「肩書き」には、「名刺や氏名の右上の書かれる職名のこと」という意味があります。
会社で働くうえでは必ず使うといっても過言ではない「肩書き」という言葉の意味を、あなたはしっかり理解したうえで使っているでしょうか。
また、たとえば似ている言葉である「役職」との意味の違いをご存じでしょうか。
加えて、「肩書き」という言葉は昨今ネガティブな意味合いを持つ言葉としても使われてきているので、使い方にも注意する必要があります。
そこで今回は、「肩書き」の本来の意味と定義、そして肩書を持つことの必要性を解説していきます。
肩書きの意味を知れば、もしかするとあなたの今後の働き方やキャリアにヒントを得られるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
INDEX
「肩書き」の意味・役割とは?
「肩書き」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか?
ここでは、肩書きの本来の意味から解説していき、ビジネスシーンで活用される肩書きの意味までご紹介していきます。
「肩書き」の本来の意味・定義
「肩書き」とは、名刺や氏名の右上の書かれる職名のことを指します。
また、人の社会的地位や身分を示す職業のことを指す場合もあります。
① 名刺などで、氏名の右上に書かれる職名・地位など。
② 人の社会的地位や身分を示す職業・役職名など。 「 -が物をいう」
引用:肩書き – コトバンク
また、ウェディング業界ではゲストを案内するために準備する席次表やパンフレットとして肩書きが重要になる機会があります。結婚を間近にひかえている方は、披露宴等でも肩書きを知ることが大切なので覚えておきましょう。
参考:作成時のポイント/席次表・パンフレット – SAKURAI CARD
会社勤めの人は、若手の頃どうしても自分の肩書きがつかず、会社名+氏名だけの名刺に苦い思いをしている方も多いかもしれません。
肩書きは会社組織内でどんな立場なのか、給料はどのくらいもらっているのかなどを表す基準になるため、気にする人は多いです。
肩書きには「管理職」「取締役・役員」「代表取締役」など、様々な種類がありますが、企業での肩書きの場合には法律で決められている肩書きと、そうではなく慣習的に名刺に書ける肩書きとに分かれています。
ただ、「肩書きが欲しい!」「肩書きがないと将来不安!」と感じている人は、肩書きだけにどうしてもこだわってしまうこともあるので、注意が必要です。
ビジネスシーンで使われる「肩書き」の意味とは
ビジネスシーンにおける「肩書き」には、先ほど解説したように慣習的なものと法律で決められているものがあります。
たとえば、会社を代表する人物である「代表取締役」や「取締役」は会社法という法律で定義されており、その肩書きの意味や役割は会社によって多少の違いがあるものの、ほぼ一貫しています。
(株式会社の代表)第三百四十九条
1取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。
3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
一方、「社長(CEO)」「COO」「CFO」「〇〇課部長」「〇〇担当」などの肩書きのほとんどは、会社法で定められているわけではありません。
ただ、管理職以上であれば、何らかの肩書きがついたり、大企業で部署の区分けがはっきりしている大組織では、綿密に肩書きが決められているものがあります。
つまり、会社や組織によって肩書きの意味や必要性は変化します。
肩書きの種類とは?
