外資系保険会社への転職を検討している方の中には、実際の外資系企業や外資保険会社がどのような業界であり、どのような環境のもとで働くことができる企業群なのかを深く知らない方も多いと思います。
外資系企業は一般的に、企業の内部情報が秘匿されていますから、働いている人の生の声や、業界の特徴などについて詳しく知ることがとてもむずかしいのが現状です。
しかし一方で、高年収やスキルアップ、キャリアチェンジを考えている方にとって魅力的な企業が多いため、少しでも転職しようか悩んでいるのであれば、外資系保険会社の特徴や情報について大まかにおさえておくべきでしょう。
そこで今回は、外資系保険会社への転職を考えている方に向けて、仕事内容や業界の動き、年収や激務度など様々な観点から転職前に知りたい情報を解説していきます。
この記事を読むことで読む前とはまったく違う観点から、転職を本気で考えることができるようになります。ぜひ参考にしてください。
下記では、転職活動で利用するべき転職エージェントの特徴をもとに、ランキング形式でおすすめの転職エージェントをご紹介していきます。
「すぐに転職活動を始めたい!」と考えている方は、下記記事からご覧ください。
INDEX
外資系保険会社とは?
外資系保険会社は、一般に外国企業が経営権を握っている保険会社や外国の資本で経営されている保険会社のことを指します。
外資系保管会社の中でも、対面販売を主とする企業と、代理店での営業・販売をメインにする企業にカテゴリが分かれます。
外資系保険会社と国内保険会社との違いは?
外資系保険会社と国内保険会社には、どのような違いがあるのでしょうか? 分かっているようで、実はあまり分からない部分も多いと思いますので、その違いについて解説していきます。
国内保険会社と異なるポイントは、下記の3つです。
- 総合的な保険商品ではなく、自社の強みに特化した保険を販売する。
→「型決め商品」という概念がない。 - 営業マンは男性のビジネスマンがメインになる。
→「生保レディー」がない。コンサル型営業が多い。 - 日系の保険会社とは異なり、全国に支店網が設けられているわけではない。
→販売・営業手法による。
大手外資系であればあるほど採用基準が高くなるのは日系企業と同じですが、外資系生命保険会社の殆どは、基本的に誰でも目指すことができる業界です。
外資系は、従来のイメージ通り、「成果主義」で報酬体系が決められることが多いので、経験・スキルを磨き働けば、月収100万円以上を超える場合もあります。
主要な外資系保険会社は?
外資系保険会社で有名な企業といえば、CMや広告でよく見かける「アフラック」「プルデンシャル」「メットライフ」などが代表的です。
また、法人・銀行窓販に特化した商品を販売している外資系保険会社としては「エヌエヌ」「マニュライフ」が有名です。
さきほども解説した通り、総合型ではなく特化型で業績を伸ばす傾向にあるのが外資系保険会社の特徴です。
すでに国内系企業がいる中で海外から参入するわけですから、バーティカルな戦略を取るのは当然とも言えますね。
下記では、代表的な外資系保険会社を一覧表で掲載しました。転職先選びや業界研究に活用してください。
代表的な外資系保険会社一覧表
保険会社名 | 公式Webサイト | 法人設立国 |
---|---|---|
アクサ | https://www.axa.co.jp/ | フランス |
アクサダイレクト | https://www.axa-direct-life.co.jp/ | フランス |
エヌエヌ | https://www.nnlife.co.jp/ | オランダ |
アリアンツ | http://life.allianz.co.jp/ | ドイツ |
FWD富士 | https://www.fwdfujilife.co.jp/ | 香港 |
ジブラルタ | http://www.gib-life.co.jp | アメリカ |
ソニーライフ・エイゴン | https://www.aegonsonylife.co.jp/ | オランダ |
クレディ・アグリゴル | http://www.ca-life.jp/ | フランス |
プルデンシャル | http://www.prudential.co.jp/ | アメリカ |
マニュライフ | http://www.manulife.co.jp/ | カナダ |
マスミューチュアル | https://www.massmutual.co.jp/ | アメリカ |
チューリッヒ | https://www.zurichlife.co.jp/ | スイス |
アフラック | http://www.aflac.co.jp/ | アメリカ |
カーディフ | http://www.cardif.co.jp/ | フランス |
メットライフ | http://www.metlife.co.jp/ | アメリカ |
次からは、外資系保険会社へ転職したいと考えている方が一番気になるところである、「転職できる人の条件/特徴」を解説していきます。
外資系保険会社へ転職は可能?|できる人の条件と特徴を知る
外資系保険会社で働く上では、様々なポイントに注意する必要があります。転職活動は、転職先を決める前段階の準備がとても重要になります。
1 歩合給の報酬体系で働くことを受け入れられる人
歩合給の報酬体系で働くことを受け入れられる人でないと、外資系企業/外資系保険会社で働くことは難しいでしょう。
外資系保険会社の多くは「完全歩合制」を導入しているので、日系企業の歩合給よりも厳しい条件下で働くことになります。
入社3年目から完全歩合給に移行するなど、早い段階で完全歩合給になるようです。
また、固定給が設定されている企業でも、一定の水準(ノルマ)を満たす制限がありますし、安定を第一に求める仕事ではありません。
それに加え、解雇規制が日系企業よりも少ない外資系企業では、出社を禁じて早期退職を迫る「ロックアウト型退職推奨」というやり方もあるほどです。
