ビジネスシーンでは頻繁に「忙しそうにしている人」と「仕事ができる人」は混同されることが多いです。あなたも、優秀な人はどこかでいつも忙しそうにしているというイメージを持っているのではないでしょうか?
しかしながら、実態は「忙しそうにしている人」ほど無能だと言われてしまうことが多いようです。また、実際に目に見える成果から判断して、優秀だと言えない人も多いものです。
あなたやあなたの周りにいる同僚や上司は、忙しそうにしている人でしょうか、それとも本当に仕事ができる人でしょうか?
INDEX
- 1 忙しそうにしている人の何が悪いのか?
- 2 忙しそうにしている人と仕事ができる人の違いとは?
- 2.1 1 「忙しい」を美徳と感じているか、恥ずかしいことと感じているか
- 2.2 2 スケジュール意識が甘いか、強いか
- 2.3 3 未来のトラブルや課題に対して手を打っているかどうか
- 2.4 4 ラストスパート型か、スタードダッシュ型か
- 2.5 5 ひとつの仕事に対して目的が明確かどうか
- 2.6 6 自分のための時間を明確に区切って持とうとしているかどうか
- 2.7 7 「断る」ことができているかどうか
- 2.8 8 期待値を常に下回っているか、上回っているか
- 2.9 9 他人から見た自分の見え方をコントロールしているかどうか
- 2.10 10 仕事の優先順位付けを重要度で割り振っているかどうか
- 2.11 11 行動を起こす前にコンセンサスを取っているかどうか
- 2.12 12 集中するためのルーティンがあるかどうか
- 2.13 13 連絡する数 > 連絡が来る数であるかどうか
- 2.14 14 始める前に計画を入念に立てるかどうか
- 2.15 15 依頼・相談を上手に行っているかどうか
- 2.16 16 知識・情報・方法をグレードアップする時間を取っているかどうか
- 2.17 17 マニュアルを整備しているかどうか
- 2.18 18 健康に気を使うための行動を取っているかどうか
- 3 おわりに|忙しさと結果は比例しない
忙しそうにしている人の何が悪いのか?
忙しそうにしている人と仕事ができる人には違いがあります。その違いについては下記で深く掘り下げていきますが、そもそも忙しそうにしていることの何が問題なのでしょうか?
「仕事は忙しいもので、それが当たり前」
そういう捉え方をしているだけでは、実際に目指すべき結果にフォーカスし、費用対効果の高いパフォーマンスを出せるビジネスパーソンになるのは難しいでしょう。
たとえば、「いつも100%の力を出しているように見えるが、残す結果は80〜100%とブレがある人」と「70%ほどの力をキープし100%仕事をこなす人」では、後者のほうが優秀です。
つまり、必ずしも忙しくせずゆったりしていることが大切なわけではないですが、「結果を残せないが忙しくしていること」には何も意味もないのです。
では、ただ忙しそうにしている人と仕事が(ほんとうの意味で)できる人の違いとはどのようなものなのでしょうか?
忙しそうにしている人と仕事ができる人の違いとは?
忙しそうにしている人と仕事ができる人は、冒頭でも述べたように同一死される傾向があります。なぜなら、「忙しそうにしている=仕事を一生懸命している」という先入観が働くためです。
しかし、実態はそうではないのが現実です。忙しそうにしている人と仕事ができる人の明確な違いを見ていきます。
1 「忙しい」を美徳と感じているか、恥ずかしいことと感じているか
忙しそうにしている人は、仕事に対して最大限のパフォーマンスで行動できているかよりも、忙しいこと自体に価値を感じています。
一方で、仕事ができる人は「忙しい」という事実自体を恥ずかしいことと感じているため、その状況を脱却するためにパフォーマンスを向上する努力をおこないます。
2 スケジュール意識が甘いか、強いか
「スケジュールを厳守すべきか?」と問われれば、誰しもが「厳守すべきだ」と答えるでしょう。
しかし、忙しそうにしている人は忙しいこと自体に価値を感じているため、スケジュールに対する意識が希薄であることが多いです。
一方、仕事ができる人は「スケジュールや納期を守ることは仕事の結果につながる」と考えているため、必ず計画通りに物事を進める気概を持ちます。
3 未来のトラブルや課題に対して手を打っているかどうか
「想定外」という言葉は、ビジネス・政治など各分野で用いられますが、本当に人々が想定できないトラブルや課題は、実際のところどれだけ多いのでしょうか。
