「検証」とは、「立てた仮説を実際に調べて、現実であることを証明すること」という意味を持つ言葉です。
検証という言葉は使いやすく一般にも使われる言葉なので、何となくわかったつもりで使ってしまっている方も多いのではないでしょうか。「検証結果」「検証評価」「再検証」…などと使うケースも多いです。
使いやすい言葉なので、無意識に使っているという方も多いかもしれません。しかし、あなたの使い方によっては間違っている可能性があります。正しい意味でボキャブラリーを高めていきたいとあなたも考えているはず。
そこで今回は、検証の本来の意味や定義を解説するとともに、ビジネスシーンでの例文や使い方について解説していきます。また、検討や確認などの類語との違いや言い換え、対義語の意味についても触れていきます。
「検証の意味、ちょっとあやふやだな」という方はぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
INDEX
「検証」とは?|意味と定義を解説!
「検証」にはどのような意味・定義があるのでしょうか?
ビジネスシーンでも日常生活でも、あなたの環境では使われることが多いはずです。だからこそ、検証の意味を検索窓に打ち込み、意味を調べようとしているのではないでしょうか。
しかし、検証の意味・ニュアンスや内容は職場や個人の使い方によって異なります。もともとの意味、本来の定義をおさえておくことが大切になります。
検証の本来の意味・定義を知れば「こんな使い方があったのか!」「もともとこんな意味があったのか!」ということが分かるようになります。
もちろん、気になるポイントだけをかいつまんで見てみるだけでもOK。ぜひ活用してください。
検証とは?|意味・定義
検証とは「立てた仮説を実際に調べて、現実であることを証明すること」という意味で用いられます。
検証 けんしょう verification
一定の理論によって立てられた仮説が具体的に現実に適合するか否かをテストすること。この場合,仮説の限定と観察の客観性が重要である。
引用:検証 – コトバンク
ある問題に対して「〇〇をすれば解決するのではないか?」と仮説を立てて実行したあと、それが本当に問題解決に繋がったのかを調べることが「検証」になります。
そのため、ただ気になったことを調べたり、思いつきで試してみたりすることは検証に当てはまらない点に注意が必要です。
たとえば、「現場検証」「実地検証」などで裁判官や警察・警察などの捜査機関が事件・事故現場を調査刷る際にも用いられます。検証は過去のデータを使ってもよく、以前発生した事件の情報を駆使して直近で起きた事件を解決するなども「検証」にあたリます。
検証は人の感覚や感情、思い込みで行われると意味がありません。そのため、検証作業は実際の事実に基づくデータか、コンピュータを使った実験などで行われます。
つまり、「批評」「感想」とはまったく違う意味です。どちらかというと、「分析」「検査」などに近い厳格なイメージです。
検証の英語の意味は「検証」「立証」「証明」など複数
検証は英語で「verification」です。verificationは検証のほか「証明」「立証」という意味もあります。
検証をすることは、仮説の効果が実際に合ったのかどうかを調べること。
そのため、立証や証明にも繋がります。
verificationとは
主な意味
(正しいということの)確認、立証、検証、証明、(軍縮協定などの)相互検証
引用:verificationとは – Weblio英和・和英辞典
英語の意味からも分かるように、検証とは証拠を明確にすることや、仮説を証明することも同時に意味します。ビジネスシーンでも「仮説を立てて検証する」という行動が重要になります。
ビジネスにおける検証の意味と重要性
ビジネスシーンでは、仮説を立てて仕事をすることが前提です。
たとえば、「3つの地域のうちもっとも売上の上がる土地に店舗を出したい」という計画がある場合、下記のような仮説を立てます。
- 人口が最も多い地域に出店すれば売上が最も多く上がる。
- 競合店が少ない地域に出店すれば売上が最も多く上がる。
一見、当たり前そうな仮説ですが、人口が多くてもその土地の人々が好まない料理を出す店ならお客さんは増えません。そのため、アンケートや実地調査などをもとに、実際にどのくらいの人が店舗に来店してくれるかを検証する必要があります。
また、競合店が少ないということはつまり、その土地で類似サービスをすることが難しいことを表しているかもしれませんよね。この場合、「すでに競合がその土地に出店したことはないか?」「あるとすればどのくらいの売上があったのか?」といったデータを調べ、検証する必要があります。
検証すると、さらに新しい仮説が生まれるので、それをさらに検証していき、客観的に見て「売上が最も上がる」と考えられる土地に出店することがゴールになります。
このように、一般的なビジネスでも「仮説を立てて検証する」という仕事が求められます。
もちろん、「店舗を出店する」ような大きな仕事だけではなく「営業で月○○万円以上の売上を上げるためには?」と考え、仮説を検証していくというものもあります。
要するに、「細かな改善をするためには仮説を立てて検証する作業が必要だ」ということ。
たとえば、「PDCAサイクル」というビジネスフレームワークは「Plan(計画)→Do(実行)→Check(改善)→Action(調整)」という4段階に分けて仕事を改善していくものですが、これも「仮説検証」のひとつの考え方です。
