ゼネラルマネージャー(GM)とは?仕事内容と職位・役職の定義

ゼネラルマネージャー(GM)とは?役職の定義と仕事内容を解説
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「ゼネラルマネージャー(General Manager)」とは、どのような役割を持つ立場なのでしょうか?

何となく通常の管理職よりも上であることはイメージできますが、どんな役職であり、どんな仕事内容なのかを知っている方は少ないと思います。

そこで今回は、「ゼネラルマネージャー」とはどんな意味を持つ役職なのか、仕事内容はどのようなものなのかについて詳しく解説していきます。

ビジネス用語のひとつとして、「ゼネラルマネージャー」の肩書の意味をよく理解しておきましょう。ビジネスシーンでも役立つタイミングがあるかもしれませんよ。

「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。

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2017.12.25

「ゼネラルマネージャー(General Manager)」の意味・役割とは?

「ゼネラルマネージャー(General Manager)」の意味・役割とは?

「ゼネラルマネージャー」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか?

ここでは、ゼネラルマネージャーの本来の意味から解説していき、ビジネスシーンにおけるゼネラルマネージャーの定義までご紹介していきます。

「ゼネラルマネージャー(GM)」の本来の意味・定義

ゼネラルマネージャー(英: General manager、略語:GM)は英連邦諸国や米国の企業・団体で広く用いられる役職の一つであり、自身の配下にある組織に対して決定権を持つ役職である。

引用:ゼネラルマネージャー – Wikipedia

ゼネラルマネージャー(GM)とは、企業や団体の管理職の呼び方のひとつです。一般的な管理職であるマネージャーの上位のマネージャーで、ミドル〜トップマネジメントをおこないます。

基本的には米国型企業で用いられる役職でしたが、日本企業でも経営者である社長(CEO、代表取締役社長)が同じような役割を担っていることがあります。

日本企業の役職である「係長」「課長」「部長」と比べるとそのさらにうえの上流過程のマネジメントを担う役職で、会社の経営企画の決定権を保つ場合が多いです。

また、ゼネラルマネージャーは企業組織だけに当てはまる役職ではありません。米国やヨーロッパでは野球、サッカー、バスケ、ホッケーなどのチーム運営のマネージャーとして「ゼネラルマネージャー」が存在しています。

スポーツチームであっても人材のマネジメントやマーケティング施策の実行、選手との契約などで責任を負う立場が必要です。日本においても、サッカーや野球などでゼネラルマネージャーが存在します。

シニアマネージャーとゼネラルマネージャーの違い

シニアマネージャーとは、「上級マネージャー」「上席マネージャー」を意味する職位です。日本企業の役職では課長よりも上位である「次長」「副部長」などが該当します。

主に、部長クラス、ゼネラルマネージャークラスの業務サポートをおこなう役職であり、組織におけるNo.1をゼネラルマネージャーとたとえるならば、シニアマネージャーはNo.2の役割を担います。

米国でのGMと日本でのGMの違い

ゼネラルマネージャーは、もともと米国や英国で用いられている職種です。損益への責任や経営に関する意思決定権があり、会社役員などのことを指します。

一方で、日本においては課長や部長職より上の土地締まり役や事業責任者、経営企画の人材にだけ該当します。

基本的には社長や取締役だけに当てはまるので、米国のゼネラルマネージャーの定義とはかけ離れていることも多いです。

たとえば、米国のゼネラルマネージャーは損益責任(売上や営業利益率など)に責任を持ち、経営の意思決定権もある程度持っている役職が一般的です。

つまり、日本の企業の課長クラスにあたる人物が、全社的な経営に関する決定権を持つ場合もあります。

ただし、米国企業は日本企業と組織形態がかなり違う部分がほかにもあります。そのため、一概に比較することはあまり意味がありません。

企業や業界ごとの組織構造によってゼネラルマネージャーの役割が異なるため、外資系企業と取引をする場合などには実質的な権限がどの程度まであるのかをチェックすることが必要でしょう。

「ゼネラルマネージャー(GM)」の役割と仕事内容

ゼネラルマネージャーの定義や役割は、日本企業にとってあまり馴染みのあるものではありません。

しかし、ハーバード大学のアンドール・E・ピアソン教授の論文「ゼネラルマネージャーのための6つの基本(原題:Six basic for general managers)」によると、GMの役割には6つの要素があることが説明されています。

  1. 戦略ビジョンの策定
  2. マーシャリングリソース(資源の動員・配分)
  3. 人材開発
  4. 組織作り
  5. 企業文化の形成
  6. 業務活動の監督

ここでは、6つの役割それぞれについて解説していきます。

1 戦略ビジョンの策定

企業経営における経営戦略や企業方針を策定することがGMの役割のひとつです。短期的な目線だけではなく、中期〜長期に渡って自社がどんな事業戦略を実行していくかを策定します。

