「プロセス」とは、「手順」「過程」「経過」を表す言葉です。
なんとなく意味は分かりそうですが、使われる文脈やシーンによっては、何を意味するのかいまいち分からなくなることも多い言葉ですよね。
業界やビジネスシーンによって様々な意味合いを持つ言葉を適切に理解するためには、できるだけ本来の意味に近いところから意味を学ぶことが大切。
そのうえで、ビジネスでの使われ方や用例を学べば、状況によって使い分けたり、正しい意味を理解できるようになります。プロセスは業界や使う場面で大きくニュアンスや用法が異なるため、適切に使い分けるために事例を学ぶことが重要です。
そこで今回は、プロセスの本来の意味や定義を解説するとともに、ビジネスシーンでの例文や業界・分野ごとの使われ方について解説していきます。
「プロセスの意味、ちょっとあやふやだな」という方はぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
INDEX
「プロセス」の意味とは?|「経過・手順」
プロセス(英:Process)とは、「手順」「過程」「経過」を表す言葉です。また、物事を進める手順や仕事を進める方法のことを指す場合もあります。
1 仕事を進める方法。手順。「作業のプロセス」
2 過程。経過。
3 コンピューターでプログラムなどを動作させる際、CPUが実行するひとまとまりの処理の単位。
4 ⇒製造プロセス
引用:プロセス – goo辞書
「過程と結果どちらが大切だと思う?」という質問がありますが、過程(プロセス)はもともと目的に向かう流れや手順のことを表す言葉です。
また、「紆余曲折を経て結果が出た」という言葉がある通り、目的に真っ直ぐ向かうことだけを指す言葉ではなく、すべての結果を達成するためのすべての行動を指す場合もあります。
加えて、プロセスには「加工・工程」というニュアンスもあります。
製造プロセスやプロセスチーズのプロセスは加工・工程を表す意味で用いられています。
大まかに、プロセスには下記3つの意味があることが分かります。
- 時間や行動の過程を表す。
- 仕事や行動の手順・進め方を表す。
- ものを加工することを表す。
使われるシーンや業界によって、同じプロセスでもこの3つの意味のうちどれかに当てはまることになり、意味が少しずつ違ったものになることに注意が必要です。
プロセスの例文・使い方
プロセスには「手順」「過程」「経過」「工程」といった意味があることをすでに解説しましたが、主に使われるプロセスは「手順」の意味のプロセスになります。
なぜなら、プロセスはビジネスシーンにおいて仕事の進め方を表すことが多いからです。
ここでは主にビジネスシーンにおけるプロセスの使い方、例文を見ていきましょう。
- 仕事のプロセスを解明することで業務効率化に繋がる。
- プロセスを見直すことで、ミスが発生した原因がわかった。
- 成功するためのプロセスを教えてもらうことができた。
- 試行錯誤したプロセスを整理することが大事だ。
- プロセス管理を徹底する。
- 部下の仕事のプロセスを評価するが結果はダメであることもきちんと伝える。
ビジネスシーンでは、プロセスが整理されて明確であっても、成功や良い結果に結びつかないことがあります。
この場合でも、プロセスのうちどの部分を改善すれば結果を出すことができるのか、きちんと振り返り作業をおこなうことが、次の成功に繋がるでしょう。
プロセスのビジネスシーンでの用例・使われ方
さて、先ほどはプロセスのビジネスシーンでの使われ方を例にとって例文や使い方をご紹介してきました。
ここでは、プロセスが具体的にどのような用語で使われているのかを整理していきます。
あなたが耳にしたことのある用語が含まれている可能性もあるでしょう。その場合はぜひ正確な意味を抑えておき、仕事でも役立ててみましょう。
プロセスのビジネスシーンでの使い方1|プロセス管理
「プロセスを管理する」「プロセス管理を徹底する」という言葉が使われることがあります。営業職などのノルマ達成を目標にしている場合に、よく使われる言葉です。
営業職では、契約件数・売上・新規顧客開拓数、顧客訪問数など、様々な仕事の目標数値を設定し、月次・年次と目標を達成することが求められます。
最初のうちは、がむしゃらに時間を使って頑張るだけでもある程度の成果を残すことができるかもしれませんが、段々思うように成果が伸びなくなってくるときがあります。
そういった場合、ただがむしゃらに行動するのではなく、営業の方法や話術、訪問の仕方やアポの取り方など、仕事のプロセスを分解して改善できるポイントを見つけることが先決です。
