残業が月80時間を超えるのは違法?働き続ける危険と解決策とは

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残業が月80時間を超える人は、「どうにかしてこの現状を変えたい」と考えている人が大半なのではないでしょうか?

もし異常だと感じない方がいるとすれば、それは企業側のわがままを受け入れてしまっていることになります。

残業が月80時間を超えるのは、ほとんどの場合「違法」になります。なぜなら、残業時間の上限は企業の意向にかかわらず、法的に決められていることだからです。

しかし、現実として長時間労働(月60時間労働・80時間労働)に悩まされている人も少なくありません。

そこで今回は長時間労働に悩まされている人にぜひ知ってほしい「長時間労働を解決するための知識」を解説していきます。

もし悩んでいるのであれば、今回の記事を参考に、少しでも働き方を良い方向に変えていきましょう。

 

「月80時間残業」の企業はまだまだある現実

「月80時間残業」の企業はまだまだある現実

「残業月80時間」が慢性的に続いている職場で働いている人が、今この記事を読んでいることと思います。

ご存じかもしれませんが、「月の残業が80時間」は”過労死ライン”と呼ばれ、労働災害と認められる基準となります。

健康を害したと診断された2ヶ月〜6ヶ月前に80時間を超えた残業を続けていた事実が発覚した場合、残業の影響によって健康を害したと認定されます。

しかし、現実問題として月80時間を超える残業は多くの企業で常態化していることが挙げられます。あなたの職場も、そのひとつかもしれません。

たとえば、東洋経済オンラインの下記記事では、HR総研調査で過去1年間以内に時間外労働(残業)が月80時間を超えた社員がいるかを訪ねたところ、「いる」が過半数を超え54%という結果になっています。

HR総研調査で、過去1年以内に時間外労働が月80時間を超える社員がいるかどうかを聞いたところ、「いる」が54%という結果になった。

※太字筆者

出典:「月80時間残業が普通にいる」日本企業の現実 – 東洋経済オンライン

過労死ラインの基準となる残業時間を確保しないと業務・事業が成り立たない現代社会自体に問題があるといえますが、一方で会社が実施するリスクも昨今では非常に高くなってきています。

下記記事では、月80時間を超える残業を企業が実施することで、様々な責任が問われる旨が説明されています。

万が一、長時間残業を原因とするうつ状態からの自殺死、過労を原因とする脳血管疾患または心疾患による死亡が発生した場合には、とくに月に80時間を超える残業を行っていると、民事上の債務不履行(安全配慮義務違反)があったとして、遺族から損害賠償などを求められた際に会社側の責任が認められるリスクがあります。

※太字筆者

出典:月80時間を超える残業のリスクとその対策とは? – 残業代 残業時間 トラブル解決!

過労死寸前のラインであるにも関わらず、法的には「グレー」と判断され、未だに是正がされていない業界・企業も多く存在するのが現状です。

では、実際のことろ月80時間残業は違法なのでしょうか?

 

「月80時間残業」は違法なの?

「月80時間残業」は違法なの?

労働基準法では、法定労働時間(法律で決められた労働者の労働時間)が「1日8時間・週40時間」と定められています。

労使協定(36協定)という協定が企業と社員の間で締結されている場合には、「月45時間、年360時間」という上限延長ができるようになっています。

また、45時間を超える場合には、特別条項付き36協定を結べば、ある条件下であれば適法でそれ以上の時間を残業に充てることができます。

労働時間は労基法で1日8時間、週40時間までと定められ、超えると残業となる。今は労使合意があれば際限なく残業できる仕組みなため、今回の見直しで上限を原則「月45時間、年360時間」と明確にし、違反した経営者には特例を除き罰則を科すことにした。

引用:残業規制どう変わる?2ヵ月連続80時間超 だめ 「休日労働」法の抜け穴に – 西日本新聞

ただし、特別条項付き36協定は下記の条件に該当している必要があります。

特別条項付き36協定で残業上限が延長できる条件

  1. 具体的に決められている「特別の事情」に該当した場合
  2. 延長する期間が1年の半分を超過していない場合
  3. 労働者に著しい不利益が出る残業ではない場合

この条件を満たしていないと、残業上限を延長することはできないため、月45時間・年360時間を超える残業は違法になります。

しかし、この条件を満たす・満たしていないがグレーと認識され、実質的に月80時間、中には100時間以上も残業が蔓延している企業が多いことが現実です。

残業時間が長い企業からはできるだけ早く離れることをおすすめします。また、未払い残業代などが発生しているかどうかを確認することも大切です。

おすすめ記事:未払い残業代の請求方法と手順!転職前にできることはあるの?