忙しそうにしている人は、とにかく当てずっぽうで物事を進めるために、未来に起こりうるトラブルや課題に対して、有効な打開策を講じることがありません。
一方、仕事ができる人は「仕事で結果を残すための障害になる要素」として、事前に起こりうるトラブルや課題を洗い出します。
4 ラストスパート型か、スタードダッシュ型か
スケジュール意識の強さや、課題やトラブルへの意識の違いによって、忙しそうにしている人と仕事ができる人の仕事の進め方は大きく異なります。
忙しそうにしている人は、より忙しそうに見えるほうを選んでしまうため「ラストスパート型」になります。一方、仕事ができる人は何が起きても対処できるよう「スタートダッシュ型」で仕事を進めます。
5 ひとつの仕事に対して目的が明確かどうか
仕事に取り組む際に、忙しそうにしている人は「なぜこの仕事に取り組むのか?」という視点が希薄です。自分では分かっているつもりでも、「なぜこの仕事をやっているの?」に答えられないことがしばしばあります。
一方で、仕事ができる人はフォーカスすべき仕事の目的を忘れずに着実に仕事を進めます。最終的な結果を出すまでの時間の短さや精度に差がつくのは、目的の明確度に依拠します。
6 自分のための時間を明確に区切って持とうとしているかどうか
忙しそうにしている人は、他者への貢献意識が強い人が多いです。しかし、その意識が仇となって、自分の時間を犠牲にして忙しく振る舞おうとしてしまうケースがあります。
仕事ができる人は、他者への貢献意識を持ちながらも「最大限自分がパフォーマンスを出すことによる貢献」にフォーカスします。よって、意味のない自己犠牲を行いません。
また、プライベートの時間も最大限大切にし、仕事にもきちんと集中できる土台作りをしています。
7 「断る」ことができているかどうか
忙しそうにしている人は、「断る」という行動に忌避感を感じています。よって、自分が本来やる必要のない仕事を請け負ってしまったり、自分のすべき仕事の時間が逼迫してしまったりします。
仕事ができる人は、自分しか取り組むことができない仕事、自分が取り組むことで最大限の結果を残せる仕事にフォーカスするために、無駄な仕事や自分がやる必要のない仕事をきっぱりと断ります。
8 期待値を常に下回っているか、上回っているか
仕事は自分で生み出すものと、指示・依頼されて行うものがあります。特に指示・依頼されて行うものの場合、指示・依頼してきた相手(上司や取引先など)があなたに一定以上の結果を期待します。
忙しそうにしている人は、相手から受けている期待を常に下回った結果を出し続けるため、信用度が目減りしていきます。
一方、仕事ができる人は常に期待値を上回る結果を出すことにフォーカスし、さらに社内外での信頼構築を丁寧におこなっています。
9 他人から見た自分の見え方をコントロールしているかどうか
他人から自分がどう見えているかをまったく意識しないことはありえません。ビジネスシーンでは、相手に与える第一印象や、継続して与える信頼感の醸成が必要不可欠です。
忙しそうにしている人は、一見「自分はこれだけ忙しそうにしている」ということを意識しているため、他人からよく見えることがあります。しかし、時間が経過するに連れ、それが虚像であることが露呈します。
一方で、仕事ができる人は「できること」「自分の強み/弱み」を理解した上で、現時点でできないことを得意な人に配分し、自分ができることに集中します。
結果として、他人からみたときにきちんと自分の獲得すべき結果にフォーカスしていることが明確になります。
10 仕事の優先順位付けを重要度で割り振っているかどうか
忙しそうにしている人は、仕事を複数抱えているときに「期限」で優先順位付けをおこないます。一方、仕事ができる人は重要度を含めて仕事を割り振っています。
重要度は職種・業界や担当業務により違いがありますが、基本的にはもたらす結果がどの範囲に影響を及ぼすのか、どのくらい数値に変化があるのか、どのくらい迅速に結果を出すことができるかを判断し決定します。
忙しそうにしている人は、仕事を重要度にかかわらず期限だけで判断するため、集中すべき仕事に取り組めないことが多いです。
11 行動を起こす前にコンセンサスを取っているかどうか
自分だけで完結する仕事はほとんどの場合ありません。そのため、自分が仕事で行動を起こすときには、関係者にコンセンサスを得ておく必要があります。
忙しそうにしている人は、たとえば期限ギリギリになってから資料のチェックを依頼したり、行動し始めてから事後的に依頼するなど、行動を起こす前の根回しができていません。
一方、仕事ができる人は、結果を出すためにスムーズな行動が必要だと知っているため、行動を起こす前に関係者にコンセンサスを取ることに注力します。