また、その戦略を実行していく中で仮説として考えられるリスクや効果、目的を明確にすることや、下部組織に計画が実行できるように細かな計画に落とし込む作業が必要になります。

2 マーシャリングリソース(資源の動員・配分)

策定した戦略を実行に移すためには、企業の様々な部署に対して、それぞれの業務にあたる人員の配分や予算の確保を行う必要があります。

また、そもそも人員と予算を確保するためには、経営者の承認が必要です。そのため、戦略の策定はかなり細かく行わなければなりません。

ただし、企業ビジョンや経営方針・システムによって、どの役職者が予算を決定しうるのか、またその意思決定のスピードはどのくらいになるのかは異なります。

一般に大企業であればるほど資源配分は慎重になるため、新規事業開発を行う場合は特に、時間と資源が必要になります。

3 人材開発

人事権を行使するのもGMの役割です。人材を「採用→育成」していく役割とともに、自社に合わない社員の解雇をおこないます。

日本企業では人事権を発動するのは「人事部(HR部門)」です。一方、米国では部下を確保する権限が与えられていることも多いため、マネジメント能力がかなり求められます。

4 組織作り

3で解説したように、米国におけるGMは自分自身で業務の配分を行なったうえで、自分自身で必要な人材を採用し育成する必要があります。

また、大規模な新規事業開発ではそういった人材を何人も採用したうえで、一人ひとりの人材が適切な成果を出せるような組織を作っていくことが求められます。

また、新規事業開発では常に組織で必要な人材が不足します。そのため、自分ひとりで人材を育成せずとも組織が回り続けるように、経験者採用や能力開発が不可欠になります。

5 企業文化の形成

1では戦略ビジョンの策定をおこない、それにそって事業が進むように様々な戦略・戦術を実行していくことが求められます。

しかし、そのためにはただ組織に人材がいる事実だけでは不足します。戦略実行が滞り無く進むように、自分の元で働く人材の意識を統括するための企業文化が必要になります。

たとえば、失敗を恐れずチャレンジできる文化形成や、自由な発送を歓迎できる風土などは、日々成果を上げるために必要な職場環境になります。

6 業務活動の監督

戦略が実際に実行され、計画通りに物事が進んでいるかを知るためには、業務活動を監督する必要があります。たとえば、進捗管理や日報といったシステムは、日本企業にもありますよね。

そのため、日本企業の管理職に最も近い業務が、6つ目の「業務活動の監督」になります。

進捗を管理し問題が発生すればやり方を変えたり、計画そのものを見直す意思決定スピードが求められます。

米国では損益にも責任を大きく負うため、つぶさに非生産的な活動は取りやめ、戦略通りに物事が進むよう計画を立て直す必要が出てきます。

参考:東経連ビジネスセンター コラム最終回 pdf資料

参考:Andrall E. Pearson「Six Basics for General Managers」 – Harvard Business Review

ゼネラルマネージャー(GM)に必要なスキルとは?

ここでは、ゼネラルマネージャーに必要とされるスキルのうち、汎用化できるスキルについて解説していきます。

1 経営者目線

月並みな表現ですが、GMには適切な経営判断ができるスキルセット、マインドセットの双方が現場で求められます。

自社の置かれている全社的な情報…たとえば、財務情報や競合、市場の動向、キャッシュフローや人事など多種多様な役割、範囲のスキルです。

経営者は、各現場の具体的なオペレーションを専門的スキルを持つスペシャリストにいかに無駄なくリソース配分させ、利益をあげるかといった判断を高い目線と視座により常にモニタリングし、実行する必要があります。

それと同様、GMにおいても経営者と同様の目線、視座、そして経営判断を自身で行えるだけの広いスキル・マインドが求められるのです。

2 リーダーシップ

リーダーシップは、管理職(マネージャー)における必須スキルです。

経営者目線と掛け合わせ、現場で実際に人を動かし、社内を動かすためには、先頭に立って陣頭指揮をとるリーダーが求められます。

また、そのために部下を育成したり、チームやプロジェクト、全社的な活動の問題点の把握と解決策の実行を、困難な状況の中で図る必要があります。

3 社内調整力

社内調整力は、経営者目線を持ち、リーダーシップを背景にGMとして行動していくにあたり、必須のスキルです。

特に、論理だけではなく議論の仕方や根回し活動などは、旧来の価値観を持つ人材とのやりとりや企業内政治への対策という意味で重要です。

また、経営判断を現場に落とし込むためには、職能別・機能別にわけられた部署間の連携が欠かせず、その連携への支援と調整も上のレイヤーで意思決定をするGMに求められる役割です。

