「アーカイブ」とは、「文書を保管するという意味」と、「コンピュータ上で複数のファイルが圧縮されまとめられたもの」を指す言葉です。
なんとなく意味は分かりそうですが、使われる文脈やシーンによっては、何を意味するのかいまいち分からなくなることも多い言葉ですよね。
また、GmailやInstagramなどのアプリケーションでも当然のように「アーカイブ」という用語が使われていますが、実際の機能はよく知らないという方も多いでしょう「。
業界やビジネスシーンによって様々な意味合いを持つ言葉を適切に理解するためには、できるだけ本来の意味に近いところから意味を学ぶことが大切。
そのうえで、ビジネスでの使われ方や用例を学べば、状況によって使い分けたり、正しい意味を理解できるようになります。
そこで今回は、アーカイブの本来の意味や定義を解説するとともに、ビジネスシーンでの例文や使い方について解説していきます。
「アーカイブの意味、ちょっとあやふやだな」という方はぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
INDEX
アーカイブの意味とは?|
「アーカイブ」は、英語の「archive」を語源としている言葉です。
「(文書を)保管する」という意味と、「コンピュータ上で複数のファイルが圧縮されまとめられたもの」という意味の2つの意味を持ちます。
アーカイブ(archive)
1 《archives》公文書。古文書。公文書保管所。アーカイブズ。
2 コンピューターで、複数のファイルを一つにまとめたファイルのこと。通常は圧縮されている。また、インターネット上で公開されたファイルの保管庫を意味する場合もある。
単数形「アーカイブ(英:archive)」の意味とは?|「保管する」
「アーカイブ」と単数形で使う場合には、「保管する」という意味合いで用いられます。
資料や文書をひとまとめにして保管し、後から参照しやすいようにファイリングすることをアーカイブというケースもあります。
ビジネスシーンではそれほど多用される言葉ではありませんが、Googleのメールサービスである「Gmail」や、写真共有SNS「Instagram」の機能などでも「アーカイブ」が使われています。
複数形「アーカイブス(英:archives)」の意味とは?|「公文書」
もともとの意味は「ひとまとめにして保存・管理する」という意味ですが、「アーカイブス(archives)」と複数形になると、「公文書」「公文書保管所」の意味があります。
「記録・資料として保管する(施設)」というニュアンスで、公文書や古文書保管場所である公的機関や放送局のwebサイトの名称や、以前に販売したゲームソフトをダウンロードしプレイできるサービスの名称に使われることがあります。
たとえば、テーマ別に映像を提供している「NHKアーカイブス」や、過去に販売したゲームソフトを提供している「PlayStation Store ゲームアーカイブス」などが有名です。
ビジネスにおけるアーカイブの意味と使い方
行政機関や企業のオフィスでは、取引記録や個人情報記録、その他様々な重要資料が蓄積されていきます。そのため、アーカイブは欠かせない作業です。
事務職の方が日々おこなう仕事の半分は、ビジネス資料のアーカイブ化と言っても過言ではないかもしれませんね。
「アーカイブする」という言葉自体を使わなくても、アーカイブに当てはまる業務を行っている人も多いと思います。
アーカイブの方法にはいろいろなものがありますが、下記のようなやり方が一般的ではないでしょうか。
- 日付順に並べる
- 重要度別に分ける
- カテゴリ別に整理する
- 参照しやすいようにファイリングする
いわゆる整理術のような意味合いがあるでしょう。ほとんどの場合、会社で発生する資料のうち、重要な情報・外部秘匿資料はアーカイブされることが当たり前になっています。
保存を意味する「バックアップ」も同じような意味合いで用いられることもありますが、バックアップはただ保存しておくだけであるのに対して、アーカイブは保存・管理することを指します。
たとえば、資料を整理するとき本来残す必要のない資料も、保存するべき資料もすべて同じファイルに日付順で綴じてしまう。これはバックアップには当てはまるかもしれませんが、アーカイブには当てはまらないでしょう。
アーカイブのIT・コンピュータにおける意味と使い方
ITコンピュータ領域・分野における「アーカイブ」は、「データ保全」「ファイル圧縮」を意味する用語として使われます。
たとえば、過去のすべてのメールを保存・管理することを「アーカイブ」というほか、メール以外のものでも、データファイルを長期に保存しておくという意味で「アーカイブ」が使われます。
下記では、IT・コンピュータ領域で使用される「アーカイブ」が含まれる複数の用語を解説しています。
IT・コンピュータにおけるアーカイブ|ファイル圧縮
コンピューター分野では、アーカイブの意味のうち「複数ファイルをひとつにまとめ圧縮したもの」を指します。
今ではそれほど問題になりませんが、たとえば文書ファイルをそのままの形式でメール送信すると、セキュリティやデータ容量の観点からとても不便でした。
その際には、できる限りファイルのデータを小さくしたうえで文書ファイルを送信するため、「圧縮ファイル」を作成する時があります。この作業を「アーカイブ」といいます。
また、アーカイブ作業を通して作成される圧縮ファイル自体も「アーカイブ」と呼ばれることがあります。
IT・コンピュータにおけるアーカイブ|アーカイブファイル
インターネットでソフトウェアを配布することや、特定のディレクトリ(フォルサ)のバックアップを行う際に、複数ファイルのデータをひとつのファイルにまとめることで利便性がアップします。この複数のファイルのデータをまとめたファイルを「アーカイブファイル」と呼称します。
IT・コンピュータにおけるアーカイブ|バックアップとの違い
アーカイブと似ている意味を持つ言葉に「バックアップ」があります。バックアップは、データの再利用やデータ復旧のためにデータを保存しておくことを指します。