12 集中するためのルーティンがあるかどうか
仕事には、集中するべきです。これもスケジュール厳守と同じく、ビジネスパーソンであれば誰しもが「そのとおり」と思える事柄でしょう。
しかし、忙しそうにしている人は意識が様々な仕事に分散しているため、集中するべきときに集中できておらず、集中力を増加させる自分なりの方法論を持ちません。
一方、仕事ができる人は「一つの仕事に全力で注力する」ために常に余裕を持ちます。また、自分が最も集中できる環境はなにかについても熟知しています。
13 連絡する数 > 連絡が来る数であるかどうか
電話など、お互いの時間を拘束する連絡は、「する数」が「される数」を上回っていることが重要です。つまりこの不等式は、進捗や状況を確認されるよりも、確認する頻度のほうが多いことを指します。
絶対的な指標ではありませんが、忙しそうにしている人はおおむねこの不等式が逆転しています。一方、仕事ができる人は行動を明確にしているとともに、ともに働く人や関係者の動きも同時に把握しています。
14 始める前に計画を入念に立てるかどうか
仕事を始める前に、計画を入念に立てているかどうかで「仕事の忙しさ」は変化します。
忙しそうにしている人は「今現在取り組んでいることに関して、現在段取りを組みながら進めている」ということが多く、上手く計画を実行に移すことができません。
一方、仕事ができる人は日々のTodoや細かな行動まで把握しており、問題やトラブルが起きたときの対処にまで頭が回るようになっています。
15 依頼・相談を上手に行っているかどうか
依頼や相談は、仕事を上手に進め目的や結果にフォーカスするために重要な要素です。特にこれからの時代は、業務範囲や分野が曖昧な部分で高いパフォーマンスを出すことが鍵となる時代です。
つまり、「協働」を上手く他人と行っていく要件として、「依頼」「相談」を上手に行っているかどうかが重要になります。
忙しそうにしている人は、そもそも依頼や相談をほとんどしないため、結果として自分一人で多くのことを抱え過ぎることが多いです。
一方、仕事ができる人は、人に混かえるべき範囲や任せるべき人などをリストアップし、仕事の結果にフォーカスできるチーム作りを意識しています。
16 知識・情報・方法をグレードアップする時間を取っているかどうか
忙しそうにしている人は、目の前の業務をいかにこなすかという点にのみフォーカスすることが多いため、決まった行動・タスクの消化以外の知識・情報・方法論が身につきません。
仕事ができる人は、知識・情報・方法(もっと効率的・効果的に仕事を進めるやり方)を知り、自分のスキルをグレードアップするための時間を確保しています。
17 マニュアルを整備しているかどうか
一度こなしたことのある仕事を、もう一度ゼロから始める「車輪の再発明」はビジネスにおいて無駄なコストになります。
忙しい人は、目の前の仕事をいかにこなすかだけに集中するため、次回以降のためのマニュアル整備をおこないません。
一方、仕事ができる人は次回以降さらにスムーズに仕事がこなせるようにマニュアルを整備します。また、自分以外の誰かでも取り組めるようにドキュメント化するなどの方法を取ることもあります。
18 健康に気を使うための行動を取っているかどうか
忙しそうにしている人は、「忙しい」という自己犠牲に価値を感じています。つまり、自分の時間・精神、そして体力・健康と行った身体面を犠牲にすることもあります。
たとえば、大量の仕事を抱え過ぎて寝不足に陥るなどのことを指します。
一方、仕事ができる人は健康にも気を使います。そうすることで、翌日・翌週以降も高いパフォーマンスが出せることを知っているからです。
ここまで、忙しそうにしている人と仕事ができる人の違いを解説しました。
あなたはどちらに当てはまることが多いでしょうか? ぜひチェックしてみましょう。
おわりに|忙しさと結果は比例しない
今回は、忙しそうにしている人と仕事ができる人という一見混同されがちな存在について、その違いを明確にするための項目をご紹介してきました。
忙しそうにしていることに価値はありませんが、一方で仕事ができる人との対比の中で学べることも多いはずです。
忙しさと仕事で出せる結果は比例せず、何にフォーカスできているかによって決定します。今回の記事を参考に「仕事ができる人」を目指しましょう。
また、あなたなりの「仕事ができる人」の定義をここでご紹介した項目に付け加えてみてください。あなたが目指す「仕事ができる人像」に、あなたは近づけているでしょうか?