「オマージュ」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか?
オマージュはたまに使われる言葉なので、何となくわかったつもりで使ってしまっている方も多いのではないでしょうか。特に、」「パロディ」「パクリ」などと意味の違いがわかりにくい点も、注目すべきポイントです。
そこで今回は、オマージュの本来の意味や定義を解説するとともに、例文や使い方についてわかりやすく解説していきます。
また、類語・言い換え語との違い、対義語の意味についても触れていきます。
「オマージュの意味、ちょっとあやふやだな」という方はぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
INDEX
オマージュの意味とは?
オマージュとは「尊敬の気持ちを表したもの」「賛辞」という意味を持つ言葉です。
オマージュ【hommage】
① 尊敬の気持ちを表したもの。敬意。
② ほめたたえるもの。賛辞。献辞。
「敬意・尊敬」を表す言葉と解説しましたが、オマージュは単純な「尊敬」を意味する場合には使われません。
単純な尊敬には「リスペクト」を使います。
オマージュは、たとえば「映画監督がとある著名な監督作品をオマージュしたもの」「有名な漫画のオマージュ作品」など、「尊敬することで似ている要素・内容になったもの」を指します。
日本語には似たような用語がたくさんあり、オマージュと同じような言葉で「パクリ(盗作)」「リスペクト」「インスパイア」「パロディ」などがあります。
ただ、オマージュは基本的に「とある作品を尊敬することで作品の内容が似るもしくは意図的に似せたもの」という意味で使うので、使い分けが大切です。
インスパイアの意味とは?
オマージュともっとも似ている言葉「インスパイア」の意味と、オマージュとインスパイアの意味の違いについても、ここで見ていきます。
インスパイアとは、ラテン語を語源とする「in(中へ)」「spirare(息吹)」から成り立つ言葉で「思想や生命を吹き込むこと」「感化・啓発・鼓舞などを受けること」「ひらめきや刺激を与えること」を意味します。
オマージュとインスパイアの違い
インスパイアとオマージュの共通点は、どちらをおこなった場合も「尊敬する作品からひらめきや影響を受けており、その元々の作品にリスペクトがある」ということが挙げられます。
たとえば、「○○のインスピレーションを受けて、この作品の発想を得た」という場合、その元々の作品から創作において多大な影響や刺激を受けたことへの「尊敬(リスペクト)」があるとみなすことができます。
オマージュはフランス語で「尊敬の気持ちを表したもの」であるため、その意味は同一と考えてよいでしょう。
しかし、オマージュもインスパイアも、影響を受けた作品が世の中に出て一般の人々の目に触れたときに「パクリ」などと揶揄されることも多いと言えます。
それは、オマージュやインスパイアが、本質的に「尊敬(リスペクト)の有無」を説明しないことが多いためです。
たとえば、ある小説に感銘を受けた作家が、インスパイアされ「似た結末を迎える小説を書いた」とします。
この場合、あえて作家自身があとがき等で「○○という作品をリスペクトしています」などと言わない限り、評価・レビューでは「結末は○○のパクリ」などと言われてしまうということがありうるのです。
また、「リスペクトしているかどうか?」も、個々人によって感じ方や考え方は異なります。そのため、オマージュやインスパイアと、「パクリ」は境界線が曖昧なのです。
パロディの意味とは?
ここでは、主に二次創作などで用いられる「パロディ」と、オマージュの違いについて紹介・解説しています。
パロディとは、「他の芸術作品を揶揄や風刺したり、批判したりする目的を持って模倣した作品」という定義が一般的です。
オマージュとパロディの違い
パロディは、ときおりオマージュと同じ意味で使われる言葉ですが、意味は少し異なります。
パロディは「風刺」という意味があり、オリジナル作品を茶化したり、面白おかしくするという意味があります。
一方オマージュは、面白おかしくではなく至って真面目に取り入れる場合に使われる言葉です。
たとえば、アニメのシーンで有名アニメと似ている描写があった場合は、ほとんどの場合「パロディ」になります。
面白おかしくオリジナル(元ネタ)を茶化しているときに使うのが「パロディ」とおぼえておけばおおよその使いわけができます。
インスパイアやオマージュ以上に、「面白おかしくする」という流れがある場合には、パロディということができますが、こちらも「パクリ」とは境界線が曖昧です。
まったくリスペクトがない状態では、自身の作品内で他の作品をあえて批判することも、皮肉として用いることもないと考えられる一方で、元々の作品のファンからしてみれば「バカにされているとしか思えない」というものも存在します。
また、主に著作権などの法律に抵触するかどうかも、一般の人々から「パクリ」と呼ばれるかどうかの基準となる側面があります。
パクリの意味とは?