「ゼネラルマネージャー(GM)」が日本企業に少ない理由とは

皆さんもご存じだと思いますが、日本企業にはどうしても米国のゼネラルマネージャー的な役割を担う管理職が少ないのが現状です。

ここでは、日本企業にはなぜゼネラルマネージャーが少ないのか、その理由について解説していきます。

1 独立性がない

欧米企業では事業部や組織単位で独立していることが多く、同企業内でも分権化が進んでいる事例が多いです。そのため、損益や意思決定の可否の責任意識を強く保つ必要があります。

一方日本企業では独立性よりは融和性、つまり中間管理職としての立ち位置ばかりが求められてしまい、「管理職」ではあってもリーダーシップを持って事業に取り組む人が少ないのが現状です。

もちろん、人材に能力がないというわけではなく、日本型経営のデメリットだといえるでしょう。

2 人事部の権限が大きいため

人事部の権限が大きいことも、強い権限を持ったゼネラルマネージャーが日本企業に存在しないひとつの理由になります。

特に、旧来の雇用制度のまま人事部が採用と人事権の行使を行っている企業では、今後ますます多様化・複雑化する市場で柔軟に対応できる若手人材を採用したり、育てることが難しくなります。

事業ごとの責任者に人事権を与え、ある程度権限を移譲した組織づくりが求められているといえそうです。

3 年功序列型制度が長く続いているため

年功序列型賃金制度などに代表される日本型経営は、悪いことだけではなく良い部分ももちろんあります。

それは、一度雇用されれば正社員として長く働くことができるため、将来に渡って働き方や将来が見えやすいということです。

しかし一方で、働き方が若手のうちからジェネラリスト的になってしまい、どうしても事業戦略に責任を持つところまで早く到達することができない人材が増えてしまう弊害があります。

また、会社の寿命よりも労働者としての寿命が長くなりつつある現代社会では、新規事業にプロフェッショナルとして飛び込める人材や、マネージャーとして組織づくりをおこなうことのできる人材が今後ますます必要になるでしょう。

ですが、現状ではなかなか、プロフェッショナルやゼネラルマネージャーを担える人材を育てにくい会社が多いと考えられます。


ここまで、ゼネラルマネージャーの本来の意味やビジネスでの役割について解説してきました。

ゼネラルマネージャーという役職は、単なる管理職以上の権限を持つ立場であることや、経営陣には含まれないものの、現場のトップマネジメントをおこなう役職であることが分かります。

ゼネラルマネージャーの役割を知っておくと、今後数十年間働く私たちに必要なスキルとは何か、考えるキッカケになるのではないでしょうか?

「自分の働き方を見直したい」「転職を検討している」という方は、次の転職ノウハウをぜひご覧ください。

転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ

転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ

ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。

1 転職サイト選びは慎重におこなう

これから転職活動を少しでも始めたいと考えている方の中には、まだ実際に求人情報を探し始めていない方がほとんどだと思います。

転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。

しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。

転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。

下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。

転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。

おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ

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2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する

転職活動を始めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは「転職活動の全体の流れ」をおさえること。

たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。

それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。

余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。

おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!

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3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!

転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?

頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。

ただ、そんな人でも転職活動をおこなうことは可能です。

忙しい人や一人で転職活動を始めるのが不安な方は、求人紹介や転職相談、面接対策や日程調整まで様々なサポートを無料でしてくれる「転職エージェント」を活用しましょう。

在職中に転職活動を始めれば、リスク無しで好条件の求人を探すことができます。

もちろん、良い転職先が見つからないのであればムリに転職先を選ぶ必要はありません。

下記記事では、あなたにおすすめの転職エージェントが見つかるよう、転職エージェントランキングをご紹介しています。

ぜひ、自分に合った転職エージェントを見つけてください。

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2017.12.25

まとめ|「ゼネラルマネージャー」の意味を正しく知ろう

まとめ|「ゼネラルマネージャー」の意味を正しく知ろう

今回は、「ゼネラルマネージャー」とはどんな意味を持つ役職なのか、仕事内容はどのようなものなのかについて詳しく解説してきました。

ゼネラルマネージャーはまだまだ国内企業では少ないですが、今後の社会や企業でかなり重要なスキルを持った役割であることが分かります。

実際にゼネラルマネージャーという肩書きを目指すかは別ですが、今の働き方やキャリアを見つめ直したいときには、GMの役割が参考になるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考に、今後のあなた自身の働き方を改めて考えてみてくださいね。

参考資料:ゼネラルマネージャー – Wikipedia

参考資料:ゼネラルマネージャー【general manager】 – Weblio辞書

参考資料:ゼネラルマネージャー(英語表記)general manager – コトバンク

参考資料:ゼネラルマネージャー ぜねらるまねーじゃー – はてなキーワード

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