そのために、自分がふだんどのような過程で仕事をおこなっているかをメモしておいたり、整理しておくことが重要になります。これが「プロセス管理」です。
プロセスのビジネスシーンでの使い方2|プロセスを踏む
「プロセスを踏む」という場合、あらかじめ仕事の流れやワークフローが決められた仕事をきちんと手順通りにこなすことや、部下に仕事を任せるときに業務が確実に遂行できるよう説明することを指します。
同じ仕事を何回も繰り返しおこなう「ルーティンワーク」では、プロセスが誰にでも分かるように明文化されていたり、マニュアルとして共有されていることが大事です。
あなたが最初に発見した仕事も、あなただけができる状態ではなく、社内の誰かが代わりにやることができるようにプロセスを整理しておくことが求められます。
プロセスのビジネスシーンでの使い方3|プロセスを見直す
「プロセスを見直す」「プロセスを改善する」という場合には、結果を出すための作業工程や手順を振り返り、どこかに問題点がないかを探すこと。そして対策を練ることを指します。
プロセス管理と同じですが、プロセスを見直すのは一度や二度ではなく、何度もおこなうことが大切です。改善すれば改善するほど次の問題が出てくることのほうが多いためです。
たとえば、プロセスを見直して売上を倍にした営業職の方は、まったく売上を上げることができない方に比べて見える課題や問題点も多くなります。
もちろん、その分だけチャンスが増えることも示しています。
プロセスのビジネスシーンでの使い方4|プロセスアプローチ
「プロセスを見直す」「プロセス管理をする」といったプロセスから結果を出すための方法や手順を発見していくことを「プロセスアプローチ」といいます。
プロセスアプローチは、個人ではなく組織やチーム、部署全体で取り組む仕事に対して使われることが多いです。たとえば、1人が効率的な仕事で納期までに完成品を作ることができているとします。
しかし、お客様に納品する仕事自体が何らかの理由で遅れている場合には、いくら完成品を作るスタッフが努力したところで、改善されることはありません。
このように、個人の作業行程だけではなく組織やチーム、部署全体のプロセスを明確にすることが、本当の業務効率化につながることが多いです。
プロセスのビジネスシーンでの使い方5|プロセスイノベーション
トヨタ自動車の「かんばん方式」をご存じの方もいるかもしれません。トヨタ生産方式と呼ばれ、自動車部品工場で必要以上に部品を作らなくても良いように仕組みを作り、業務を効率化させた有名な事例です。
このように、プロセスを変えることで生産性を抜本的に改善したり、向上させたりすることを「プロセスイノベーション」と呼ぶことがあります。
その他の分野でプロセスが使われている用語一覧
プロセスという言葉は、ビジネスシーン以外でも数多くの業界・ジャンルで活用されています。ここでは、その一例として有名なものを取り上げました。
プロセスの意味を理解するうえでのヒントとして活用してください。
プロセスが使われている用語1|「プロセスチーズ」
プロセスチーズ(英語:Process Cheese)で使われているプロセスは「加工(品)」という意味です。
この場合のプロセスはナチュラルの対義語です。プロセスチーズは複数のナチュラルチーズから作られ、加熱し混合されたものを乳化剤を使用して固めたものです。
最近はナチュラルチーズに押されていますが、味が均質なため加工食品に多く用いられます。
プロセスが使われている用語2|印刷業界での「プロセス印刷」
印刷業界では「プロセス印刷」という言葉が持ちられます。プロセス印刷とはプロセスインキと呼ばれる黄(イエロー)・紅(マゼンタ)・藍(シアン)・黒(ブラック)の4色印刷のことです。
今では6色印刷プリンターも増えてきていますが、4色印刷は比較的安価で購入することができるため、写真より書類印刷がメインの方に利用されます。
プロセスが使われている用語3|IT・コンピューター用語としての「プロセス」はプログラムの実行単位、スレッド、メモリのプロセス管理など
IT・コンピューター用語としてプロセスは様々な使い方がされています。ここでは代表的なものを一覧でご紹介します。
IT用語|プロセス=プログラムの実行単位
プログラムを動作させるために動くCPUの処理単位のことを「プロセス」と表現します。
IT用語|プロセス=プログラムを並列して実行する「スレッド」で構成されるもの
オペレーティングシステム (OS) によっては、このプログラムの実行単位であるプロセスは複数の「スレッド」と呼ばれるもので構成される場合があり、命令を同時並行して実行することをプロセスと呼称します。
IT用語|メモリのプロセス管理