その点ではアーカイブも「データ保全」という意味で似ていますが、バックアップの場合は長期保存ではなく一定期間保存しすべてのOSやアプリケーションなど全てのデータを一時的に保存しておく際に使う言葉です。
アーカイブは、メールの全データを長期間保存しておく際に使い、OSやアプリケーションまでは保全しません。
IT・コンピュータにおけるアーカイブ|インターネットアーカイブ(Internet Archive)
非営利法人インターネットアーカイブでは、人々が将来に渡ってウェブ情報を利用できるように「インターネット上の図書館を作る」ことを目的としている法人です。
URL検索をすることで過去のウェブページを閲覧することができる「Wayback Machine」は有名です。
アーカイブの例文・使い方
アーカイブはそのままビジネス用語として活用されることはほとんどありませんが、業界や職場によっては使うケースもあるかもしれません。
ここではいくつか、アーカイブの例文をご紹介していきます。
- この文書ファイルとあの文書ファイルを一緒にアーカイブしたうえで送信してください。
- 重要な書類を受け取ったら、チェック後カテゴリ別のファイルにアーカイブすること。
- 紙をそのまま保存するのではなく、デジタルアーカイブを活用するべきだ。
- アーカイブが公開されたことで、さらに研究が進んだ。
「アーカイブする」という言葉がビジネスシーンで用いられた場合には、具体的に何を指すのかをきちんとチェックすることが大切になります。
保管や保存の方法は個々人で少しずつ違いますが、社内・ビジネス現場でのアーカイブのやり方であればマニュアルや方法が整っているはず。やり方をチェックしたうえでアーカイブしましょう。
アーカイブの類語・言い換え語
アーカイブの類語は下記の通りです。基本的には「保管・保存場所」「資料そのもの」を指す言葉として覚えておけばOKです。
- 公文書・古文書
- 保存記録・記録史料
- 書庫・ライブラリ
- 記録保存館・記録保管所
- フィルム・アーカイブ、デジタルアーカイブ
アーカイブの英語表現|「archive」
アーカイブは英単語単数形で「archive」です。
「記録保管所」「公文書」「古文書」「文書局」というドキュメントに関する単語になります。
複数形「archives」は英単語「文書」「資料」「資料館・文書館」を指す言葉になります。
アーカイブの語源・由来
そもそもの語源は古代ギリシャ語「アルケイオン(ἀρχεῖον)」にあると言われていますが、明確な語源は分かっていません。
ただ、古代ギリシャ語の「アルケイオン」は、支配を意味するアルケーという言葉からできた言葉で、更に言葉が変化して、アルコー(統治する)→アルコーン(統治する権力者)のオフィスのことを意味します。
つまり「アルケイオン」は、今でいう市役所や町役場、区役所や県庁・都庁などの行政機関を指す言葉になります。
それが転じて「公的・歴史的文書の保管所」という意味になりました。アーカイブスが保管所という意味なら、アーカイブは公的な文書を保管すること自体を指すということになります。
Gmailにおけるアーカイブの機能とは?
Googleが提供するメールサービス「Gmail」や、写真サービス「Googleフォト」では、「アーカイブ」と呼ばれる機能があります。
ここで使われる「アーカイブ」とは、「保管庫に入れる」という意味ですが、具体的にはどのような機能なのでしょうか?
Gmailのアーカイブ機能の使い方とは
特定のメールで「アーカイブ」ををクリックもしくはタップすることで、アーカイブされたメールが他の場所に保存されます。
受信箱からは除いておきたいが、削除したくはない内容のメールを整頓したいときに、Gmailのアーカイブ機能は便利です。
Gmailアーカイブ機能|メールを削除せずに非表示にできる
Gmailに知らず知らずのうちに貯まってくる「今すぐ必要ではないが、完全に削除したくないメール」は、メールフォルダの整理をする際に扱いに困ってしまいます。
そこで活用すべきなのがGmailのアーカイブ機能になります。
メール削除をせずに、メインのフォルダからは非表示にすることができるため、既読メールをアーカイブ化しておくだけで「対応が必要な未読メール」のみをわかりやすく表示することができます。
Gmailアーカイブ機能|アーカイブメールは「すべてのメール」で確認できる
アーカイブメールはあくまで「非表示」の設定をおこなっているだけであり、メールアカウントから完全に削除されているわけではありません。
アーカイブされたメールは「すべてのメール」のフォルダに格納され、表示されています。検索等も可能なため、アーカイブしたが参照・確認する必要があるときは検索窓から検索し絞り込むことも可能です。
Gmailアーカイブ機能|アーカイブされているメールのみの絞り込み
アーカイブ化しているメールのみを絞り込んで一覧表示するためには、Gmailの「検索窓(虫眼鏡のマーク)」部分をクリックもしくはタップし、下記のテキストを入力します。
「-in:spam -in:trash -is:sent -in:drafts -in:inbox 」
+検索キーワードを追加することで、キーワードに該当する「アーカイブされたメール」のみをフォルダ内部から検索可能です。
受信トレイ内部のメールや、未読メールを含めた検索では、アーカイブ化されているメールと同じ表題・件名・内容のメールとともに一覧表示されてしまい、メールが大量にある場合に煩雑です。
上手に使って、スムーズにメール管理を行いましょう。
Gmailアーカイブ機能|アーカイブ解除の方法
アーカイブを解除し、受信トレイ内で管理すべき内容のメールを元に戻す「アーカイブ解除」の方法は、アーカイブ化するときと同じ行程です。
まず、アーカイブを解除したいメールを「すべてのメール」内から選択し、そのメールの設定から「受信トレイに戻る」をタップもしくはクリックするだけで解除することができます。
解除したメールは、受信トレイに戻すことができます。受信トレイでいつでも参照すべきメールは、別途「スター」をつけるなどして管理しましょう。
Instagram(インスタグラム)におけるアーカイブ機能とは?