ただし、その分年収額をこれまでとは比較にならないほどアップさせられる可能性もあります。
場合によっては、月収100万円以上を目指すことも可能です。
2 多忙・激務であることをわかったうえで働ける人
成果主義・歩合給が外資系企業の最大の特徴であるため、多忙&激務度の高さは日系企業よりも高めです。
そのため、成果主義で実績を残すために短期的に転職し、キャリアアップを図るのが現実的な働き方になると思います。
一社で長く勤め続ける時代は終わりを迎えつつあるので、多忙・激務であることを承知のうえで、5年後〜10年後の自分のキャリアプランニングをすることが必要になります。
たとえば、外資系企業で転職後、日系企業にもう一度戻るという選択肢もあります。
社歴・実績が深いと転職市場では有利に働くので、自分の転職市場価値を高める方法のひとつとして、外資系企業を目指すのもひとつの方法です。
3 営業職の経験がある人(必須ではない)
外資系保険会社は離職率が高いため、基本的に中途採用率が高く、人材を絶えず募集しています。
そのため、営業職や保険業界未経験の場合でも、転職すること自体はむずかしくありません。
また、研修制度を設けている企業もあるため、実績を作り出すまでの準備期間を確保することもできる場合がほとんどです。
しかし、先ほども解説した通り、3年後から完全歩合給になる企業が多いですから、営業職の経験がある人が有利です。
アプローチする新規顧客リスト作成をしたり、クロージングまでのロープレを繰り返したりと、営業職のノウハウを活かすことは大きなメリットになります。
4 能力を磨くために切磋琢磨することができる人
日系の保険会社では、新卒採用枠+厳選された経験者枠(中途採用)で人材を確保していますが、転職後には固定給と福利厚生の報酬体系・評価制度で働くことになります。
一方で、外資系企業では、年齢や最終学歴によらず、何よりも業績が良い人材が高く評価され、報酬も多くもらうことができます。
また、実力を向上させれば、日系企業よりもかなり短いスパンで役職に就くこともあります。そのためには、保険会社で働く人材としてスキルを磨き続ける必要があります。
数年で辞め再転職する場合を想定して、「自分の実力を試す+年収/キャリアアップを目指す」という目的で外資系企業へ転職することができる人が転職すべきです。
5 年収アップを目指す人
ここまで何回かお話してきたように、外資系保険会社では完全歩合給を採用しているため、年収額が大きく変わる可能性が高いです。
一方、売上を作ることができなければ年収アップどころか以前の年収額に満たないこともあるため、実力勝負に出なければなりません。
ただ、たとえもう一度転職することになったとしても、そこで得た能力と経験を他の分野・業界・関連企業で活かすことができるため、メリットがあります。
ここまで、外資系保険会社へ転職することができる人の条件や特徴をご紹介してきました。
イメージよりも転職するための入り口は広いのですが、入社できたからといって安心できる業界ではない…ということがわかったのではないでしょうか?
次に、外資系保険会社と、保険会社を取り巻く業界動向についておさらいしておきましょう。
外資系保険会社の業界動向を知る
ここでは、外資系保険会社の全体の動向や、業界動向について見ていきます。転職や就職活動前には、自分の希望する業界の動向を必ずリサーチしておくことが必要になります。
特に、外資系は日系企業と比べて業界全体・働く人材の流動性が高いため、常に時代を読みながら、自分の働き方について考えておくことが大切です。
1 外資系保険会社の日本市場への参入と合併の歴史
外資系保険会社というと、先ほど解説した通り、約40年ほど前から自社商品独自の強みを全面に出しつつ、コンサルティング型営業の色を強めに出してきたことで、日本市場で頭角を表してきました。
一番初めに日本市場に参入したのは「アリコジャパン(現:メットライフ生命)」です。
ただし、近年では日本の保険会社もマーケティング活動や商品改定をおこなうことで、外資系・国内生命保険会社の違いが少なくなってきています。(企業文化とは別の話です)
外資系保険会社も、日本資本の保険会社も下記の金商品関連の法律に縛られている点では同じです。
- 保険業法
- 金融商品販売法
- 個人情報保護法
このように、日本の保険会社と外資系保険会社では、外国資本・国内資本の違いがあっても、それほど違いはなくなってきている…といえます。
しかしながら、外資系保険会社はこれまでの40年間で合併や撤退を繰り返しています。
もちろん、日本の生命保険会社が絶対になくならない…というわけではありませんが、外資系保険会社が撤退・合併を繰り返した歴史の上にあることは、転職者としておさえておくべきことです。
2 外資系保険会社の人材流動性の高さについて
外資系保険会社への転職を検討しているなら、自分の希望する企業の「平均勤続年数」について調べるのもひとつの方法です。
現在働いている人が、どのくらいのスパンで働き続けているのかを知ることで、転職後の自分のキャリアプランを立てることができます。
ちなみに、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が調査した「外資系企業の労使関係等実態調査結果報告書」のうち、「参考 外資系企業と日本企業の比較」を観ると、外資系企業と国内企業の中途採用率には大きな差があることがわかります。
外資系企業と国内企業の中途採用率の比較
- 外資系企業:81.8%
- 日本企業:59.8%
国内企業と外資系企業の調査数に大きな差がありますが、おおむね国内企業よりも外資のほうが、割合として中途採用率が高いことが分かります。
もともと、業界構造と外資系企業の特徴として、人材の入れ替わりが激しいということを知っておきましょう。
次は、外資系保険会社の具体的な仕事内容・必要となるスキル、そして平均年収を見ていきます。
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