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2018.01.24

 

「月80時間残業」を続けるとどうなる?|危険な過労死ライン

「月80時間残業」を続けるとどうなる?|危険な過労死ライン

「月80時間以上の残業は多い」と感じている人の中には、下記のように考えている人も多いのではないでしょうか?

  • 身を粉にしてはたらく意義のある仕事だから辞めたくない。
  • ここで諦めたら他の場所でも通用しない気がする。
  • 今辞めてもほかに働ける場所がない。

結果から言いますと、上記のような考えはすべて思い込みである可能性が高いです。

ブラックな職場の上司や企業は、あなたに対して思考停止を求めますが、あなたの働き方を変えるためには、あなた自身が今の残業時間の多さを客観的に判断する必要があります。

そこで下記では、このまま月80時間の残業を続けることによるリスクをまとめました。ぜひ参考にしてください。

 

1 心身に不調をきたす恐れがある

「過労死認定基準」として、月80時間以上の残業が挙げられているのはすでに述べた通りです。労働災害認定されるということは、意思の診断などで心身に悪い影響が及んでいるということ。

具体的には、ストレスによる自律神経の乱れや睡眠不足などが挙げられます。また、精神的な疲れは身体的にも悪影響を及ぼします。

長く働く上で、身を削って長時間労働をすることにはメリットはなく、むしろデメリットばかりです。

 

2 キャリア・働き方が狭い視野に陥ってしまう

せっかく入社した会社で、具体的なスキルや昇進を得るために頑張って働くモチベーションはとても重要なものです。

しかし、だからといって長時間労働に耐えれば得をするわけではありません。同じようなスキル・仕事経験を学べる環境はほかにもたくさんありますし、同業界・他業界を問わず転職先を探すことも十分可能です。

むしろ、今よりも環境の良い働き方ができるということを今のうちに知らないと、いつか長時間労働に慣れてしまい、あなたの今後のキャリアや働き方をとても悪いものにしてしまう可能性があります。

 

3 日常生活が楽しくなくなる

長時間労働は、日常生活にも大きな影を落とします。家族・家庭がある人はもちろん、たとえ一人暮らし・独身の場合でも、日常生活に支障をきたすことはたくさんあるでしょう。

仕事に時間を費やすことは決して悪いことではありませんが、「仕事以外に何もすることができない」「仕事以外何もやる気が起きない」という状況はとにかく危険です。

特に、仕事しかやれることがない=この仕事を辞めたら次はないと思い詰めてしまい、余計に長時間労働をしてしまう原因になってしまいます。


ここまで、月80時間以上の残業をしてしまうことのリスクを解説してきました。

月80時間の労働は、精神的・身体的な不調の原因になるだけではなく、あなたの日常生活やキャリア・働き方にも悪影響を及ぼします。

もし、「自分はまだこのままでも大丈夫だ」と感じている場合、どのようなことになってしまうのかを学ぶことができる記事を下記でご紹介します。

下記ブログでは、月80時間の残業を経験したことのある執筆者の経験談が書かれており、長時間労働を続けたことでどのようなことが起きたかを学ぶことができます。

おすすめ記事:実録・月80時間残業したらその後こうなる – orengestarの日記

 

「月80時間労働」を改善する・避けるための解決策・対処法

「月80時間労働」を改善する・避けるための解決策・対処法

ここでは月80時間の残業をしてしまっている方に向けて、具体的な残業の解決策や対処法を解説していきます。

「すでにやっているよ!」という部分もあるかもしれませんが、常に長時間労働を改善しようとする姿勢も大切です。

残業に慣れている人であればあるほど、現状を変えることに精神的なストレスを感じてしまいます。

しかし、月80時間の労働は身体的にも精神的にも決してよいものではありません。まずは、できることから改善していきましょう。

 

1 仕事に優先順位をつけて取り組むこと

仕事に優先順位をつけて取り組むことで、余計な作業や業務を減らしつつ、効率的に仕事を終わらせることができるようになります。

特に、デスクワークが主な業務の方は「仕事の優先順位」を自分自身で決めやすいです。今日中にやることをメモ帳にリストアップし、そのリストに1、2と番号をつけていきます。

そして、その順番通りに仕事をこなしていくことが大切です。

仕事量が変わらなくても、仕事と仕事の合間の「次は何をするべきか?」を考える時間を短縮できるため、仕事効率化に効果があります。

 

2 スキマ時間を活用して仕事をおこなうこと

「スキマ時間」とは、通勤中の電車の中やお昼など、仕事の合間に発生する時間のことです。

「アポがある場所へ行く」「資料を作成する」「お客様の対応をする」などの具体的な仕事があるときには通常通り集中して仕事をします。

スキマ時間を活用するのは、「メール」「電話」「書類の整理」などの雑務をおこなうときです。

特にメール返信や会議資料に目を通しておくことなどは、スキマ時間でやることで時間を短縮することができます。

 

