転職前に知りたい残業代と給与・勤務時間の意味とルール全知識

転職前に知りたい残業代と給与・勤務時間の意味とルール全知識
スポンサードリンク

今現在働いている残業代の仕組みや、給与額の計算、勤務時間の関係を細かく知っている方は少ないのではないでしょうか?

「もっと給料を増やしたい」と考えている方の中にも、実際の給与額や残業代に関する知識が不足している人は多いと思います。

年収アップを考えて転職を検討する場合でも、今の職場で仕事を続ける場合でも、残業代や給与、そして勤務時間の関係や基礎知識を知っておくことは大切なこと。

今後ますます働き方を慎重に考えていく必要性が高まる中、覚えておくことがたくさんあります。

そこで今回は、残業代や給与の基礎知識や、勤務時間との関係など、「働く上でおさえておきたい知識」をまとめて解説していきます。

今後、転職やキャリアアップを考えている人や、今現在の職場で残業代などに悩んでいる人などは、今回の記事をぜひ参考にしてくださいね。

転職前におさえておくべき基本知識とは?|残業代・給与・勤務時間

転職前におさえておくべき基本知識とは?|残業代・給与・勤務時間

残業代がまともに払ってもらえない職場であったり、実際の仕事に見合った給与をもらえていなかったりする人は、「ブラック企業」が多い世の中でも、まだまだたくさんいるでしょう。

未払賃金の請求や労働問題に関する相談は弁護士等の専門家を通して相談するべきですが、それとは別に「次の職場で働き始めるときに注意しておくべきこと」は複数あります。

それは「給与」「残業代」「残業時間」といった、あなたの働き方を左右する3つの要素です。

今回の記事では、3つそれぞれの知識が「転職前になぜ必要になるのか?」について解説していきます。

少しでも転職する余地がある人は、ぜひここで学んでおきましょう。

 

給与とは?|給与と手取り額の違いを知ろう!

給与とは?|給与と手取り額の違いを知ろう!

給与とは何か?

「給与」は、一般的に「給料」などと呼ばれ、労働の対価として通常受け取ることのできるものとして認識されているものです。

その内訳を見ていくと、「基本給」「手当」などと分類されています。分類ごとの意味合いは下記の通りです。

  • 給与:基本給+各種手当の総額(給料)
  • 基本給:各種の手当を除外した「賃金」
  • 手当:企業が一律・属性・残業・売上(業績)・歩合などの基準で支払う「賃金」

手当には、職種手当や通勤手当、住宅手当などのほか、皆さんが「残業代」と呼ぶ時間外勤務手当も含まれています。

基本的には、雇用契約書など書面で基本給+各種手当を確認することができるので、転職求人を探す場合にはこの項目をきちんとおさえておくことが大切です。

 

給与形態の種類

企業から支払われる給与は、制度によって支給基準が異なります。正社員以外の働き方の場合だと、時給や日給で求人が募集されているのを知っている方がほとんどでしょう。

仕事を選ぶ際の基準として重要なため、ここで給与形態についても整理しておきます。

  • 時給制:1時間単位で金額が決められ、労働時間分が支給される給与形態
  • 日給制:1日単位で金額が決められ、労働日数分が支給される給与形態
  • 週給制:1週単位で金額が決められ、労働週数分が支給される給与形態
  • 月給制:1ヶ月単位で金額が決められ、月額が支給される給与形態(欠勤等の場合に減額する「日給月給制」の場合がほとんど)
  • 年棒制・半期年棒制:1年・半年単位で金額が決められ支給される給与形態
  • 業務単位制:1業務あたりの金額が決められ、業務単位ごとに支給される給与形態

上記のどれかの給与形態であなたが受け取る金額が決定します。ただし、下記の「手取り額」で説明するように、実際にあなたに振り込まれる給与は、給与形態の換算からさらに差し引かれます。

この点を理解しておくと、次の転職先選びで「予想外に給与が少ない」などのトラブルを避けることができるため、必ずおさえておきましょう。

 

給与と手取り額の違いとは何か?

