適宜の意味とは?読み方、類語「適時・随時」との違い、使い分けを解説

適宜の意味とは?ビジネスシーンの例文と類語を詳しく解説!
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「適宜」とは、「状況にあっていることや、状況に適した行動を取ること」を指す言葉です。

日常よく使われる言葉でも、その意味合いを深く理解していないと、コミュニケーション不足やコミュニケーションの失敗に繋がってしまうことがあります。

特に、ビジネスシーンで多く用いられる「適宜」という言葉はよく用いられるものなので、正確に理解しておきたいところです。

そこで今回は、適宜の本来の意味や定義のほか、ビジネスシーンでの例文などを含めて適宜の意味合いについて解説していきます。

あやふやな理解で終わっているな…という方はぜひ参考にしてください。

「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。

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2017.12.25

INDEX

「適宜」の正しい読み方|「てきぎ」

「適宜」は「てきぎ」と読みます。

適時(てきじ)との意味の混同や読み方の誤りが頻繁に起こるため、使い方や読み間違いには十分注意しましょう。

「適宜」の正しい意味・使い方|「状況に適していること」「自分が適した行動を取ること」

「適宜(てきぎ)」とは、状況にあっていることや、状況に適した行動を取ることを指します。

辞書的な意味では、下記の2つの意味が含まれていることが分かります。

てき‐ぎ【適宜】

[名・形動]
1 状況によく合っていること。また、そのさま。適当。「適宜な(の)処理」「成績不振者に適宜個人指導をする」
2 便宜に従うこと。その時々に応じて、各自の判断で行動するさま。「適宜に席に着く」「見学後適宜解散とする」

引用:適宜とは – コトバンク

ひとつめの意味は、「状況に適している物事」のことを指すのに対して、ふたつめの意味では「自分自身が適した行動を取ること」を指しています。

どちらも場合も、タイミングや時期・状況にマッチしている行動のことを指す点では同じになります。

たとえば、一番日常生活に近い場面でいうと、「トイレに行きたくなったときにトイレに行く」のも「気分が悪いから散歩してくる」のも「適宜」に当てはまるということです。

「適」「宜」の2つの漢字は、どちらも「あてはまる」という意味を持つ感じであるため、ニュアンスとして自己判断でその場にふさわしい行動を取ることを表していることが分かります。

ただ、日本人は適度なマナーや常識を個々人の道徳観や倫理観に委ねる傾向があると言われているため、適宜以外にも「適時」「随時」といった似たような言葉に溢れています。

そのため、適宜という言葉を使う際には、ほかの言葉でもっとふさわしい言葉がないかどうかを知っておくことが大切になります。

「適宜」と「適時」の違い

最初に、適宜(てきぎ)と間違いやすい言葉のうち、「適時(てきじ)」との意味の違いについて学んでいきます。

ちょうどよい時。「適時に席を立つ」

引用:適時 – goo辞書

「適時」は、「ちょうどよいとき」のことを指します。適時や随時に比べて、使われる言葉も多いのではないでしょうか。

「適時〜〇〇してください」と言われたときは、ちょうどよいと自分が判断するタイミング・シチュエーションで行動すること」を指していますので、あなたが自分の判断で何かを実行していいということになります。

ただ、ビジネスシーンにおいて「適時」という言葉を使われた場合には、自分が考えている裁量の範囲と、指示を伝えてくる上司との間で、適時のニュアンスが異なる場合があります。

自分はどの範囲まで自分で決めていいのかは、ビジネスシーンではハッキリ聞いたうえで行動するべきでしょう。

「適宜」と「随時」の違い

1 適宜な時に行うさま。その時々。「随時巡回する」

2 日時に制限のないさま。好きな時にいつでも。「随時入院することができる」

引用:随時 – goo辞書

随時とは、「適宜なときにおこなう行動のこと」を指しますが、同時に日時に制限がないということを表す言葉になります。「時間的に考えて、条件が揃っているときに行動すること」を指します。

つまり、「随時」は「ある目的などに当てはまる時に何かを行うこと、特に日時に制限を設けずにその時々の必要に応じて何かを行うこと」、「適時」は「何かを行うために、時間や条件などがちょうど良い時」を表す語となっています。