3 目標時間・スケジュール管理をおこなうこと

仕事は目標となる時間を決めることで、緊張感を持って取り組むことができます。「○時まで」と時間を決めて取り組むと、程よい緊張感が生まれるため、だらだらと作業をやってしまうことが少なくなります。

また、スケジュール管理を1ヶ月単位で行っておくことも重要です。毎日のスケジュールをおさえておくことで、「次は何に取り組むのか?」を頭の中で考えず、整理することができます。

毎日の仕事の時間とスケジュール感覚を意識しておくだけで、余計な思考が発生しません。その分、仕事の効率化になります。

 

4 依頼・お任せすることを念頭に置くこと

あなたが1人で仕事を抱え込むタイプの場合、少しでも多くのことを同僚などに依頼することが大切です。「こんなこと頼んでよいのだろうか?」と考えてしまうと思いますが、あなたがそうであるように、頼られることはそれほど嫌なことではありません。

それよりも、あなたが過度に仕事を抱え、全体の仕事のスピードが落ちたり、非効率な部分が出てしまったりするほうが迷惑をかけてしまいますよね。

まずは、できないことや時間のかかることを自分のせいだけにせず、少しでも再分配する意識を付けておくと良いでしょう。

そうすることで、あなたが1人でやらなければならない仕事が減ります。よって、残業時間も減るでしょう。

 

5 休職する(仕事を休む)

長時間労働は、ほとんどの場合あなたが1人で工夫をしたところで解決しない場合がほとんどです。そのため、体力的・精神的に追い詰められている人もいることでしょう。

そんなときは、勇気が必要な決断ではありますが「休職を申し出る」こともひとつの方法です。

また、休暇の取得や労働時間の改善をしてもらいたい場合には上司や人事部に相談することをおすすめします。

万が一、まともにあなたの申し出に取り入ってもらえない場合には、労働基準監督署に相談しましょう。

あなたが自身の身体を酷使しても、あなた以外に責任を取ってくれる人はいません。今のうちから、自分を防衛する機会を作っておくことが大切になります。

 

6 転職すること(職場を変える)

長時間労働は、先ほども述べた通り自分一人で解決できることに限界があります。

たとえば、あなたが仕事を効率化して残業なしにできたとしても、その分多くの仕事が舞い込んでくれば、あなたがさらに追い詰められる結果になってしまいます。

長時間労働を根本的に解決するためには、「転職」が最も有効な方法です。


ここまで、月80時間労働をしている方に向けて、具体的な対処法をご紹介してきました。

未払い残業代が発生しているなど、残業に関して具体的な悩みを抱えている方は、下記記事を参考にしてみてください。

おすすめ記事:未払い残業代の請求方法と手順!転職前にできることはあるの?

未払い残業代の請求方法と手順!転職前にできることはあるの?

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また、残業をできる限り少なくするようにあなた自身が努力することも大切です。

しかし一方で、あなた個人ではどうしようもないような「会社ぐるみの原因」で長時間労働が起きている場合には、早々に見切りをつけて転職することが必要になります。

 

残業が少ない転職先を見つける方法は?

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今回の記事では、「月80時間を超える残業」について詳しく解説してきました。

違法性のある働き方が続いている場合には、あなた自身のためにも「転職」をおすすめします。

「残業が少ない職場へ転職したい」「残業代がしっかり出る職場で働きたい」と考えることはとても大切です。

そして、そんなときに頼りになるのが、業界情報や企業情報の実情を教えてくれたり、あなたにあった企業求人を紹介してくれる「転職エージェント」です。

今では、30代の4人に1人が「転職経験アリ」という事実もあります。転職は決して珍しいことではないのです。

下記記事では転職エージェントに関する基礎知識や選び方をご紹介しているので、転職を検討している人はぜひ参考にしてください。

おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ

2017.12.25

 

おわりに|残業に悩むなら「転職」も視野に入れよう

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今回は長時間労働に悩まされている人にぜひ知ってほしい「長時間労働を解決するための知識」を解説してきました。

残業が80時間を超える場合、そのほとんどは違法性があります。しかし、今回ご紹介したように、実際のところ長時間労働が継続している大企業は後を絶たず、中小企業でも蔓延してしまっているのが現状です。

しかし、80時間を超える残業は平均データから見ても多いため、慢性的に長時間労働が発生している場合には転職を検討してみるべきでしょう。

今回の記事を参考に、長時間労働から開放され、より良い職場で働き始められることを願っています。

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