OSはコンピューター自体のメモリ管理を行なっているため、メモリを管理する単位自体をOS側から見て「まとまった一つの処理単位=プロセス」を意味します。
IT用語|プロセスマイニング
プロセスマイニングとは、情報システムにあるログを分析することで、ビジネスプロセスのボトルネック改善、効率性や生産性を高めるために活用される技術を指します。
たとえば、自社の製品を受注してから対応完了までの一連の業務の流れのすべてをシステムのログ(履歴)から見て適切な形にデータを再構成することができれば、様々な切り口から現在の業務の課題や解決策を見いだすことができます。
IT用語|プロセッサ
プロセッサとは、コンピューターにおける「CPU(Central Processing Unit):中央演算処理装置」を指します。
「Intel(インテル)」「AMD(エーエムディー)」といった企業が生産していることで有名です。特にインテルはなんとなく名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
インテルのCPUはWindowsやMacに搭載されており、コンピューターの性能を大きく左右します。CPUがあることによって、コンピューターにおけるシステム全体の装置制御やデータ処理が可能になります。
IT用語|プロセス終了
「プロセス終了」とは、動作中のアプリケーションを停止することを指します。
パソコンを使っていて、同時に複数のソフトを立ち上げて負荷が多くかかった結果、動作が停止したり異常に遅くなってしまう場合、強制的にプロセスを終了することで対処することができます。
IT用語|Linuxにおけるプロセス
コンピューター内部で行われている処理を「プロセス」と呼びますが、各OSによって動作しているプロセスをチェックできる機能には名称の違いがあります。
このうち、Linux OSにおけるプロセスのチェックは「システムモニター」で行うことができます。(Windowsは「タスクマネージャー」、MacOSは「アクティビティモニタ」と呼ばれています)
IT用語|プロセス制御ブロック
UNIX系のOSで動作するプロセスは「プロセステーブル」という場所で管理されており、プロセス開始とともにプロセステーブル上に記載されます。
「現在動いているプロセスが書かれている管理台帳」を「プロセステーブル」もしくは「プロセス制御ブロック(PCB:Process Control Block)」と呼びます。
IT用語|C言語における「ゾンビプロセス」
プロセスは終了するとプロセステーブルから削除されるのが普通ですが、実際には処理が完了しているのにも関わらず、テーブル上に記載されているケースに陥る場合があります。
これが「ゾンビプロセス」と呼ばれるものです。
プロセスが使われている用語4|医療現場で使われる「プロセスレコード」
医療現場で用いられるプロセスには「プロセスレコード」と呼ばれるものがあります。プロセスレコードとは、看護師と患者の関係を記録しておく文章のことです。
患者の状態は、診療結果だけで観るだけではなく、看護師との日々の会話や行動をもとにチェックすることも必要になります。そのためにプロセスレコードが活用されます。
プロセスが使われている用語5|基本プロセス
「基本プロセス」という特定の過程や工程を指す言葉や概念はありませんが、「営業の基本プロセス」「マーケティングの基本プロセス」などのように、一定の業務の基礎基本に関しては、このように「基本プロセス」という言葉を使います。
プロセスの類語・言い換え語
プロセスは広く一般で使用されているカタカナ語ともいうべきもので、そのまま使っても特に伝わりづらい場面はないでしょう。ただし、場合によっては言い換えたほうが伝わりづらいケースもあるかもしれません。
プロセスの類語1|過程
物事が変化していく段階や、結果に至るまでの道筋を「過程」といいます。プロセスと同様の意味を持ちます。
プロセスの類語2|経過
経過は、「経過観察」という言葉にもあるように、物事や状態が一定時間内にどのように変化、進行していくかの様子を表します。
プロセスは、この経過自体の流れ全体を指す言葉なので、類語に該当します。
プロセスの類語3|工程
作業や業務を進める順番・順序や段階、進捗などを「工程」と呼びます。これも、プロセスと同様の意味を持ちます。
プロセスの類語4|手順
物事の順序や段取り、フローを「手順」といいます。何から手をつけるべきか、どんな順番で進めるべきかを示すものが手順です。
プロセスより具体的な流れや内容を示す際には、手順という言葉を使った方がわかりやすい場合があります。