IT分野における検証の意味
IT以外の分野でも、企業が生産する製品の工程で、仕様・指示書通りに作業成果物が得られているかどうかをチェックするために、検証作業をおこないます。これを、検証評価と呼ぶことがあります。
ものづくりでは、作業手順や記録、作業測定などをおこない、客観的な基準で目的とするものを作ることができているかが明確になっている必要があるため、検証作業は重要なプロセスです。
一方、IT業界におけるソフトウェア開発では、実際にモノがあるわけではないので、成果物に対して「レビュー」「テスト」をおこないます。これも、検証作業のひとつです。
論理学における検証の意味
論理学とは、人が正しい判断や認識をするうえで必要な思考の進め方を明らかにする学問のことです。論理学においては、ものごとを証明するための方法として、2つの方法を挙げています。
2つの方法とは「検証(実証)」と「反証」と呼ばれる方法です。
論理学における検証とは「ある命題を肯定するために命題の対象範囲の全ての証拠を見つけること」とされています。
たとえば、「猫には尻尾がある」という命題が真であることを検証するために過去から今まで世の中に存在した猫のすべての尻尾を確認することが検証になります。
一方、反証は「命題が偽がどうかを確認するために命題を否定できる証拠を見つけること」です。たとえば、「猫には尻尾がある」という命題を偽であることを証明するために「尻尾がない猫」を見つけることが反証になります。
検証とは、物事が現実的に本当のことであるかを確認する作業です。
そのため、効率的にデータを探す方法を探さないと、長い時間と労力がかかったり、逆に途中で投げ出してしまったりするような作業になってしまう恐れがあります。
法律や裁判における検証の意味
裁判官おこなう検証は少々特別な意味合いがあります。裁判官がものごとの証拠資料を調査することを「検証」といいます。
資料内容を証拠とするのではなく「資料の髪質」「筆跡」「陰影」などを調査したり、人の容姿や音声を”検閲”したりするときの裁判官による調査を「検証」といいます。
それ以外のものは「書証」「証人喚問」になります。
検証の例文・使い方
検証はそのままで使われる言葉でもありますが、「検証結果」「検証評価」などといった言葉で使われる場合もあります。
- 検証結果を上司に報告する
- 検証評価のプロセスを見直すべきだ
- 検証の基準があいまいなので、再検証を要求する
- 行政機関の検証結果は公表されている
- 仮説を通して効果的な方法を検証していく
- これまでの検証結果から、次のアクションを決める
「検証結果」「検証評価」という言葉を使われた場合には、すでに検証作業自体が終わり、検証した最後の結論部分のみが判明していることがほとんどです。
そのため、たとえばあなたがビジネスのプロジェクト立ち上げを担当しているときなどは、仮説に対してどのように検証していくのか、しっかり自分自身でも把握しておく必要があります。
検証の類語・言い換え語
検証には似ている言葉が複数ありますが、本来の意味を深掘りしていくとまったく違う言葉であることが多いです。そのため、安易に検証の言い換えはできません。
ここでは、よく混同されて使われている類語との違いを解説していきます。
検証と確認の違い
確認とは「確かにそうだと認める」「はっきり認める」というさまを指します。
検証と同じ意味で使われる言葉には「妥当性確認」という言葉がありますが、意味が違うのでわけて覚えましょう。
検証とは目的とするものごとが最初に立てた仮説や用件を満たしたうえで作られているかどうかをチェックすること。
一方で、妥当性確認とは目的とするものごとが意図したかたちで作られているかをチェックすることです。
検証と検討の違い
検討とは「物事を詳しく調べ考えること」を指します。そのため、検証と同じような意味を持ちますが、検証ほど具体的ではないときに使う言葉です。
たとえば、「検討します」という場合「どちらにするかを後から考えてみる」といった程度のニュアンスでも使いますよね。
検証は「〇〇という仮説を証明するためには〇〇と〇〇を証明しなければならない」と明確な基準を決めて取り組むことなので、用いるシチュエーションが大きく異なります。
その他の検証の類語|論証と実証
検証には様々な類語がありますが、論証や実証といった言葉も多く使われるので使い分けが肝心です。
- 論証:論理的な説明だけで証明すること
- 実証:事実やデータによって証明すること
ビジネスにおける検証作業では、論証と実証のどちらも必要になります。事実や根拠となるデータを集め、それを論理的に整理して報告することまでが検証作業に当てはまるでしょう。
検証の対義語・反対語
検証にははっきりとした対義語があるわけではありません。しかし「立てた仮説を実際に調べて、現実であることを証明すること」が検証ですから、その逆の行動が対義語になります。
そのため、「あることを目にしているのにもかかわらず、それを見逃すこと」を表す「看過(する)」といった言葉が当てはまるでしょう。
検証の意味や定義、そしてビジネスシーンにおける使い方・使われ方などを解説してきました。
ここまで読んできた方は、検証の本来の意味や定義について、これまで自分が知っていたこと以上に深い教養が身についたと感じるのではないでしょうか?