パクリは「盗作」を意味する言葉として、オマージュやインスパイア、パロディと同じかそれ以上の頻度で用いられる言葉です。
オマージュとパクリ(盗作)の違い
オマージュと似ているようでまったく意味が違ってくるのが「パクリ(盗作)」です。
パクリとは、悪質な模倣を指す言葉で、「盗作」「盗用」などと同じ意味を持つ言葉です。
たとえば、有名映画を尊敬しており、そのシーンの一部を自分の作品でも表現したいと内容を取り入れることはオマージュになります。
一方で、マネをしたとは一切言わず、セリフ、ストーリー、撮影手法まですべて模倣した作品は「パクリ」になります。
作品を盗用することは著作権法でも禁じられていることですが、ネット上では「オマージュ」「パクリ」の基準があやふやで、ときに思い込みで炎上してしまうこともあります。
ただし、実際にオマージュとパクリに明確な違いがあるとは言い切れません。オリジナル作品の著作権者が「これは盗用だ」と判断すれば、パクリになる可能性もあります。
「オリジナル作品への尊敬がある模倣はオマージュ」「オリジナル作品に敬意がなくそのまま流用・転用しようとすることをパクリ」とおぼえておけば、使い分けができるでしょう。
オマージュの語源・由来
ここでは、オマージュの由来となった言葉の説明や、語源について解説していきます。
オマージュは英語ではなくフランス語
オマージュ(hommage)はフランス語で「敬意」「賞賛」を表す言葉として使われ、英語におけるリスペクト(英:respect)と同じ意味を持つ言葉です。英語で表現する場合「homage」となります。
封建制度が続いていた中世ヨーロッパの臣従の礼、主君に忠誠を誓うための宣誓を表すなど、本来は政治的な意味の強い言葉であったことが分かります。
homageとは
主な意味 敬意、尊敬、(封建時代の)臣従の礼、忠誠の宣誓
オマージュの由来
オマージュという言葉だけで「尊敬を込めた作品の内容に一部が似ているもの」を表す意味を持つのは、あくまでも日本国内でカタカナ語として使用される場合のみです。
語源である「hommage」を本来の意味で使うだけでは、カタカナ語のような意味にはならないことを抑えておきましょう。
オマージュ(仏: hommage)は、芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。
しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。ただしフランス語として使う場合は他の単語と組み合わせて「尊敬を込めた作品」の意味で使われることが多く、hommageだけでは「尊敬、敬意」の意味だけになる。
オマージュのビジネスにおける意味
ビジネス用語としてオマージュと言う言葉を使うことはほとんどありません。芸術作品や文学作品、映画・ドラマやアニメ、漫画などの分野で使われることが多いです。
ただし、たとえばネット上でコンテンツを配信するメディア業界、広告クリエイティブを作成する広告業界などでは、オマージュという言葉を使うケースがあるかと思います。
オマージュは明確な基準があるわけではなく、個々人が敬意を表し表現するものなので、けっこう意味があいまいです。
そのため、第三者が見ることができるかたちで作品を公開する場合には、「オマージュに当てはまるのか、それともパクリと言われてしまいそうか?」ということに注意する必要があります。
オマージュの例文・使い方
オマージュの例文・使い方は下記の通りです。
- 古典文学の様々な表現をオマージュした作品
- 〇〇監督へのオマージュが各所に散りばめられたこだわりのある映画である。
- 名画をオマージュしていることは、素人が見ただけでは分からないだろう。
- オマージュとパロディの境界線は作品自体をどう扱っているかで決まる。
- オマージュが含まれていることで、この作品のオリジナリティがさらに映える。
オマージュの類語・言い換え語
オマージュには、いくつか似ている言葉、類語や言い換え語として利用できる言葉があります。先ほども解説したように、オマージュなのかそれともパクリなのか、といった境界線は非常にあいまいです。
そのため、とある作品をリスペクトして自分の作品に取り入れるには「具体的にどんな場合オマージュになるのか?」という問への答えを自分なりに導くことが大切です。
特に、クリエイターの方はそのポイントを見極めないといけませんから、オマージュも慎重にならざるを得ないでしょう。
オマージュとリスペクトの違い
リスペクトは、「尊敬」「敬意」という意味を持つ言葉です。
そのため、オマージュと共通した意味を持ちます。英語の場合、リスペクトとオマージュはほとんど同じ意味で用いられます。
一方、異なる点もあります。同じ尊敬・敬意でも、対象となるものによって使い分けが可能です。
尊敬している対象が人である場合にはリスペクトを使い、尊敬する対象が作品である場合にはオマージュに鳴ると覚えておけばOKです。
たとえば、〇〇監督自体に影響を受けて作品作りをしたのであれば「〇〇監督をリスペクトした作品」と呼ぶのがふさわしいです。
しかし、〇〇監督の作品「△△」に影響を受けて内容や表現法を取り入れたのであれば「〇〇監督の△△をオマージュした作品」と表現したほうが良いでしょう。
オマージュの類語一覧
その他のオマージュの類語は下記のように様々です。
- トリビュート
- 二次創作
- 換骨奪胎
- 借用
- アレンジ
- もじり
- カバー
- リメイク
- 焼き直し
オマージュの対義語・反対語
オマージュには反対語・対義語があるわけではありませんが、オマージュのもととなる作品のことは「原作(英:Original)」と呼びます。
オリジナルがないことにはオマージュが起きることはありません。しかし一方で、後世でオマージュ、パロディを繰り返すことで、芸術や文学作品に歴史の流れができるといっても過言ではありません。
どちらも同様に大切なことでしょう。
オマージュの英語表現
「homage」
「homage」は、「敬意」「尊敬」を表す単語として用いられます。また、封建時代の臣従の礼や忠誠の宣誓を表す言葉としても使われます。
「homage」の例文・イディオム
- pay homage to…:…に敬意を払う
オマージュの意味や定義、使い方と例文について解説してきました。
ここまで読んできた方は、オマージュの本来の意味について、これまでの自分が知っていたこと以上に知ることができたと感じるのではないでしょうか。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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3 転職しても給料は下がらない
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4 新しい環境と今の環境の比較はカンタンにできる
転職活動自体はスタートでしかなく、本当に大切なのは「実際に内定をもらい入社したあとに後悔しないか?」という不安を解消することですよね。
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参考:オマージュ:hommage 意味・用語解説 – ファッションプレス
参考:オマージュとは (オマージュとは) [単語記事] – ニコニコ大百科