「アプライアンス」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか? なんとなく意味は分かりそうですが、使われる文脈やシーンによっては、何を意味するのかいまいち分からなくなることも多い言葉ですよね。
業界やビジネスシーンによって様々な意味合いを持つ言葉を適切に理解するためには、できるだけ本来の意味に近いところから意味を学ぶことが大切。
そのうえで、ビジネスでの使われ方や用例を学べば、状況によって使い分けたり、正しい意味を理解できるようになります。
そこで今回は、アプライアンスの本来の意味や定義を解説するとともに、ビジネスシーンでの例文や使い方について解説していきます。
「アプライアンスの意味、ちょっとあやふやだな」という方はぜひ参考にしてください。
「転職活動を始めたい」と少しでも考えている方は、ぜひ下記記事をご覧ください。
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「アプライアンス」とは?|意味と定義を解説!
「アプライアンス」にはどのような意味・定義があるのでしょうか?
ニュアンスや意味内容はシーンや分野における使い方によって大きく異なるため、もともとの意味、本来の定義を抑えておくことが大切になります。
アプライアンスの意味・定義
「アプライアンス」とは、特定の機能や用途だけに特化した製品のことを指します。
IT用語として利用されている言葉ですが、後ほど解説するように、家電や家具などでも、特定用途に設計され作られた製品であれば、「アプライアンス」と呼ぶことができます。
アプライアンスとは特定の機能や用途に特化した専用機器のこと。 複数の機能を保有する汎用機器に対し、不要な機能を削減しているため、比較的安価で高い性能を持っている。 ストレージやルータ、ロードバランサなどの製品分野でアプライアンス製品が多く見られる。
ただ、特定用途に設計・開発されるもののうち、特に機能が細かく別れるのはIT機器、特にサーバーです。
サーバーとは、様々なデータを保存する機器のことです。また、時にはサーバー内にインストールされたウェブサーバー、メールサーバーといった言葉としても利用されます。
サーバーなどのIT機器は、特定用途に最適化されることで真価を発揮します。そのため、アプライアンス製品が続々と登場しているのです。
また、家電メーカーで「アプライアンス」という社名の企業もいくつか存在します。機能分化し特定用途に絞った家電製品を開発・設計する企業として抑えておきましょう。
アプライアンスの語源・由来
アプライアンスは英単語で「appliance」というスペルです。意味は、動詞で「備え付ける」、名詞で「器具」「装置」「家電製品」という意味を持ちます。
appliance【他動】
~に器具を取り付ける[備え付ける]
〔家庭用〕電化製品、電気器具
〔歯科の〕歯列矯正器具[装置]
さきほど少しご紹介した社名としてのアプライアンスという場合、白物家電(冷蔵庫や洗濯機、炊飯器や電子レンジなど)を取り扱う会社や部門名につけられるため、「家電製品」「電化製品」という意味合いで「ホームアプライアンス」と呼びます。
また、歯科矯正器具としてのアプライアンスという意味もあります。
ビジネスにおけるアプライアンスの意味
ビジネスシーンにおいて「アプライアンス」が多用されるのはIT業界や家電メーカー分野の企業のみとなっています。そのため、上記分野・業界以外の方にとっては馴染みがない言葉です。
しかし、アプライアンス製品は身近にあります。たとえば、家庭用ゲーム機やWeb閲覧やメール送信専用端末などは、立派なアプライアンス製品といえます。
多機能型で複数の用途に使える製品に比べて、機能が絞られていることで小型・軽量化が図られたり、価格を安くすることができたりします。
また、PCなどのコンピューターの操作に慣れていない家庭向けのアプライアンス製品などは「情報家電」とも呼ばれており、ビジネス的な側面からアプライアンスが重要であることが分かります。
IT業界におけるアプライアンスの意味
IT業界におけるアプライアンスとは、情報機器・通信機器のうち、多機能ではなく単機能製品、また特定の用途に合わせて設計された機器のことを表します。
IT分野・業界でアプライアンスという言葉が使われる場合には、様々な文脈で用いられます。そのため、いくつかの用語にわけてアプライアンスを解説していきます。
1 アプライアンスサーバー
アプライアンスサーバーとは、Web・電子メール・DNS(ネットを使うための名前とIPアドレスを管理すること)やDHCP(IPアドレスをコンピュータに自動割当するシステム)などの機能に特化したネットワーク用サーバーのことです。
特定機能に特化したサーバーを作るのは、多機能・様々な用途に使えるサーバー上に機能を付けるよりも安く、設定も簡単に済ますことができるメリットがあるため、数多く利用されています。
ただ、アプライアンスにはほかにも「キャッシュサーバー」「ルーター」「ファイルサーバー」「暗号化装置」などの様々な種類があります。
2 セキュリティアプライアンス
セキュリティアプライアンスとは、セキュリティ機能に特化したコンピュータのことです。
セキュリティ機能とは、主にネットワークで外部から攻撃してくる「コンピューターウイルス」「スパイウェア」「スパムメール」「不正アクセス」といった脅威からコンピューターを守る機能のことを指します。
セキュリティアプライアンスには、下記のような機能がついていることが一般的です。
- ファイアーウォール
- VPN(Virtual Private Network):安全なデータ通信を利用できるシステム
- アンチウイルス機能
- IDS(Intrusion Detection System):侵入検知システム
- IPS(Intrusion Prevention System):進入防御システム
- アンチスパムメール:スパムメールからの防御システム
また、上記のすべての機能を兼ね備えた「UTM(Unified Threat Management):統合セキュリティアプライアンス」などのコンピュータ製品があります。
すべての機能が分化していると、すべての機能を利用するために複数の機器を導入する必要ああります。費用も管理費もかかるため、セキュリティ対策にはかなりの資金が必要です。