つまり、「適宜」と似たような意味ですが、ニュアンスとしては時間的に適切なタイミングで行動してください、行動していますということを指します。

たとえば、「原稿の修正に関しては随時おこなうこと」というときは、特に原稿修正時間に制限はないけど、修正作業は必要なときにおこなってください…ということを表します。

「適宜」と「適度」の違い

[名・形動]程度がほどよいこと。また、そのさま。「適度な(の)運動」「適度な(の)湿り気」

引用:適度 – goo辞書

適度とは、「程度がよい」ことを表します。適度な運動、適度な食事など、一般的にちょうどよいことを表す言葉として、日常でも多く使われる言葉です。

適時とニュアンスが似ていますが、適時がタイミングを表すニュアンスであるのに対して、適度は程よい分量やレベルのことを表します。

ただ、こちらも「適度に〇〇をやっておいて」という指示をビジネスシーンで出された場合には、「適度」がどのくらいの基準・レベルを表しているのかをしっかり確認することが大切です。

たとえば、「〇〇の資料を適度な枚数印刷しておくこと」と言われたとします。この場合、30人が出席する会議資料であることが分かっていますが、30部ちょうどではなく5枚程度多めに刷っておくなど、適度には少し余裕を持たせるべきときがあります。

「適宜」と「適切」の違い

[名・形動]状況・目的などにぴったり当てはまること。その場や物事にふさわしいこと。また、そのさま。「適切に判断する」「適切な表現」

引用:適切 – goo辞書

適切とは、「状況や目的に合っていること」を指します。適度や適時と比較してみると、より目的にそぐう方法や行動のことを表すニュアンスがあります。

たとえば「最終的な目標があって、そのために一番優先してやるべきことは何か?」を考えたうえでとる行動は「適切な行動」になります。

適切な行動は、仕事やビジネスにおいては時代や環境によって異なります。そのため、周りとの協調性やコミュニケーションが不足していると、適切な行動を自分は取っているつもりでも、客観的に見るとそうではないということがあり得ます。

いつでも自分の行動を振り返り、適切な行動や目的に沿ったアクションが取れているかを確認することが大切になります。

「適宜」と「適当」の違い

[名・形動](スル)
1 ある条件・目的・要求などに、うまくあてはまること。かなっていること。ふさわしいこと。また、そのさま。「工場の建設に適当な土地」「この仕事に適当する人材」

2 程度などが、ほどよいこと。また、そのさま。「調味料を適当に加える」「一日の適当な仕事量」

3 やり方などが、いいかげんであること。また、そのさま。悪い意味で用いられる。「客を適当にあしらう」「適当な返事でごまかす」

引用:適当 – goo辞書

「適当」は、日常生活では「何となく」「軽い気持ちで行動する」というニュアンスを含みますが、本来の意味は適時や適切といった言葉に近い意味合いを持ちます。

ただ、こちらは場合によっては「いい加減な行動」という風にとらえられてしまうため、ビジネスシーンで使うのは避けておいたほうが紛らわしくありませんね。

ビジネスシーンで使われる「適宜」の意味・正しい使い方・例文

ここでは、主にビジネスシーンで使われる「適宜」の意味と使い方について、例文を含め解説していきます。

1 上司から部下への裁量ある指示出しのとき

日常生活やプライベートの行動は、それぞれ個人がふさわしいと思う行動を取ればOK。トイレに行くのも、起床や就寝時間も、すべて「適宜」行われていると考えて良いです。

しかし、ビジネスでは利益や人の思惑、損得勘定や経済的に合理的な行動かどうかなど、個々人に委ねられる適宜の幅が狭くなってしまいます。

たとえば、「休憩時間に適宜休憩して良い」という決まりが合ったとしても、家で過ごすようなやり方でオフィス内を自由に使えるわけではありませんよね。

つまり、ビジネスシーンにおける「適宜」は、合わせなければ行けない状況がビジネスマナーや社会常識、社会や社内の規則によってかなり縛られているものなのです。

そのため、上司や同僚、取引先から「適宜」という言葉を使われた場合には、適宜とは具体的にどのようなことなのかをきちんと聞いておくことが大切になります。

一般的な関係であれば、「適宜〇〇してください」という言葉で意思疎通がズレてしまうことはほとんどありません。

  • 休憩時間には適宜昼食・休憩を取ることが認められています。
  • 適宜、今回の勉強会から学んだ点をメモしておいてください。
  • 必須ではありませんが、来週のミーティングに向けて適宜必要な添付資料を作成しておいてください。

