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内示を言い渡されたときの注意点と取るべき行動は?
ここでは、「人事異動の内示」にフォーカスして、近い将来人事異動による内示を受けたときの注意点や、行動に移すべきことをご紹介していきます。
専門職や特定業種、スペシャリスト的な職業以外の一般職・総合職の場合や、公務員の場合には異動が頻繁に行われるケースも多いです。
まだ異動を経験したことのない若手ビジネスパーソンは、内示の意味を理解したうえで、取るべき行動をしっかりおさえておきましょう。
1 業務の引き継ぎをおこなう
人事異動の内示を受けてやるべきことはたくさんありますが、そのうち最も前々から準備が必要になってくるのが「業務の引き継ぎ」になります。
内示が出されてから辞令までには、一般的に1ヶ月の猶予があるため、この間に自分が担当していたプロジェクトや業務内容を、後任者に引き継ぐ必要があります。
権限委譲やクライアントへの連絡のほか、「引継書」に業務引き継ぎの内容を記載し、後任者に渡します。引継書にはフォーマットがある場合もあるので、まずは上司に確認します。
今後、異動の可能性がある方は、たとえ辞令が出るまでに余裕がある社内制度だとしても、スムーズに引き継ぎができるように、自身の業務については書面やメモに残しておきましょう。
2 挨拶回りの準備をおこなう(挨拶回りは辞令のあと)
内示を受けたときは、私生活や業務の引き継ぎで時間と思考が奪われます。しかし、「飛ぶ鳥跡を濁さず」というように、できるだけスムーズに関係者に対して配慮することも必要です。
クライアントへのあいさつや、上司・同僚への挨拶はしっかりおこないましょう。
おすすめの方法は、「外部の関係者」「社内の関係者」に分けて、あいさつリストを作成しておくこと。辞令が出されたあとにスムーズにあいさつ回りをするために、リスト形式でまとめておきます。
たとえお世話になった実感が湧かないとしても、同じ職場・会社にいることに変わりない異動(単なる部署異動)であれば、あいさつで角を立てないようにしておいたほうが良いです。
3 異動先部署の情報収集をおこなう
辞令までの間にできることは、異動先部署の情報収集です。また、転勤で遠方地域へ異動する場合には、その地域や交通機関などの特色や、取引先の情報などもできる限り集めます。
また、実際に一緒に働くことになる同僚・上司のうち、直属の上司のプロフィールはできる限り情報収集しておきましょう。
異動先の上司のことを知っている上司に質問してみると良いかもしれませんね。
4 同僚・上司であっても人には話さない
内示が出た後は、今後のことについて不安になる人が大半だと思います。
今の業務と関連している業務を取り扱う部署であればまだ良いのですが、関わったことのない部署に異動になることには、抵抗を感じる人も多いはずです。
また、誰かに相談したいと感じることもあるでしょう。しかし、同僚や上司であっても、むやみに内示が出たことを話すべきではありません。
基本的には、内示の内容をむやみに話すことは、会社側がNGと考えています。
ただし、企業によっては、内示を誰かに開示することを許可される場合もあるので、どんなことがあっても絶対に言ってはいけないというケースばかりではありません。
ただし、お世話になった先輩や上司に対しては相談も兼ねて話を通しておくほうが良いでしょう。
5 遠方への異動の場合は引っ越し・転勤の準備をおこなう
人事異動の内容は、必ずしも車内の部署異動だけではなく、ほかの事業所や支社・支店、もしくは出向という場合もあります。
遠方への異動を気に退職せずに受理する場合には、遠方へ引っ越すためのプライベートな手続きが必要になります。
家族がいる場合には単身赴任を選択するか、それとも家族全員で引っ越すかどうかを決定する必要がありますし、引越手続きにも様々な費用・準備がかかります。
内示が出た段階で、引越し準備を計画建ててやっておきましょう。
6 感情的にならず冷静にやるべきことに対処する
内示が出たときの一番の負担は、業務の引き継ぎでも引っ越しでも、あいさつ回りでもありません。感情が揺さぶられ、将来や働き方に大きな不安を感じることです。
たとえ「いつか転勤もありうるかもな」と考えていたとしても、実際に内示や辞令が出るときにはショックを受けます。
心の準備をしておくのも難しいと思いますが、冷静に対処することを決して忘れないようにしましょう。
感情的にならないためには、まず内示を受けたときの行動をチェックリスト形式で作成しておきます。そして、実際に内示から辞令までに行うべきリストをもとに、ひとつひとつやるべきことをクリアしていきましょう。
まるでひとつの仕事をこなすように、スケジュールと配分を決めておくことが必要です。それがひいては、精神的な安定にも繋がります。
7 異動される理由を確認する
異動に際して最も明確にしておくべきなのは、「あなたがなぜ異動されることになったのか?」ということです。
異動が頻繁に行われる企業であればあまり問題はありませんが、そうでない場合には何らかの評価が影響しています。
もちろん、良い評価を得て栄転する方もいますが、心当たりがない場合には悪い評価を考慮するべきです。
内示を伝えられる際には、上司や上層部に移動理由をハッキリと聴いてみましょう。良い理由であれば明確な返事が返ってくることがほとんどですが、悪い評価が原因で異動になる場合には、口を濁されることが多いです。
ただ、たとえ評価が悪く異動になったことが判明しても、落ち込む必要はあまりありません。理由さえハッキリしておけば、転職するかどうかを決める判断材料になります。
もし、あなたが自分自身を振り返って業績や売上に悪い影響を与えた原因が見当たらない場合には、何らかの理不尽な扱いを受けている可能性もあります。そういう会社に長居することには、リスクが伴います。
早めに関連企業や異職種/業種に転職されることをおすすめします。
若手社会人であれば、未経験業種への転職もスムーズにおこなうことができます。
ここまで、人事異動の内示を言い渡されたときの注意点や取るべき行動を解説してきました。
具体的に紹介してきた内容の通り、内示から辞令までの期間中には、やるべきことが数多くあります。また、今後の働き方やキャリアに不安になってしまうこともあると思います。
ただ、冷静に対処することさえできれば、リスク自体はないと考えることが大切です。もし異動先の仕事が会わないのであれば職場を変えることを検討すれば良いのです。
転職を検討したい方向けには、転職活動のコツを記事後半でご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
次の見出しでは、「人事異動」や内示を拒否することはできるのかどうかについて解説していきます。
人事異動の内示を拒否することは可能?|納得できないときの対処法
先ほどまで、内示に関する情報をご紹介していく中で「人事異動の内容を拒否することはできるのか?」という疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか?
