「プリンシプル」とは、どのような意味・定義なのでしょうか?
また、金融業界や金融サービス業の中では、プリンシプルや類語のプリンシパルが使われているようですが、どのような使われ方をしているのかはなかなか分かりませんよね。
今回は、いまいち意味の掴めないプリンシプルという言葉について、訳語や類語から意味や定義から詳しく解説しています。日常的に使う言葉ではありませんが覚えておいて損はありません。ぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
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「プリンシプル」とは?|意味と定義を知ろう
ここでは、「プリンシプル」の英語の意味や、本来の定義について解説するとともに、類語や関係のある語句についても詳しく解説していきます。
「プリンシプル」の英語の意味・本来の定義
「プリンシプル(Principle)」とは、「原理・原則・根本」「主義・信条」という意味があります。会社名や商品名に活用されることもあるようです。
プリンシプル(principle)
1 原理。原則。根本。
2 主義。信条。
戦後、吉田茂の側近として活躍し、吉田政権崩壊後は実業家として活躍した白洲次郎の著書『プリンシプルのない日本』には、”プリンシプル”という言葉が使われています。
こちらでプリンシプルという言葉を聞いたことのある方も多いかもしれません。
プリンシプルという言葉は日本ではほとんど何らかの訳語が当てられるため、基本的にそのまま使われることがありません。
ただし、前述のようにプリンシプルを会社名や事業名、商品名として活用する事例があるようです。また、金融業界では、「プリンシプル」という言葉がそのまま用いられています。
プリンシプルの語源
プリンシプルの語源は、古代ギリシャの「アルケー(Αρχη)」という概念をラテン語に翻訳した「プリンキピウム(principium)」にあります。
もともと古代ギリシャ語のΑρχη アルケーという語・概念があり、キケロがそれをラテン語に翻訳する時に「principium プリンキピウム」という語をあてたという。
「principium」という語は、prin + cipiumという構造になっており、「prin」は「最初の」という意味で「cipi」は「cippus」と同グループ・同義の語で「石」などの意味を持つ言葉である。つまり、「principium」は「最初の石」「最初に置かれる石」といった意味の言葉である。
このprincipiumなどの日本語訳として「原理」があてられている。
「アルケー」とは「根源的原理」などと訳される哲学用語です。プリンシプルの意味である原理・原則が根源的な意味合いを持つのは、もともと哲学分野で用いられる言葉であったからです。
プリンシプルの訳語:「原理」の意味・定義
プリンシプルの訳語として「原理」があります、「原理的に〜」「原理は〇〇」という使い方をしますが、ここで正しい意味を知っておきましょう。
原理とは、「事象や認識の根本となるもの」を指します。コトバンクによると、人間の活動の「原則」とはニュアンスが異なることが説明されていますね。
①事象やそれについての認識を成り立たせる、根本となるしくみ。主として人間の活動にあてはまる原則とは多少意味の違いがある。 「多数決の-」 「相対性-」
② 〘哲〙 世界や現象の根本原因・根拠であるもの。本源。アルケー。 〔「哲学字彙」(1881年)に英語 principle の訳語の一つとして載る〕
引用:原理 – コトバンク
原理もあまり馴染みのある言葉とはいえませんが、「自然科学」「数学」「哲学(自然哲学)」と様々な学問分野で原理の意味が定義されています。
プリンシプルの訳語:「原則」の意味・定義
プリンシプルの訳語には「原理」と呼ばれる言葉もあります。こちらはよく使われる言葉として馴染み深い方もいるかもしれません。
原則とは、「多くの場合に共通に適用される基本的な決まり」のことを指します。
多くの場合に共通に適用される基本的なきまり・法則。「原則を立てる」「原則から外れる」「原則として部外者の立ち入りを禁止する」
引用:原則 – コトバンク
「多くの場合に」「共通に」「基本的に」と抽象的な意味合いが多いですが、これは原則という言葉自体があまりしっかりと定義されている言葉ではないことに由来します。
たとえば、一般的な意味合いだと、国内では「憲法・法律」のことを指しますし、世間や日常生活であれば常識やモットー、マナーやルールなどを表す場合もあります。
また、ビジネスシーンにおいては「社内規則」「慣習」のような意味合いで用いられたり、主義や信条と同じニュアンスで使われることもあります。
そのため、原理と比べて学問的に定義されているとはいいがたい言葉なのです。
特にビジネスシーンでは、原則どおりにしか対応できないことは「マニュアル的」と批判されますが、一方でマニュアルやワークフロー(仕事の進め方)がきちんと整っていないと、どうしても原則が浸透しておらず問題になることがあります。
なので、「原則」と「例外」をどう臨機応変に適応させていくかが、今後ますます複雑化する仕事やビジネスで重要になっていくことでしょう。
プリンシプルの訳語:「主義」の意味・定義
プリンシプルには、原理原則以外にも「〜主義(ism)」「〇〇主義者」という意味合いもあります。
個人や特定の思想を持った集まりの考え、方針や態度を表す言葉として用いられるほか、政治や学問、芸術の立場を表す言葉としても利用されます。
しゅ‐ぎ【主義】
1 持ちつづけている考え・方針・態度など。「それが僕の主義だ」「完全主義」「菜食主義」
2 思想・学説・芸術理論などにおける一定の立場。イズム。「実存主義」「自然主義文学」
3 特定の原理に基づく社会体制・制度など。「資本主義」
引用:主義 – コトバンク
ただ、一般的には「〇〇イズム」「〇〇主義」という言葉で表されることが多いので、プリンシプルと表現することはほとんどありません。
プリンシプルの訳語:「信条」の意味・定義
「信条」という言葉は日本に住んでいるとあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、宗教や進行に関して守っていることや信じていることを「信条」と言います。
また、キリスト教では信仰を基準かしたものとして「信条」が使われています。
しん‐じょう〔‐デウ〕【信条】
1 堅く信じて守っている事柄。「独立自尊が私の信条だ」
2 信仰の箇条。教義。「信条を守る」
3 キリスト教会において、その信仰告白を基準化したもの。使徒信条・ニカヤ信条・アタナシウス信条などがある。
引用:信条 – コトバンク
信条はラテン語で「クレド(Credo)」と呼び、企業組織でも「クレド」として企業の価値観や行動規範を定めている例があります。