2 取引先や社外関係者との文面・口頭でのやりとり

取引先や社外関係者とのやりとりでは敬語を当然用いることと思います。文面上でも口頭であっても、「適宜」は便利な言葉として使えます。

たとえば、来週に先方と打ち合わせを行いたいが、互いのスケジュールが週の後半にならないと明確にならないことがわかった場合、「この日程で仮押さえさせていただきますが、適宜ご都合のよろしい時間帯に変更します。」と連絡できます。

また、相手から変更があった場合に「適宜ご連絡いただけますと幸いです。」と連絡しておくことで、相手を無理に拘束せずにリマインドすることができます。

  • 商品のお取扱いについてご不明な点がございましたら、適宜ご連絡くださいませ。
  • 来週の打ち合わせについてお時間の都合が悪いようでしたら、適宜変更させていただきます。
  • 適宜、今回のプロジェクト内容について連絡差し上げます。

3 ミーティングや社内調整、連絡を行う場面

取引先や社外の関係者のみならず、社内におけるミーティングの開催を予定しているときや、プロジェクト、チーム単位での連絡・調整を行う場面でも、「適宜ご連絡ください」などを使うことで、調整相手のタイミングに合わせて連絡を受け付けていることを明確にすることができます。

また、打ち合わせや会議などを行なっている最中でも適宜を使うことができます。「今回の会議では質問を受け付けております。ご不明な点がありましたら適宜質問頂ければ幸いです。」などの使い方になります。

  • 適宜、スケジュールが判明次第ご連絡ください。
  • 適宜、質問を受け付けております。
  • この資料に関してご不明な点がありましたら、○○担当の私まで適宜ご連絡ください。

「適宜」の例文・使い方|ビジネスや料理での用例

「適宜」は意味を理解できてもなかなか使いにくい言葉です。

それはすでに解説した通り、結局その場その場のシチュエーションやタイミングによって、適宜が意味する事柄や行動の中身が変化するからです。

ただ、一般的な使われ方を知ることで、適宜のニュアンスがつかめるようになるかもしれません。下記では、適宜の例文や用法・使い方についてご紹介しています。

「適宜」の例文1|適宜進める

「適宜進める」を言い換えると、「個別具体的な状況でもっとも適した形で進めて行く」というニュアンスになります。

たとえば、上司の承認を得てから実行すべき仕事がある場合に、「承認を得ルために段取りを考えておき、ちょうど良いタイミングでチーム全員に取り組んでもらう」などのことです。

「適宜」の例文2|適宜提出/適宜対応/適宜判断/適宜報告/適宜サポート/適宜加筆修正/適宜休憩 など

そのほか、適宜という言葉は「適切な状況・タイミングで各自○○する」というニュアンスになります。そのため、提出・対応・判断・報告といった、仕事における必須のコミュニケーションでよく使われます。

ただし、特に報告や判断、対応方法は現場によって大きくやり方が異なることが多いため、適宜のニュアンスについて良くわからないと感じたら、具体的にはどういった状況・ケース・タイミングのときなのかを聞いておくことも重要でしょう。

「適宜」の例文3|料理での適宜

料理における「適宜」は、「材料の種類やサイズに合った切り方や分量」を指します。

たとえば、ある調味料をおおよそ足りるくらい入れてくださいという場合や、入れても入れなくてもよく、お好みで調整してください、という意味になります。

「適宜」の例文|その他の例文・使い方

その他の例文は下記の通りです。

  • 適宜自由に休憩を取ってください。
  • 空いている席へ適宜着席してかまいません。
  • 適宜、自分の能力を最大限活かせる場所で働いている。
  • 何か問題があれば適宜連絡します。
  • 細かな修正点に関しては担当者に適宜連絡してください。
  • 適宜、仕事の進捗に関してメールをください。
  • 計画案は、適宜見直しを入れながら実施してください。
  • 自社のwebサイトを適宜更新する。
  • 適宜の用紙に記載の上、提出してください。

