。
そして、それは単なる感情的な違いだけではなく、仕事の関係性においても大きな溝を作る原因になります。
世代間の価値観の違いは、個人の仕事とプライベート、趣味趣向など様々な原因が寄り集まって出来上がっていくものです。
そのため、あなた一人では解決できない課題が生まれていきます。
管理職の方にできることは、その溝を認識したうえで、溝にはまらない工夫をすることと言えるでしょう。
2 自分の時代と若い世代で仕事に対する考え方が違う
世代の価値観の違いは、そのまま仕事のコミュニケーションに大きな影を落とします。
「あいつは何も分かっていない」と言いたい気持ちをぐっとおさえて若い世代と付き合っているあなたも、仕事に対する向き合い方が部下と自分とでかなりギャップがあることを感じているのではないでしょうか?
世代間ギャップのうち、最も生活に直結するのは仕事ですが、社会情勢や文化を含めた要因が絡んでくるため、部下の仕事に対する考え方をあなた一人で改めさせることは難しいです。
3 「叩いて伸ばす式」の教育の弊害
現在30代〜40代で管理職として活躍している方の中には、「叩いて伸ばす式」の社内教育を受けた人が多いのではないでしょうか。いわゆる「叩き上げ」というものです。
下積み時代が合ったからこそ今がある。それは事実ですが、若い世代ではそれが経験上理解できず、世代間ギャップも相まってお互いの間に暗い影を落としてしまう原因になってしまいます。
4 仕事以外でのコミュニケーションの難しさ/不足
仕事以外の話題について若い世代とコミュニケーションを取ることは、正直とてもむずかしい話だと思います。
しかし、信頼関係を結んだ上で仕事をすることは前提条件なので、仕事以外でも積極的に部下とコミュニケーションを取ろうとしている方は多いはず。
ただ、それが功を奏するかどうかは別の話。場合によっては、余計に部下との関係性が悪化してしまう可能性もあるため、下手な行動に出れないと感じている方も多いでしょう。
5 「上司と部下の関係における良好度」の調査は元々悪い結果
先ほども少し触れましたが、「上司と部下の関係における良好度」は、ほかの国々に比べて日本はかなり低いことが分かっています。
各国に比べて、日本は上司と部下の「会話の充足度」「関係の良好度」のどちらもが低いという結果です。
日本の企業で働く部下の多くは「上司との会話が不十分」で「上司との関係性は良くない」と感じているということになります。
引用:部下のやる気をそぐ「残念」な行動 – Hello,Coaching!
特に、部下の多くは「上司との会話が不十分」かつ「上司との関係性はよくない」と感じていることが判明しています。
この課題を解決するためには、会話をもっと積極的におこなうことが思い浮かびます。しかし一方で、そのやり方がわからないという方も多いでしょう。
ここまで、部下との関係性が悪くなってしまう根本的な原因について観ていきました。部下も上司であるあなたも、共通する悩みを抱えつつ、それが解決できない思いをしている点では同じ。
しかし、一方で権限が強いのは当然上司ですから、部下へ歩み寄るのはあなたが担う役割なのです。
そこで次に、部下と上手く接することができない上司の特徴を紹介していきます。
部下と上手く接することができない上司(管理職)の特徴
ここでは、部下と上手に関係性を作っていくことができていない上司(管理職)の特徴をご紹介していきます。
あなたに当てはまるわけではないかもしれませんが、一度自分を客観的に観たうえで、「改善できることはないか?」とクリティカルに見ていくことが大切になります。
1 仕事を部下に任せるのが上手くない
「仕事を部下に任せるのが上手くない」というのは、上司としての評判を著しく下げる原因になります。
仕事を任せる方法は、様々なビジネス書・自己啓発本で紹介されているので学ぶことはできますが、実践するのは一苦労です。
結局、自己流で仕事を依頼してしまい、知らずしらずのうちに「嫌な上司」になってしまっていた…ということもあり得ます。
2 部下の成長を無意識に恐れてしまっている
部下が成長することを無意識に恐れてしまっていることも、上司と部下の関係性を悪くする原因になります。
本来、同じ部署のメンバー、プロジェクトのメンバーとしてともに意思疎通を取らなければならないのにも関わらず、いつの間にか部下の成長に焦りを感じているパターンです。
特に、優秀な部下を持った上司の方で、そういったケースに陥ってしまう場合があります。
3 部下の能力を信用していない