給与に関する分類は、先ほど解説した給与形態以外にも複数のものがあります。

よく扱われる分類として、「手取り額」「額面」「年収」などがありますが、表現方法だけではなく細かな違いがある点に注意が必要です。

  • 手取り額:「額面」から社会保険料+税金(所得税・住民税等)を差し引いた金額
  • 額面:就業規則などで定められている給与総額
  • 年収:1年間に企業から従業員に支払われる給与+賞与の総額
  • 賞与(ボーナス):一般的に夏・冬の年2回支給される特別な給料(企業により支給額や支払基準が異なる)

金額としては、「額面」が一番高く「手取り額」が最も少ないことに注意が必要です。社会保険料や税金等をあらかじめ差し引いた金額が、あなたの手元に残るお金になります。

手取り額は、社会保険料や税金によって差がありますが、おおよそ「給与」から8割程度の額になります。

転職する場合、今の手取り額と求人情報の「給与」を比べると計算にズレが生じてしまうので、年収アップ転職などを検討している場合には、特に細かく注意すべきです。

年棒制の場合の給与の支払い方法

労働基準法では「毎月一回以上の支払いの原則」により、年棒制でも一度に全てが振り込まれるわけではありません。この場合、掲示された年俸の1/12が毎月支払われるケースが多いです。また、ボーナス(賞与)も含まれていますが、支払時期は企業によるため、注意が必要です。

残業代がきちんと支払われるのか、そもそも残業が発生することが多い職場なのかは、企業によってかなり差があります。

しかし、残業代以前に、基本となる給与形態や支払い方法、その他就業規則によって定められている項目に注意しておきましょう。

転職活動では、求人選びで何を重視するかを最初に決めておくことが大切ですが、働く上で欠かせない給与については、妥協しない姿勢が大切です。

 

残業代とは?|残業代が払われる条件・定義を知ろう

残業代とは?|残業代が払われる条件・定義を知ろう

給与のうち、基本給を除いた手当が支払われることはすでに解説した通りです。手当には、職種手当や通勤手当、住宅手当などのほか、皆さんが「残業代」と呼ぶ時間外勤務手当も含まれています。

時間外勤務手当については、残業時間の問題や未払い残業代の問題として扱われることが多いポイントですが、そもそもどうやって残業代が計算されているかを知っておくことが大切です。

もし、今の職場で未払い残業代請求を行う場合には、専門家への依頼が必要です。

しかしその場合でも、どの点が問題なのかをあなた自身が知っておくことで、状況証拠を集めたり、請求方法を調べたりする際に役立ちます。

もちろん、転職活動でもあらかじめ転職先の状況について調べるひとつの方法になるので、知っておいて損はありません。

下記では残業代が支払われるポイントについて解説しています。残業代は労使協定に基づいて残業代を支払うことが労働基準法によって定められています。

  • 法定労働時間(1日8時間および1週間40時間)を超えて働かせた場合の残業代
    →時給換算した賃金の25%以上、50%以下の割増賃金
    →月60時間を超過した場合は50%以上 or 有給休暇の付与
  • 深夜(22時〜5時)の労働時間:25%以上の割増賃金
  • 時間外労働が深夜まで及んだ場合:50%以上の割増賃金
  • 休日労働が深夜に及んだ場合:60%以上の割増賃金

法定労働時間は、「1日8時間」なので、企業で定められている所定労働時間が7時間の場合、8時間分働いたとしても残業代の割増賃金にはなりません。

所定労働時間が7時間の企業で8時間まで残業した場合には、通常の賃金の時給換算した1時間分が支給されます。

ご自身で残業代計算をおこなう場合には、法定労働時間と企業ごとの所定労働時間を間違えないようにしましょう。

それ以外の残業代未払いはすべて労働基準法違反になりますので、もしこのようなケースが継続している場合には、労使問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

 

3. 「固定残業代」ってどういうこと?

「固定残業代」とは、企業の就業規則に定められていることがある「一定時間分の残業代が定額で支払われる手当」のことを指します。

企業によっては、同じ意味合いで「超過勤務手当」「みなし残業代」などと表記される場合もあります。

しかし、「一定時間」以上の残業が発生した場合には、超過分の残業代が支払われます。

固定残業代は、下記のように求人情報・募集要項上に記載されているため、残業代がどのように支給されるのかを細かく見るために、必ずおさえておくべきポイントです。

ここでは、A企業とB企業に分けて見ていきます。

A企業の求人情報

  • 月給:25万円,固定残業代25時間分4万円を含む
    ※超過分は諸手当別途支給。

B企業の求人情報

  • 月給:25万円
    ※諸手当別途支給。

上記のA企業とB企業は、どちらも同じ求人内容だと考えられますが、実は情報量に差があります。具体的には、同じ25万円でも、A企業だけが「固定残業代が明確」である点が大きな違いです。

一方、B企業では諸手当が別途支給されることは分かっていても、固定残業代がどの程度、どんな時間まで含まれているのかをハッキリ調べることができません。

実態的な残業時間や、固定残業代の割合をきちんと調べて求人に応募することが重要になります。

 

勤務時間(所定労働時間)とは?