このように、おおよそ、「適時」「随時」と同じようなニュアンスで使われることが多いことが分かります。たとえば、時間は決まっているが自由席のセミナーや講演会での説明に使用されることが多いです。

また、ビジネスシーンでは進捗報告や連絡のタイミングを具体的に指定せず、現場の判断に任せるケースなどに適宜という言葉を使います。

どれも「適切な状況・タイミングで行動してください」という点で同じ意味を持ちます。

「適宜」の類語・言い換え語

適宜と同じ意味を持つ言葉で使いやすい言葉は他にも多数あります。

形式張った形で表現しなければ行けない場合を除いて、できる限り下記の表現を使うようにした方がわかりやすいでしょう。

「適宜」の類語1|適切

適切は、目的やその時々の状況にぴったりでふさわしいことを指す言葉です。

  • 危機的な状況でもっとも適切なのは、冷静に行動することだ」

「適宜」の類語2|適正

その状況に対して適切であり「正しい」とされることを適正と表現します。

  • この問題に対して適正な対処ができるかどうかは、業界で得た経験と知見に左右される。

「適宜」の類語3|相応・相応しい(ふさわしい)

ちょうど釣り合いが取れており、バランスが保たれているという状況の時に使うのが「相応(そうおう)」「相応しい(ふさわしい)」です。

  • これほどの対価をいただく以上、それ相応の覚悟と最後までやりきる強い意志が重要になるだろう。
  • この役職に就くには、それに相応しい知識と経験が求められる。

「適宜」の類語4|手頃な

「お手頃価格」などの表現で良く使われている表現です。適宜とは使われるシチュエーションが大きく異なるため、「ちょうど良いサイズ」「ちょうど良い値段」「ちょうど良い長さ」などなんらかの数字がちょうど良いことを表すときに使えます。

  • このボリュームで手頃な価格帯であることが、このお菓子が長年親しまれている理由である。

「適宜」の類語5|然るべき

「当然、そうするべきである」「当たり前に、そうなっているべきだ」という時に使うのが、「然るべき」です。

  • あちらが無理難題を押し付けてくるようなら、こちらも然るべき対応をしなければならない。

「適宜」の類語6|必要に応じて

適宜ともっとも使い方が良く似ているのは「必要に応じて」でしょう。適宜には、その状況に応じて○○してください」という意味合いがあります。

必要かどうか、その行動をとるべきかどうかを相手にお任せするニュアンスがあります。

適宜の英語表現は「appropriately(適切・相応)」

「適宜」は英語で表すと「appropriately(適切・相応)」になります。

そのほか、適宜には様々な表現方法があります。ケース別やシチュエーション別に適した表現を用いることが大切です。

適宜の英語のビジネス例文|適宜の処置をとる

  • do as one thinks fit take proper steps

適宜の英語のビジネス例文|適宜休憩

  • Break as appropriate

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まとめ|適宜の意味を正確に理解したうえで活用しよう

まとめ|適宜の意味を正確に理解したうえで活用しよう

今回は、適宜の本来の意味や定義のほか、ビジネスシーンでの例文などを含めて適宜の意味合いについて解説していきました。

適宜や関連する語句に関する使い方は、ビジネスシーンでも絶妙なニュアンスを理解しなければいけない場合です。

そのため、意味を理解するだけではなく、「適宜」「適時」といった言葉に含まれる内容を事前にチェックしたうえで行動することが大切です。

今回の記事を参考に、ぜひビジネス用語を適宜、使えるようにしていきましょうね。

参考:適宜とは –  コトバンク

参考:てき‐ぎ【適宜】の意味 – goo辞書

参考:適宜(てきぎ)とは – 適宜の読み方 Weblio辞書

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