企業が掲げるクレドは、「社訓」や「社是」といった抽象的なものではなく、社員一人ひとりに浸透するような実践的な内容が求められます。
グローバル化に伴い日本国内だけではなく海外で事業活動をおこなうことが当たり前になり、ダイバーシティに基づいた人材採用・活用を積極的におこなわなければいけないこれからの企業では、より実践的なクレドが求められます。
プリンシプルの類語:「プリンシパル(Principal)」の意味
プリンシプルの類語としては、「プリンシパル(Principal)」という言葉があります。プリンシパルとプリンシプルは似ていますが、意味合いは異なる点に注意が必要です。
プリンシパルは、「所要な人」「もっとも重要な人」という意味を表します。バレエ団のトップダンサーのことを指す以外ではあまり使われない言葉です。
プリンシパル【principal】の意味
主要な人。最も重要な人。バレエなどの主役。
引用:プリンシパル【principal】の意味 – goo辞書
また、補足ですがIT用語として.NET FrameworkのセキュリティのユーザーIDとロールを表す言葉として用いられています。
ここまで、「プリンシプル」の本来の意味や定義のほか、訳語や類語についても詳しく見ていきました。
プリンシパル自体はそこまで多用される言葉ではありませんが、日常生活で何となく使っている言葉と深いかかわりがあります。
しかし、プリンシパルや類語のプリンシプルは金融業界において多用される言葉です。そのため、次は金融業界におけるプリンシプルの意味や使われ方について解説していきます。
金融業界における「プリンシプル」の意味・使われ方
「プリンシパルインベストメント(PI)」の意味
「プリンシパルインベストメント」とは、自己資金投資のことです。
証券会社は、一般に投資家から集めた資金をもとに企業への投資を行います。
しかし、投資家から集めた資金ではなく、自社保有(つまり証券会社が持っている資金)を使って企業へ投資することを「自己資金投資」と呼びます。
プリンシパルインベストメントを行う場合には、自己資金だけではなく借入金をともに使って投資をおこないます。投資対象は企業の株式、証券、不動産、事業なども含まれます。
投資をおこなう証券会社は資金を投資家から集める必要が無いため利益が出たときの配当を行う必要がありませんが、その分大きなリスクを背負うことになります。
「プリンシプルベース」の意味
金融庁は2008年4月18日に「『金融サービス業におけるプリンシプル』等の公表について」という報道資料を金融庁Webサイトに掲載しています。
当時の金融庁は「金融規制の質的向上」を大きな柱として立てており、その一環として、金融サービス提供者と議論を重ねており、金融サービス業のプリンシプル、つまり金融サービス業を営む事業者の原則なるものを公表しています。
プリンシプルとは、法令等個別ルールの基礎にあり、各金融機関等が業務を行う際、また当局が行政を行うにあたって、尊重すべき主要な行動規範・行動原則と考えられる
引用:金融サービス業におけるプリンシプルについて(pdf) – 金融庁
企業のクレドのようなものが、金融庁のもと定められたと考えれば分かりやすいかもしれません。
たとえば、「利用者の財産の適切な管理」「法令や自主規制等の遵守」などが「金融サービス業におけるプリンシプル 別紙1」に定められているなどが定められています。
ここまで、金融業界におけるプリンシプル、プリンシパルの使われ方について見てきました。
日常生活や金融業界以外でのビジネスシーンではあまり使われない言葉かもしれませんが、訳語や類語を含めて知っておいて損はありません。
金融業界への転職を志望している方は、ぜひ下記から参考にしてください。
転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ
ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
1 転職サイト選びは慎重におこなう
これから転職活動を少しでも始めたいと考えている方の中には、まだ実際に求人情報を探し始めていない方がほとんどだと思います。
転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。
しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。
転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。
下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。
転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する
転職活動を始めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは「転職活動の全体の流れ」をおさえること。
たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。
それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。
余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。
おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!
3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!
転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。
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おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ
まとめ|渉外は営業よりも幅広い業務を担当する
今回は、いまいち意味の掴めないプリンシプルという言葉について、訳語や類語から意味や定義から詳しく解説してきました。
特に金融業界で用いられる言葉としてプリンシプルという言葉をご紹介しましたが、プリンシプルの訳語である原理原則などは、ビジネスシーンでもプライベートでも使う言葉です。
いつも使っている言葉こそ、気をつけて使っていくことが大切ですよね。ぜひ今回の記事を参考にしてください。
また、IKIKATA Databaseでは様々なビジネス用語について解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
参考資料:プリンシプル(英語表記)principle – コトバンク
参考資料:プリンシプル – Wikipedia
参考資料:「プリンシプル」の意味 – goo辞書