ぜひ、今回知った知識を活かし、さらにスキルアップを目指したり、教養を深めていってくださいね!
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今の職場に満足してる?リスクなしで転職するための4つのコツ
ここでは、今の職場や待遇、働き方に不満を抱いている方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
転職活動というと、下記のようなイメージがあるのではないでしょうか?
- 「失業リスクがある」
- 「これまでに積み重ねた経験・キャリアがムダになる」
- 「転職すると給料が下がる」
- 「新しい環境に慣れるのが大変そう」
しかし、この4つの不安は下記の「4つのコツ」で解消することができます。転職したいと考えているけど、不安を解消できないと感じる方はぜひ参考にしてください。
1 転職活動に失業リスクはない!
転職活動を始めるにあたって最も不安なことは、「転職活動をすると、失業するのではないか?」というものだと思います。
一般に、仕事を辞めたり、退職して他の仕事を始めたりすることには、ネガティブなイメージを持つ方も大勢います。しかし、それは”間違い”です。
大手転職サービスを運営している「リクナビ」が公開しているデータには、こう書かれています。
20代では76%が「転職経験なし」という結果となっています。30代になると「転職経験なし」の割合は一気に減少し、半分以上の人が転職を経験。4人に1人は「転職1回」、そして約3割の人が「2回以上の転職」を経験しているという結果になりました。
20代では「10人中3人以上」、30代では「4人中1人以上」の人が転職活動を経験しています。
つまり、今では転職活動自体はそれほど珍しいことではなく、むしろそれが当たり前になってきているのが現状です。
ではなぜ、転職活動をすることができる人が増えているのでしょうか?理由は大きく2つあります。
理由1 「中途採用を積極的におこなう企業が増えた」
人材市場・転職市場の動向をアンケートをもとに調査しているリクルートワークスが公開したデータでは、近年は中途採用を積極的におこなう企業が増えたことが示されています。
2018年度の中途採用の見通しについては、「増える」(18.6%)が「減る」(4.0%)を大きく上回っている。
つまり、転職市場は「売り手市場」で、人手不足は飲食業界・情報通信業界(IT)・不動産業界を中心に活発に採用活動が行われていることを示しています。
理由2 「転職活動を在職中にできるサービスが増えた」
転職市場が売り手市場だといっても、「実際に自分のもとに内定が来るかは分からない」という不安は残りますよね。
しかし、その点についても心配いりません。今では、「働きながら転職活動をすること」がふつうです。
たとえば、一昔前までは、下記のすべての転職準備を、自分で調べながらやる必要がありました。
- 求人を探す
- 履歴書・職務経歴書を作成する
- 面接準備をして面接日程を応募企業と調整する
- 面接を1次〜3次まで突破する
- 給与条件や入社日を人事側と調整する
- 今の会社を辞めるための退職手続きや保険関係の手続きをおこなう
これだけ見ても、かなり大変であることがわかりますよね。
でも今は、「転職エージェント」を活用することができます。
転職エージェントとは、あなたの代わりに希望条件に合った求人を選び、人事側とスケジュール調整をしてくれたり、履歴書や職務経歴書の添削サポートをおこなってくれたりする無料サービスです。
そのため、転職するために仕事を先に辞める必要はありませんし、会社にバレる心配がありません。また、自分で準備するのは最小限にしたうえで転職活動をおこなうことができます。
…
以上2つの理由から、転職活動にリスクがないことがおわかりいただけたのではないかと思います。転職エージェントについてもっと詳しく知りたいという方は下記記事をご覧ください。
おすすめ記事:転職エージェントとは?おすすめの選び方と比較ポイントを徹底解説!