肩書きには様々な種類があります。一昔前までは、「職業」を表すのが一般的なものでした。たとえば、農家、漁師、猟師(ハンター)、工場労働者、技術者などは今でも肩書きは職業そのものです。
ただ、ほとんどのサービス業では専門分化した組織が整っているため、肩書きは非常に複雑なものになってきています。
たとえば、大企業で何らかの新規事業プロジェクトのリーダーになれば、「〇〇プロジェクト担当者」という肩書きがつくことになります。
このように、会社組織の人材配置によって、いくらでも肩書きは変化するのです。
ただ、会社/ビジネスで主に使われる言葉のうち、特に重要なものについては知っておくことが大切です。どんな会社でも使われる肩書きは下記の通りです。
- CEO(最高経営責任者)
- COO(最高執行責任者)
- ディレクター
- マネージャー
以下、それぞれについて解説していきます。
CEO(最高経営責任者)
CEO(最高経営責任者)とは、「Chief Executive Officer」を省略した肩書きです。会社法で定められている「代表取締役」と併記される場合もあります。
また、「社長」という肩書きで用いられる場合でも、役割はCEOとほぼ同じになります。CEOはほとんどの場合、代表取締役や取締役を担っています。
CEOの役割は会社経営です。会社の全社的な方針と戦略を考えつつ、日々会社全体の事業や資金を回すための意思決定をする役割を担います。
CEOは、起業すればなることができますので、肩書き自体よりも経営している会社の規模や利益によって評価が左右される肩書きです。
COO(最高執行責任者)
COO(最高執行責任者)とは「Chief Operating Officer」と呼ばれる肩書きになります。COOの真ん中の「O」はオペレーティング、つまり事業運営に責任を持つ立場です。
CEOが全社的な方針と戦略を示したら、COOはそれに沿って実際に部下を動かし、戦略を実行します。また、実行する上で発生した課題やリスクを解決したり、CEOに報告したりする役割を担います。
COOは会社のNo.2が担当することが多く、肩書きはあるものの会社によって業務内容が大きく異なります。
ディレクター
ディレクターとは、ビジネスのひとつの分野で専門的に業務を担当する管理職のひとつです。たとえば、〇〇部門の部長や、〇〇課の課長もディレクターの役割と言って良いかもしれません。
ディレクターという言葉は、テレビ関係の仕事でよく使われる言葉です。番組制作で放送作家やプロデューサーと打ち合わせを行い、実際に出演者やカメラマン、音声さんや技術・美術スタッフへの現場指揮を担当します。
ほかの業界でもディレクターの意味は同じです。つまり、COOが執行責任者なら、ディレクターは「執行者」であると言い換えることができるでしょう。
ただ、最近では分野ごとの責任者を「CTO(最高技術責任者)」「CFO(最高財務責任者)」「CHRO(最高人事責任者)」などと分けることが多いため、肩書きがディレクターに限るわけではありません。
マネージャー
マネージャーとはいわゆる「管理職」のことを指します。会社上層部と現場で働く社員を繋ぐ役割を担うマネジメント担当者のことです。
仕事自体は自分自身もおこないつつ、部下をマネジメントする「プレイングマネージャー」を担う場合もあります。
また、管理職と会社上層部の間でさらに管理職が必要になる場合には、さらにシニアマネージャーといった役割が求められることがあります。
現場での指揮を綿密に取るため、マネジメントの中で最も現場に近いところで指揮を取る役割です。
おすすめ記事:マネジメントの意味とは?管理職初心者が知っておくべき定義と方法
「肩書き」と「役職」の違いとは
肩書きと役職の違いはハッキリしません。ただし、役職の場合には肩書きよりもさらに具体的な名称が必要になると考えると良いでしょう。
役職の辞書的な意味合いは次の通りです。
1 役目とその仕事。
2 管理職。「役職に就く」「役職手当」
引用:役職 – コトバンク
つまり、役目と仕事内容を表す肩書きは役職でもあるということ。つまり、「エンジニア」「〇〇技術者」「〇〇マネージャー」というように、具体的な肩書きがついている場合は、それが役職であるということができますね。
また、管理職手当が発生する肩書きがついたら、それを役職と呼ぶことができます。マネージャーとして扱われることになるわけなので、役職に当てはまるわけです。
しかし、一方で管理職には「名ばかり管理職」という問題があります。
管理職になると、平社員のころのような残業手当が出ない場合がありますが、それはあくまで労働基準法で定められている管理監督者に該当するケースだけです。
しかし、会社のローカルな判断によって残業代が出してもらえない問題があるのです。残業代が出ない問題に関しては、下記記事を参考にしてください。
おすすめ記事:管理職の「残業代が出ない問題」に対処するための方法まとめ!