勤務時間(所定労働時間)とは?

ここまで、給与と残業代について基礎知識を学んできました。次は、労使問題でよく取り扱われる「労働時間」に関して見ていきます。

給与や残業代の計算方法や考え方と、労働時間は密接な関わりを持ちます。

「所定労働時間とはどのような時間を指すのか?」「残業代を考える上で大切なことは何か?」を知るために、労働時間に関する基礎知識をおさえておきましょう。

 

1. 「所定労働時間」とは?

所定労働時間とは、「企業が独自に定めている労働時間」のことを指します。たとえば、求人情報には、職場ごとの勤務時間が指定されていますが、これが所定労働時間であることがほとんどです。

所定労働時間は、労働基準法によって定められている「法定労働時間」とは異なる考え方です。法定労働時間は「1日8時間、及び1週間40時間」を上限としています。

その上限を超えた労働時間を確保することは原則として禁止です。

残業代が出るのは、先ほど学んだように「所定労働時間を超えたとき」になります。たとえば、所定労働時間が7時間だとすれば、8時間勤務した場合に1時間の残業代が発生します。

 

法律上限以上の残業ができる理由は?

上限を超えた労働時間を確保することは原則禁止ですが、1日に8時間を超えて残業する職場は数多く存在します。この場合、すべての企業は法律違反をしているのでしょうか?

結論から述べると、そうではありません。

労働基準法では原則禁止ですが、企業と社員が労使協定を結ぶことで、「労働基準監督署に届け出た範囲内で残業・休日出勤を命じることができる」という決まりがあります。(この場合、労働基準法36条の規定で1ヶ月45時間まで上限が上がる)

加えて、「特別条項付協定」を企業が結べば、労使協定以上に上限のない働き方を社員に依頼することも可能です。ただし、様々な要件を満たす必要があります。

ご存じのように、こういった制度を用いて時間の上限がほぼない状態で長時間労働が常態化している現状もあるため、ブラック企業などの問題も出てきているのです。

 

残業代が出る企業に転職したいなら「転職エージェント」

おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ

記事を読むにはリンクをタップ!

今回の記事では、給与や残業代、残業時間に関する基礎知識を学び、転職活動や今の職場での残業代請求をおこなうために知っておきたいすべての項目を網羅してご紹介してきました。

未払いの残業代を請求するには、専門家への依頼が必須です。

しかし、それとは別に「残業が少ない職場へ転職したい」「残業代がしっかり出る職場で働きたい」と考えている人は、転職時に今回ご紹介した注意点や知識を活用することが求められるでしょう。

転職活動時にしっかりと残業代を受け取ることができ、慢性的な長時間労働が発生しない職場を選ぶためには、あなた自身が注意するだけでは不足する可能性があります。

そんなときに頼りになるのが、業界情報や企業情報の実情を教えてくれたり、あなたにあった企業求人を紹介してくれる「転職エージェント」です。

今では、30代の4人に1人が「転職経験アリ」という事実もあります。転職は決して珍しいことではないのです。

下記記事では転職エージェントに関する基礎知識や選び方をご紹介しているので、転職を検討している人はぜひ参考にしてください。

おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ

2017.12.25

 

おわりに|イメージだけで転職先を選ぶのはNG!

おわりに|イメージだけで転職先を選ぶのはNG!

今回は、残業代や給与の基礎知識や、勤務時間との関係など、「働く上でおさえておきたい知識」をまとめて解説してきました。

転職するしないに関わらず、残業時間や残業代に関する基礎知識をおさえておくことで、不当に搾取されてしまう働き方をしないために注意することができますし、いざ転職するときにも、冷静に求人を探すことができるでしょう。

今回の記事を参考に、転職をぜひ成功させてくださいね!

 

スポンサードリンク