結論からいうと、内示を拒否することや、人事異動を拒否することは基本的に不可能です。
そのため、内示に不服を感じる場合には、拒否以外の対応方法を取る必要があります。
1 基本的に内示を拒否することは不可能
内示を受けた従業員は、一応のところ「拒否権」が与えられていますが、「正当な理由がある場合に限って」という留保がついていることがほとんどです。
そのため、設けられている異議申し立て期間に企業・人事側に申し立てをしても、その申し立てが受領されるかどうかはわからないのです。
つまり、あなたと会社が雇用契約を結んだときから取り決められている人事権に従って、人事異動は執り行われることになります。
しかし、「人事権の濫用」に当てはまる場合には、人事異動が無効になるケースがあります。
人事権の濫用になるケース
- 業務上必要性がない人事異動
- 労働者の環境に不利益を及ぼす人事異動
- 勤務する地域や役職など労働契約の内容とは異なる人事異動
- 差別的な待遇(窓際族のような扱いや自主退職を暗に示す異動)
もし、どうしても納得がいかないと考えるときには、専門家に解決を依頼するのが良いでしょう。労働問題に詳しい弁護士を尋ねるほか、厚生労働省の総合労働相談コーナーを利用して相談することもできます。
2 内示に不都合がある場合には直属の信頼できる上司に相談する
内示に不都合がある場合には、とにかく直属の上司に相談することも視野に入れましょう。
いつもお世話になっている上司に相談するなら、人事部に直接話しを通しに行くよりも簡単なはず。
不都合がある場合にはその旨を相談し、上司になんとか解決を仰げないか相談してみます。
望みが薄いですが、ケースによっては内示の見直しが図られる場合もあるので、会社では働き続けたいけど今回の異動は難しいと考えるのであれば、積極的に相談しましょう。
3 異動でキャリアが見えない場合には転職を検討するべき
1、2の方法では、異動を何とか拒否するための方法をご紹介しました。しかし、上記2つの方法はどちらもあなたの労力・時間という意味ではデメリットがあります。
また、必ずうまく行く保証がないのも事実です。
そのため、内示をキッカケとして転職することも考慮にいれるべきです。なぜなら、自分に不都合な異動を繰り返す会社で長く働き続けることには、困難が伴うからです。
また、30代以降の転職になるとマネジメント経験や実績が求められる転職活動になりますが、異動が多い今の会社で多くのマネジメント経験を積めるかどうかは怪しいです。
また、30代以降のミドル人材層は、若手よりも難しいと言われることが多いです(適切に転職活動を進めれば不可能ではありません)
そのため、異動に不服がある場合は、こちらから会社に見切りをつけて転職することも考えるべきです。
転職活動は在職中におこなうことができますから、リスクはありません。
ここまで、内示や人事異動を拒否したい場合の行動を解説してきました。
本当に異動が難しいと感じる場合や、自分のことを適切に評価されていないことを感じた場合には、転職活動をすることをおすすめします。
「すぐ辞めてもどこでも通用しないぞ」と言われる場合もあるかもしれませんが、その会社で通用する人材になる必要がない場合も多いです。
次の見出しでは、転職したいと少しでも考えている方に向けて、転職先を探すためのコツを解説しています。
転職のやり方について知りたい方は、続けて転職の方法とコツを参考にしてください。
転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ
ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
1 転職サイト選びは慎重におこなう
これから転職活動を少しでも始めたいと考えている方の中には、まだ実際に求人情報を探し始めていない方も多いと思います。
転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。
しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。
転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。
下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。
転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する
転職活動を初めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは、転職活動の全体の流れをおさえること。
たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。
それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。
余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。
おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!
3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!
転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。
ただ、そんな人でも転職活動をおこなうことは可能です。
忙しい人や一人で転職活動を始めるのが不安な方は、求人紹介や転職相談、面接対策や日程調整まで様々なサポートを無料でしてくれる「転職エージェント」を活用しましょう。
在職中に転職活動を始めれば、リスク無しで好条件の求人を探すことができます。
もちろん、良い転職先が見つからないのであればムリに転職先を選ぶ必要はありません。
下記記事では、あなたにおすすめの転職エージェントが見つかるよう、転職エージェントランキングをご紹介しています。
ぜひ、自分に合った転職エージェントを見つけてください。
おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ
まとめ|人事異動の内示にはハッキリとした対応を!
今回は、人事異動やその他のビジネス現場でも活用される「内示」という概念について、辞書的な意味合いと現場での使われ方の両方を解説してきました。
人事異動の内示や内々示に不満を感じたり、対応に困ったりした場合には、転職を含めて幅広く働き方を見直すことをおすすめします。
転職活動自体にはリスクはないので、少しでも現状の働き方に違和感を覚えたなら、ぜひ今回の記事中のノウハウを活用してみてくださいね。
参考資料:内示(読み)ナイジ – コトバンク
参考資料:「内示」の意味 – goo辞書