しかし、UTMであればコストをできる限り抑えたかたちでセキュリティ対策ができるため大きなメリットがあります。
3 アプライアンス OS
セキュリティアプライアンスのひとつの用語として「アプライアンスOS」というものがあります。
上記で解説したセキュリティアプライアンスに使われているOS(オペレーティングシステム)は、皆さんがよく使っているWindowsや、Apple社のOS Xとは異なるOSです。
広く普及しているOSではなく、アプライアンスを開発したベンダー独自のOSが使われている場合には、セキュリティの穴を突かれてしまうリスクがかなり少なくなります。
また、LinuxというOSが使われている場合にも、機能に特化しているため攻撃されるリスクが減ります。
4 ストレージアプライアンス
セキュリティアプライアンスではなく、その他のアプライアンスで頻繁に使われているのが、NAS(Network Attached Storage)と呼ばれるファイル共有ストレージアプライアンスです。
NASにも様々な種類・機能を持つものが存在しますが、たとえば複数のHDDを搭載しているためにデータの安全性が向上したり、データ共有が便利になったりする機能があります。
また、ネットワーク通信やファイルシステムが最初から搭載されていることで、簡単にオフィスなどで導入することができるのも利点です。
オフィスではデータ共有を安全かつ消失の可能性が低い方法でおこなう必要があります。そのため、NASを活用して社内のデータ共有に使うことが多いです。
アプライアンスの例文・使い方
アプライアンスの例文・使い方は下記の通りです。
- アプライアンスサーバー
- セキュリティアプライアンス
- スマートアプライアンス
- ホームアプライアンス
- コンピュータ・アプライアンス
- ブロードバンドアプライアンス
- メディカル・アプライアンス
- ユビキタス・アプライアンス
アプライアンスの類語・対義語
アプライアンスには、上記で説明したような用例があることを抑えておけば良いでしょう。また、サーバーや各種専門用語についても、必要になった際に覚えておきましょう。
アプライアンスに対義語は見当たりませんが、アプライアンスサーバーなら「汎用サーバー」といったところになります。
「どんな用途にも使える製品」と「用途が特化している製品」と考えれば、アプライアンス製品の特徴について理解しやすくなるでしょう。
ここまで、アプライアンスの意味や定義、そして主にIT業界における使い方を解説してきました。アプライアンスはIT業界や家電メーカーなどの特定分野を除き、あまり見られない言葉です。
しかし、サービスや製品の特徴を抑えたり、機能に特化した製品について分析するときにも役立つ知識なので、ぜひ抑えておきましょう。
転職したい?希望条件の転職先を探すための方法とコツ
ここでは、転職を少しでも検討している方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
1 転職サイト選びは慎重におこなう
これから転職活動を少しでも始めたいと考えている方の中には、まだ実際に求人情報を探し始めていない方がほとんどだと思います。
転職活動でいちばん大切なことは「どうやって転職求人を探すのか?」ということです。
しかし、転職サイトといっても様々なものがありますし、利用できる転職者のターゲットや、効果的な活用法が異なります。
転職サイト選びに悩んでしまう理由は、「そもそもなぜ転職サイトを使うべきなのか?」という根本が分からないからです。
下記記事では、転職サイトのランキングをご紹介しつつ、効果的な活用法や注意点について解説しています。
転職サイトを通じて求人を探したい方は、ぜひ下記記事を参考にして、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 転職活動の全体の流れをおさえ、余計な不安を解消する
転職活動を始めたいけど、なぜか不安…そんなふうに思っている人が最初にやるべきことは「転職活動の全体の流れ」をおさえること。
たとえば、料理をするときは、レシピを全体を見て必要な材料を揃え、作り方の流れをある程度覚えてから実際に作り始めますよね。
それと同様に、転職活動も全体の流れを通して学び、その上で実際に始めることで、成功率が格段にアップします。
余計な不安を感じずに、前向きに転職活動をしたいなら、まずは転職活動の基礎知識を学びましょう。
おすすめ記事:【全知識】転職活動のやり方・期間・面接対策・必要書類まとめ!
3 転職が初めてなら、「転職エージェント」を使うべき!
転職活動の流れは知っているけど、それでもまだまだ転職は不安…そう感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
頭では分かっていても、実際に転職に踏み出す勇気がなかなか出ない人もいるでしょう。また、単純に仕事が忙しく、転職したいけどできないという方もいると思います。
ただ、そんな人でも転職活動をおこなうことは可能です。
忙しい人や一人で転職活動を始めるのが不安な方は、求人紹介や転職相談、面接対策や日程調整まで様々なサポートを無料でしてくれる「転職エージェント」を活用しましょう。
在職中に転職活動を始めれば、リスク無しで好条件の求人を探すことができます。
もちろん、良い転職先が見つからないのであればムリに転職先を選ぶ必要はありません。
下記記事では、あなたにおすすめの転職エージェントが見つかるよう、転職エージェントランキングをご紹介しています。
ぜひ、自分に合った転職エージェントを見つけてください。
おすすめ記事:おすすめ転職エージェントランキング!選び方や注意点・活用法まとめ
まとめ|アプライアンスの意味を正しく理解しよう
今回は、アプライアンスの本来の意味や定義を解説するとともに、IT業界などにおけるアプライアンスの使い方や、例文について解説してきました。
アプライアンス以外にも、ビジネスシーンで使われる言葉には、定義があいまいだったり、意味をよく理解していないまま使う人が多いのも事実。
そのため、本来の意味をチェックしたうえで、適切に用語を扱えるように注意することが大切になります。
今回の記事を参考にして頂き、アプライアンスの意味を正しく抑えたうえで、コミュニケーションや仕事に役立ててくださいね。