部下の能力を信用しておらず、基本的に末端の仕事しか任せなかったり、リスクのある決定を部下に任せることができなかったりする管理職の方もいます。
あなたも、上司に直談判して却下されてしまったアイディアや意見があるのではないでしょうか? もちろん、上司からフィードバックをもらったり、反対意見を受け取ることは成長機会になります。
ただし、上司・管理職はいつでも、部下より権限と権威があることを忘れてはなりません。
信用をこちらからしてあげなければ、部下からも信用されることはないでしょう。
4 一人で仕事をこなす職人タイプ
部下の能力を信用していないだけではなく、「一人で仕事をする職人タイプ」の方が昇進してマネジメントを担うようになった場合や、プレイヤーとして優秀な社員だった場合には、部下に上手く仕事を任せることができないという状況が発生していまいます。
プレイングマネージャーという役割がありますが、これはプレイヤーとしても管理職としても優秀でなければならず、かなり高いスキルが求められるものです。
5 楽をしたいと考えている
一人で仕事をこなすほうが”楽”と考えている場合もあります。
この場合、部下からはその真意が何となく伝わったり、組織・チームのバランスが悪くなり、部下から不評を買ってしまいます。
部下に仕事を任せるのにはリスクが伴います。明文化されていないノウハウを共有するのにも時間がかかりますし、万が一問題が発生した場合、その責任を負うとともにアフターフォローに時間を取られてしまいます。
しかし、あなたも過去に仕事を任せられることで今の地位・役割を担っているはず。
そうであれば、部下にも同じように仕事をおろしていくことが求められます。
6 人前で部下を叱る/批判する
「効果がある」と思い込み、部下を人前で叱ったり、批判したりすることはNGです。
特に、若い世代は公衆の面前で自尊心を傷つけられるのを極端に嫌うと言われています。
また、ロジカルに考えた場合も、指摘やフィードバックを人前でおこなうことに意味がありません。
むしろ、パフォーマンスの低下につながるため、避けたほうが良いです。
7 必要な情報を与えず部下に仕事を全部投げる
仕事をおろす努力をしていても、業務遂行のために必要な情報を与えるのは上司の役割です。
特に、マニュアル化されていないフローがある場合はそれが重要になってきます。(プロジェクト関係者の情報やKPIなどの情報)
情報共有をおろそかにしていると、部下とあなたとの間に情報格差が生まれ、認識のズレが起きてきます。それがキッカケでミスや失敗が発生し、あなたも部下も不利益を被ることに繋がります。
8 口先だけで行動しない(と思われている)
口先だけで行動しないかどうかは、あなた自身が一番良く分かっているはず。そして、ほとんどの方は「口先で言ったことはなんとしてでもやり遂げなければ!」と感じるでしょう。
しかし、あなたが実際に行動しているかどうかと、部下に「口先だけで行動しない」と思われているかどうかは別の話。
あなたが業務を着実に遂行し有言実行していても、それが部下に共有されていなければ同じことです。
9 責任逃れが目に見えている
責任逃れが目に見えている場合も、部下からの信用を一気に失う原因になります。
特に問題なのは、責任の所在をうやむやにしたり、中途半端な対応を部下に対してしてしまうときです。
あなたはささいなことだと感じていても、部下にとっては重要な問題であることは多いものです。
10 無理やりコミュニケーションを取ろうとする
世代間ギャップを埋める目的や、仕事における認識のズレを修正するために、コミュニケーションを積極的に取ることはとても重要です。
しかし一方で、無理やりコミュニケーションを取ろうとするのは問題になります。
上司は部下よりも立場が上です。そのため、たとえば終業後の飲み会の誘いなどは断りにくいのです。
あなたは「断ってもらってもかまわない」と感じていても、部下からすれば断るのは不可能に近いです。
ここまで、「部下と上手く接することができない上司(管理職)の特徴」を見てきました。自分自身に当てはまると感じたものは合ったでしょうか?
ご自身を客観視したうえで対策を練っていくことが重要になるので、仕事の仕方やマネジメント手法を見直したいときのチェックリストとして活用してください。
次は、部下と関係性を良くするための接し方や、マネジメントのコツを見ていきます。
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