写真共有SNS「Instagram(インスタグラム)」の機能には、「アーカイブ」と呼ばれる機能と、「ストーリーズアーカイブ」と呼ばれる機能があります。
Instagramアーカイブ機能|投稿写真を非公開設定
インスタにおけるアーカイブ機能とは、すでに投稿した写真・動画を他のユーザーに見られたくない場合に「非公開状態」「下書き」にできる機能を指します。
公開アカウントで写真を公開するかどうか悩ましいときには、一度投稿写真を非公開設定(アーカイブ)しておき、後から投稿するかどうか決める際にも用いることができます。
また、すでに投稿済みのものを何らかの理由で見せない状態にしておきたいときにも、個別に設定することができるため便利です。
Instagramアーカイブ機能|アーカイブの解除方法
アーカイブ一覧を開き、写真の「・・・」マークをタップします。そうすると、「プロフィールに表示」のテキストが表示されているため、タップすれば解除完了です。
ストーリーズアーカイブ機能
写真共有SNS「Instagram(インスタグラム)」の便利機能のひとつである、「ストーリーズアーカイブ」
ストーリーズとは動画や写真を24時間限定で投稿できる機能ですが、投稿者本人はスマホ側に動画や画像を保存せず、インスタ上でアーカイブ(保管)することができます。
その他、インスタ以外のスマホアプリでも「アーカイブ」機能がついているケースが多いですが、おおむね「一度投稿したものを下書きに戻す」「保存・保管しておく」といった機能であると理解しておきましょう。
Googleフォトのアーカイブ機能とは?
Gmailのアーカイブ機能と同様に、Googleフォトのアーカイブ機能も、Googleフォトに保存されている写真のうち、フォト画面から非表示にしたい写真のみアーカイブすることができる機能です。
メインのフォト画面からはアーカイブした写真は見えなくなりますが、アーカイブ画面からチェックすることが可能です。
ここまで、アーカイブの意味や定義、そしてビジネスシーンにおける使い方を解説してきました。
アーカイブという言葉自体はそれほど多用されないものの、デジタル・アナログデータの両方の保管・保存を意味する言葉であることがお分かりいただけたかと思います。
アーカイブという言葉自体は覚えてもそれほど役に立たないかもしれませんが、資料や文書の保存方法や管理方法は、整理整頓術や仕事効率化につながるため、重要な用語だといえるでしょう。
転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ
ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
1 転職サイト選びは慎重におこなう
これから転職活動を少しでも始めたいと考えている方の中には、まだ実際に求人情報を探し始めていない方がほとんどだと思います。
転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。
しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。
転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。
下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。
転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する
転職活動を始めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは「転職活動の全体の流れ」をおさえること。
たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。
それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。
余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。
おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!
3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!
転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。
ただ、そんな人でも転職活動をおこなうことは可能です。
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もちろん、良い転職先が見つからないのであればムリに転職先を選ぶ必要はありません。
下記記事では、あなたにおすすめの転職エージェントが見つかるよう、転職エージェントランキングをご紹介しています。
ぜひ、自分に合った転職エージェントを見つけてください。
おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ
まとめ|アーカイブの意味を正しく理解しよう
今回は、アーカイブの本来の意味や定義を解説するとともに、ビジネスシーンでの例文や使い方について解説してきました。
アーカイブ以外にも、ビジネスシーンで使われる言葉には、利用例があいまいだったり、意味をよく理解していないまま使う人が多いのも事実。
そのため、本来の意味をチェックしたうえで、適切に言葉を扱えるように注意することが大切になります。
今回の記事を参考にして頂き、アーカイブの意味を正しく抑えたうえで、コミュニケーションや仕事に役立ててくださいね。
参考:写真をアーカイブに移動する – Android – Google フォト ヘルプ
参考:アーカイブとは | クラウド・データセンター用語集/IDCフロンティア