おすすめ転職エージェントは下記記事でご紹介しています。活用法や利用の流れも解説しているので、「転職エージェントを選びたい」という方はぜひ参考にしましょう。
また、「自分で求人を探したい」「自分のペースで求人を見てみたい」という方は、こちらの「転職サイトランキング」を参考にしてくださいね。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 これまで積み重ねてきた経験・キャリアは転職で活かせる
転職するときの悩みのひとつとして多くあげられるのは、「これまで積み重ねてきた経験・キャリアがムダになってしまうかもしれない」という不安です。
特に、30代前後である程度長く職場で働いてきた方や、エンジニアや金融・不動産などの専門的な営業をしてきた方は、そう感じることも多いでしょう。
これまで得てきた経験を活かすには、「同じ業界・職種/業種で活躍することができる仕事」を探すことが大切になります。
「同じ業界・職種/業種」で活躍することができる仕事を探すには、「業界・職種/業種に特化した転職エージェントや転職サイトを使うこと」をおすすめします。
あなたの経験・キャリアを正しく評価してくれる職場であれば、今の給料よりも高い金額を提示してくれます。
もしなかったら、そのときは転職をしなければ良いのです。
業界・職種/業種専門の転職エージェントや転職サイトとは、たとえば「IT業界に特化した転職サービス」「広告業界に特化した転職サービス」「看護師・保育士・介護などの転職サービス」など様々です。
業界特化型の転職サービスや、特定業界に強い転職サービスは、TOPページで掲載しています。
どんな経験・キャリアであっても、それを評価してくれる職場は必ず存在します。
もちろん、経験・スキルによって大幅に求人の見つかりやすさや条件は変化しますが、「今の職場に不満を感じている」のであれば、転職活動を始めてみるべきですよね。
3 転職しても給料は下がらない
「転職すると給料が下がる」と何となく悪いイメージを持っている方はいないでしょうか?
それはあくまでリストラなどが行われた過去の話です。今でもリストラの危険性がまったくないわけではないですが、自発的におこなう転職活動で給料が下がることはありません。
それはなぜかといいますと、最初に給与条件を検索できる転職サイトや、給与条件を代わりに交渉してくれる転職エージェントは無数に存在するからです。
特に、あなたの代わりに給与交渉をおこなってくれる転職エージェントに依頼することで、年収アップが可能です。
年収アップ転職をしたいと考えているなら、下記に掲載されている転職エージェントのうち、特に自分に会っていそうなものを順位1位から見てみることをおすすめします。
また、実際に今のあなたの職種・業種の求人が一般的にどの程度の年収なのかを調べることも大切です。そんな方は転職サイトに登録し、職種/業種の条件から求人を探してみることをおすすめします。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
4 新しい環境と今の環境の比較はカンタンにできる
転職活動自体はスタートでしかなく、本当に大切なのは「実際に内定をもらい入社したあとに後悔しないか?」という不安を解消することですよね。
「こんな職場に転職するくらいなら、以前の職場にいたほうが良かった…」という後悔をしたくない方は、転職活動に後ろ向きなはずです。
しかし、今の職場に不満を持っている方こそ、転職エージェントを使うべきです。
それはなぜかといいますと、転職エージェントでは応募先企業の内情や上司の情報、会社の雰囲気や残業時間の実態などについて詳しく教えてくれるからです。
あなたは、今の職場に不満を感じているからこそ、「転職先の内情」をしっかり知ったうえで転職したいと考えているのではないでしょうか?
実際に転職するかどうかは置いておいて、今の職場をほかの職場と比較してみることで、あなたが本当に満足できる仕事を見つけることができるでしょう。
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参考資料:検証(読み)けんしょう(英語表記)Augenscheinbeweis – コトバンク
参考資料:けん しょう [0] 【検証】 – Weblio辞書
参考資料:検証 – Wikipedia