プロセスの対義語
対義語はありません。
ちなみに、「プロセスと結果、どちらが大事か?」という問題をよく耳にしますが、そもそも二者択一ではなく、結果の対義語は「原因」です。
適切なプロセスがなければ良い結果はもたらされないため、どちらも重視することが肝要ですね。
プロセス(Process)の英語表現
さきほども記載しましたが、プロセスの語源は英語の動詞であり、「process」と書きます。
カタカナ語の場合でも英語単語の場合でも、同様に「手順」「過程」「経過」「工程」といった意味合いがあります。
「The process of doing」で「〜する過程」という英文を作ることができます。
「in the process of designing」:設計中
「the process of sale」:輸入手続き
また、処置、訴訟手続き、令状といった意味もあります。
プロセスの語源・由来
プロセス(process)の語源はラテン語で「前に行くこと」という言葉。前に行くための一つ一つの行動、それがプロセスです。
ここまで、プロセスの本来の意味や定義、ビジネスシーンでの使われ方や様々なジャンルのプロセスを見てきました。
主にビジネスシーンで使用される言葉ですが、専門的な業界でも様々な使われ方がされていることが分かります。
プロセスを見つめ直すことは、仕事でかなり役立つスキルのひとつです。無意識にプロセスを見直す行動ができるように、プロセスの重要性を今一度チェックしてみてくださいね。
転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ
ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
1 転職サイト選びは慎重におこなう
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転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。
しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。
転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。
下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。
転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する
転職活動を始めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは「転職活動の全体の流れ」をおさえること。
たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。
それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。
余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。
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3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!
転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。
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ぜひ、自分に合った転職エージェントを見つけてください。
おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ
まとめ|プロセスの意味を正しく知ったうえで使おう
今回は、プロセスの本来の意味や定義を解説するとともに、ビジネスシーンでの例文や業界・分野ごとの使われ方について解説してきました。
プロセス以外にも、ビジネスシーンで使われる言葉には、利用例があいまいだったり、意味をよく理解していないまま使う人が多いのも事実。
そのため、本来の意味をチェックしたうえで、適切に言葉を扱えるように注意することが大切になります。
今回の記事を参考にして頂き、プロセスの意味を正しく抑えたうえで、コミュニケーションや仕事に役立ててくださいね。
参考資料:プロセス [2] 【process】 – Weblio辞書
参考資料:プロセスとは – コトバンク
参考資料:プロセス – Wikipedia