「肩書き」の類義語
肩書きには様々な類義語があるので、ここでざっくりおさえておきましょう。
- 敬称
- タイトル
- 名目
- 爵号
- 爵位
- 尊号
- 称呼
場合によってはタイトルや名目という意味を表す場合があるので、意味を取り違えないように注意が必要ですね。
ここまで、「肩書き」の意味や定義について見てきました。次は、肩書きが現代社会の働き方を考えるうえで、あまり重要ではなくなってきている側面について、解説していきます。
「肩書きって必要なの?」という方は、ぜひ参考にしてください。
「肩書き」は必要なくなる?
肩書きは必要なの?
「肩書き」は、会社組織の中で昇進を表すときにとても分かりやすいものでした。また、昇進して肩書きがつけば手当額が増えるので、給料・年収が上がるメリットがあります。
そのため、同じ会社でずっと働き続けたいと考えているなら、その中で一定以上の肩書きを目指すことが大切になります。
しかし一方で、現在は20代後半で35%(約10人中3人)、30代前半で59.9%(約10人中6人)と、多くの社会人が一度以上転職を経験していることが分かります。
年代別に見ると、25〜29歳では「転職をしたことがある」が35.5%、「転職を検討したことがある」人は33.1%という結果になりました。(中略)次いで30代に着目すると、「転職をしたことがある」人の割合は、30〜34歳で59.9%、35〜39歳では53.5%となり、社会人経験の年数が短い30代前半の方が、転職経験者が多いことがわかりました。
引用:2人に1人が「転職経験あり」〜転職活動の実態調査 – DODA
そのため、よほど専門的なスキルを持って働き続けない限りは、同じ会社に定年まで勤めることが現実的ではない時代になりつつあります。
ですので、必要以上に肩書きに縛られていると、働き方を変えるチャンスを見逃してしまう可能性があるのです。
肩書きも大切だけどスキルのほうが大切である理由
もちろん、転職する/しないに関わらず、会社での肩書きが大切になることはたくさんあります。学歴と一緒で、ある程度その人を測る基準になるからです。
しかし、20代後半までは中途採用でもポテンシャル採用が多いですが、30代になると「即戦力」が求められます。そのため、年齢を負うごとに転職は厳しくなっていくのです。
つまり、肩書きを志向するよりもスキルや経験を磨くほうが大切なのです。
大手転職サイトの「リクナビNEXT」の記事では「企業が求める経験・スキルランキング」を掲載しています。つまり、身につけているスキルから求人を選ぶことすら可能になっている時代なのです。
あなたが若手社会人だった場合、部長や課長といったポストを目指すだけではなく、スキルや専門性を持ったスペシャリストとして働くことを目指すのが重要になるでしょう。
転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ
ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
1 転職サイト選びは慎重におこなう
これから転職活動を少しでも始めたいと考えている方の中には、まだ実際に求人情報を探し始めていない方がほとんどだと思います。
転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。
しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。
転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。
下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。
転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する
転職活動を始めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは「転職活動の全体の流れ」をおさえること。
たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。
それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。
余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。
おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!
3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!
転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。
ただ、そんな人でも転職活動をおこなうことは可能です。
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おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ
まとめ|肩書きの意味を正しく知ろう!
今回は、「肩書き」の本来の意味や定義、そして肩書きの必要性について解説してきました。
肩書きは今後の世の中でも大事な考え方ではありますが、一昔前よりその重要性が揺らいでいることがご理解いただけたのではないかと思います。
これからの働き方を決めるのは、肩書きだけではありません。むしろ、肩書きを捨ててでもスキルや経験を身に着けたほうが、結果的に得をする社会になっていきます。
今回の記事を参考に、ぜひあなたの働き方を見直してみてくださいね。
参考資料:かた がき [0] 【肩書き】 – Weblio辞書
参考資料:肩書き(読み)かたがき – コトバンク